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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
六章 火の機械世界
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2話 皐月とお婆ちゃん

 皐月とお婆ちゃん




「あ、お婆ちゃん。こんにちは。お孫さんはどこに行ったのか分かったのかい」


「ん? おや、あの時の子じゃないかい。あの時はありがとうね。おかげで、孫娘の家までは行けたのよ。でもね。うちの子に聞いたら、家出ではなかったのよ、旅に出たって行ってたわ。もう出て行ってしまってて、どうしたのかしら? 奈波ちゃんそんな子じゃなかったのに……」


「んん? 奈波の事かい?」


「おや、知っているのかい?」


「えっと、犬飼 奈波だよね」


「やっぱり! 何処で会ったんだい?」


「え……っと、旅先で会ったんだ、でも一回ここによるって言っていたよ」


「たしかに、戻ってきていたみたいなんだけどね。婆の入院中に、またどこかに行ってしまったみたいでねぇ」


「ええ! 大丈夫かいお婆ちゃん。でも、うん、近いうちに来ると思うよ。一緒に旅している人に話を聞いたから確かだよ」


「! ありがとうね。じゃあ、見かけたら、ここに電話するように言ってね。もし、嫌がったら、あなたがここに居たって電話してくれてもいいかしら?」


「うん、分かったよ」


 おや、さっきまで、公園で子供の相手をしていた式が、戻ってきたよ。


「皐月、何話し込んでいるのかしら?」


「えっと、奈波たちの話をしていたんだ。こちらは、奈波のお婆ちゃんなんだ」


「へー。奈波たちはもう来ているみたいよ。証拠にあそこほら」


 ん? 海に軍艦があるよ。でもなんで、


「あれは、本当に、マーキュリーの艦隊かい?」


 なんで、マーキュリーの艦隊だと思うんだろう? 確かに、奈波たちと旅している、マーキュリーは艦隊を持っているけど、本人の物か分からないんじゃ?


「ええ、あれは、間違いなく、マーキュリーの艦隊よ。機工に連絡も入っているからね」


「それなら安心して迎えに行けそうだね。お婆ちゃん。どうやら、式の言うとおり、奈波たちはここに入港するみたいだよ」


「ああ、ありがとうね、じゃあ行ってみるわ。そういえば、奈波ちゃんのそっくりさんが、ここでライブしていたのだけど、あれは本当に奈波ちゃんではないのよね?」


「うん、奈波は、今日ここに来たから、違うと思うよ。じゃあ、気を付けてね」


 お婆ちゃんが電動籠に乗りながら行ったよ。見送りが終わって、少し、おにぎりを食べていると、


「やあやあ、お嬢さん。おにぎり一つ下さいな」


「うん、いいよ。って僕より幼く見える……あれ皐文かい?」


「すぐばれたね。で、ちょっと打ち合わせに来たんだ」


 僕の作った豚骨煮卵握りを持って、手の中でキャッチボールしているよ。いや食べなよ。


「ん、打ち合わせって何だい? 次の戦いの話なら、僕だけでなく、皆でした方が」


「うーん、話的にはそれなんだけど、もっと限定的というか、細かい話を詰めておきたいんだ」


「どういう事?」


「簡単に言うと、海上封鎖と制空権の確保を君とマーキュリーで行ってほしいって話をしたいんだ。もちろん、マーキュリーには話を通しているよ」


「もちろんいいよ。それで、細かい話って何だい?」


「おそらくなんだけど、君の力で、対空能力の範囲を絞ったり、敵に限定したりできるはずなんだ」


「え、そうなのかい?」


「少しそれの訓練をしたいのと、その攻撃の位置を打ち合わせておきたいんだ」


「分かったよ、と言うか、なんでこの時間にこっちにいるのかな?」


「僕は、世界移動を夜に限定していたけど、今回は特別に来たんだ。なんでって? まあ今回の作戦は大掛かりだから、色々話合いが必要なんだよ。けど、アミはやっぱり夜じゃないとこっちの世界では動けないからね」


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