13話 骨を切らせて骨を断つ
骨を切らせて骨を断つ
空から、銃弾の雨を降らす。けど、全然皮膚を貫通しない。ど、どうなってるんだよ。
「しょうがない! 皆一旦離れて、防御態勢に!」
ミサイルを撃ち込む! 空いている天井から、外に出て、レーダーで皆が大天守から出たことを確認。皐月が、天守閣への道に逃げ込んで、そこに駆逐艦を展開したことも確認。なら!
「発射!」
逃げた皆が、束縛魔術を発動したことも感知。けど、すぐ、振り払われているのも解る。でもさ、
「遅いよ!」
ミサイルが直撃これで、いや念には念を! ミサイルを後3発撃ちこみ、その後で、魔化を構えて、飛び降りる!
「肉を切らせて骨を断つ。こんな戦法を俺がとることになろうとは」
やっば、ここで死ぬんだ。ああ、でもあの手がでもでも、
「分かっていますわ! だから勝ちなさい!」
え、な……んで? 脳裏によぎって、けどその作戦はダメだって思ったのに、なんで、その作戦をあなたが実行するんだい! なんであたしの身代わりになるんだ! 能力で、あたしの身代わりになって、倒れる杉谷の姿が目の端で見える。でもおかげでなぜか巨大化した刃が届く! 敵の額から微量血が出ている。なら、そこに刃を突き立てる! 魔化が突き刺さり、そのまま、敵は魔力へと変換された。あれ? 魔化って、たしか無生物しか魔力に変換できなかったような……まあいいや!
「皆、義和を知らないかしら? 儂はあいつを抑え込むために、ここに来たのだけれども」
「義和? 聞いたことないなあ。と言うかヴィーナスがなんでここに?」
「我がプロトタイプが、交戦中。こちらに向かっております」
「成程、汝らは、紀光だね。なら、ここの皆で罠を張るわよ!」
「御意」
「汝らも暇なら手伝ってね」
あたしたちを見て言ってきたから、
「え、あ、はい!」
と答え、私たちは罠の手伝いを始めた。




