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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
四章 賢者の吸石
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21話 墜落

墜落




高度限界をとうに突破。人工衛星も見えてきてる。そんな状況で、あたしはまだ追いつけないでいた。早く、速く、疾く! まるで、ロケットのような速さ。このまま戦闘機を装着しているだけでは、どうしようも……いやここは賭けだ! 思い切って、魔化を、


「えい!」


投げた。やっぱり避けられるよね。でも賭けには勝ったよ! 刀は人工衛星に刺さり、跡形もなく、人工衛星は魔力と化した。


「貴様! 何をしたの!」


石が怒り散らしてこちらに突撃をしてきた。なら! 雷切で大剣と鍔迫り合いになる。そして、石の切れかけの左腕に刺さる。勝った! 一瞬そう思ったんだけど、左手を切り落として、何とか回避されてしまった。それにこれは、雷切だ、魔化じゃないから、一撃では倒せない。だけど、そのまま石は地上に落ちていった。何とか魔化を回収してあたしは力尽きた。




ん? 石が消えた? そして、何か落ちてくるわ。アレは……戦闘機? 空気摩擦でかなりボロボロだけど、多分アレは雛の戦闘機? 

「な、何とか助けないと!」


「僕と、光が行くよ!」


「お願いするわ! 私と皐月は空飛べないのよ。だから、お願い、雛を助けて!」


「うん、解ったよ! じゃあ行くよ! 光」


「うん~、行くよ~!」


ペガサスを召喚して二人は飛ぶ。その間、私は、祈ることしかできない。




ああ、落ちていく。何とか機工展開して、摩擦から身を守っているけど、このままじゃ、死んでしまうよね。ヤダな。あの頑張っている雰囲気に憧れて、付いて来たけど、ここで私は何にも成れないで死んでしまうのかな。ここで死ぬのなら、皆と一緒に、ゴトに……いや、そうじゃないよね。


「雛!」


「雛ちゃん!」


あれ、幻聴まで聞こえてきたなぁ。

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