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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
四章 賢者の吸石
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14話 雛vs奈波

雛vs奈波




「あの卵が厄介だね」


そうあの卵。あれから、色々と現れているのが分かる。あれはかなり強力なアイテムだ。だって、あれだけの物を召喚? 生み出し? て、あれだけの物を操っているんだもん。つまり、あの卵の入った、ウエストポーチを落とせば、戦いやすくなるよね。じゃあ、飛ぶとまたあの恐怖感に襲われるから、ジェットで、接近する! けど、その間にも、風でできた鳥や、サラマンダーっぽいの、雷の犬が襲ってくる。それを雷切と魔化で切り裂いて、ってあの風の鳥が切り裂けない! なら、木のかけらを投げて、それを炎上、火弾を作成、これで打ち消す! よし、これでがら空きだあ!


「もらったぁ!」


「くっ!」


刃が届く前に、敵は刀を抜いた。すると、敵はすぅーっと消えて、そのまま見えなくなった。透明化それとも俊足? いやその場から動いたら少し風を感じるはずだ。なら……。


「まだ動いてない!」


さっきまでいた場所に、雷切を振り下ろす。手ごたえは……ない! けど、風の動きがあった。地面の砂の動き的に、後ろに下がったみたいだね。やっぱり透明化だね。じゃあ、このまま追い詰める! 魔化を横薙ぎ靴の後を追いかけて、斬っていく。けど当たらないね。って足跡が消えた? 左に回避! 右側を風が抜けていく。それと共に、


「イタッ!」


切り傷。やっぱり低空飛行してきたね。うん、戦いは初心者だろうけど、ちゃんと考えているみたいだし、武器が何より強い! あの卵で現れたやつ、自意識を持って追尾してきている様な気がする! 今も、どこからともなく、魔法生物っぽいのが出てきては、あたしを狙ってきているし。全部、雷切と魔化で防いではいるけど、結構きついよ。それに、あの透明になる能力! アレはせこいよ、場所は何とか分かるけど、憶測するのもなかなかキツイ! だって、見えないから、音、足跡、敵の出した魔法生物の居ない方などから推測するしかないんだもん。ん? 後ろに足音?


「そこ!」


手ごたえは無い。けど、地面に血が落ちる。掠ったみたいだね。近くにあるドラム缶の山が、大きな音を立てて崩れる。しかし次の瞬間そのドラム缶がすべて消えて、その場に白い虎が現れた。


「厄介だよ! あの卵!」


流石にこれは不利かな……。とりあえず、機銃で! くそっ、当たるけど、弾かれる! このままじゃこの虎に食い殺される!


「ストップだ! 奈波」


「何? もう少しで敵を倒せそうなんだけど!」


何処からか声がする。多分、あたしの後ろだね。なら、


「雛もストップ! 和解できたのよ!」


あたしの前に式が、虎の前に気配のない男が割り込んできた。

編集内容:誤字を直しました

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