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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
四章 賢者の吸石
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9話 敵の話

9話 敵の話




逃げた後、


「あー、カレー美味しいわー。次はお好み焼きかしら」


と、多分あると思う、お好み焼きを探していると、


「あ、式。丁度良かった。少し話しないかい」


「ん? 皐月どうしたのかしら?」


ん、なんか皐月がもぞもぞしているわね。


「あ、ここでは少し話しにくいから、こっちで」


「いいわよ」


部屋から出て、誰もいない滑走路に着く。何かしら?


「ここでいいかな。単刀直入に聞くと、式は、ゴト、円卓機工についてどう思う?」

 

「そうね、まずゴトはないわね。私は、ゴトのやり方に納得ができないわ。自分が生きたいがために、他の大多数を殺すなんてどうかしているわ。だって他の紀光を殺して回っているし、私たちだって、何故か殺されかけたわよ。それにおそらく、睦の仇、倒さないと。そして、円卓機工は……、そうね、睦の復讐のためっていうのは理解できるけど、でも、誰に復讐しようとしているのか分からない。だから、どう思えばいいのか分からない。っていうのが本音ね」


「そう……だよね。でも僕は、ゴトの気持ちもわかるんだ。生き残りたい。それは人間の本能だし、まあ、僕からすると、円卓機工の方がないんだけどね。あれは、たんなる暴徒となっていると思うんだ」


確かにそうね。この言葉が出なかった。でも言いたいことは分かるわ。だって、私だって死ねと言われたら死にたくないと答えるだろうし。


「それはそうね、で、あなたはどうしたいのかしら? ゴトに復讐はいいの?」


「それは、……そうだけど。ごめん、なんか分からなくなってきた。でも、君の意見も聞けて良かったよ」


「希和はまだ生きている可能性はあるのよね。なら、ウエアに探すのを頼んでみたらいいんじゃないかしら。あなたが私に付いてきた理由って、希和の安否及び消息をつかむことだったでしょ?」


「そうだね。聞いてみるよ、少し気がすっきりしたよありがとう、僕はもう少しここで悩んでみるよ」


さてと、パーティに戻りますか。あ、その前に。


「っと、そうだ、皐月、悩むのもいいし、考えるのも大切だけど、一つ思うことがあるのよ。文の言っていた通り、会話でどうにかできる可能性を捨てちゃダメなのよ。まあ、ゴトと、円卓機工はそれを捨ててるみたいだけど、人間なんだから、喋れるんだから、まずは会話、これは大切よ。何も言わずに殴ったら、相手もなんで殴られたか分からないでしょ。だから、私は会話を好んでいる、そして、文の力になりたい。力をふるうものには力で対抗が正しいけど、会話の余地がありそうだもの。甘い考えかもしれないけど、でもそれでいいと思うわ。だって、私の信じた睦はそういう人間だもの」


「そっか、そうだね。……うん、悩んでいたのが馬鹿らしくなってきたよ。ありがとう、じゃあ、一緒に戻ろうか」


「ええ」

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