表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
四章 賢者の吸石
42/92

6話 交渉

6話 交渉




「私たちとの交渉の場についてくれてありがとうございます。では、対話を始めましょう」


鎧を着て、兜を付けてない、銀髪ポニテの同い年ぐらいの女性が堅苦しそうな口調で言っているけど、これ、脅迫よね?


「いや、周りに武装集団を固めておいて、言う言葉じゃないでしょ」


そう、周りには、敵がたくさんいるのよ。なのに対話っておかしいんじゃないかしら?


「まあ、そうですね。ですが、ここはご容赦を」


「あんたらは今、捕まっとんねんで、拘束されんだけよかったと思いや」


何故かライダースーツの関西弁のツインテールの此方も同い年ぐらいの女性が立場を思い出させてくる。でも、それもそうね、だけど、


「対話というのなら、武器は降ろしておいてほしいわ」


「いいでしょう」


「ええんかい! ウエアさん。こいつら暴れるかもしれんぞ」


おお、見事なツッコミの動き!


「みな、武器を下ろしなさい。対話するのに、武力を構えておくのはおかしいです、フェアじゃありません。では対話をしましょう。まず、あなたたちは何処から来ましたか?」


「私は機械世界から」


「僕は魔術世界からだよ」


「あ、あたしは、絡繰世界」


「私も絡繰世界よ」


「成程。皆さん、他世界からの来訪者なのですね。では私たちの話を先したほうがいいでしょう」


「ええ、お願いするわ」


「では。まず私たちは、円卓機工に所属してました。知ってますか? 円卓機工」


「え、何それ知らないわ。二人は知っている?」


「あ、あたしは知らない」


「僕もだよ」


「なんやあんたらもぐりやな。機工持っているゆうのに、なんで知らんねん。まあええわ、円卓機工ってのはな、機工を持っている子らの集まりや。いや詳しくは、集まりやった」


「へーそんなのがあったのね」


「なんで僕たちは知らないんだろう」


「知らんがな。まあそんな組織が、いきなりマーズを名乗る人のせいで軍隊みたいなことになってしもた。それで、あいつらは、機械世界を乗っ取るって言ってな、今動いとんねん」


「ちょ、私の出身世界じゃないの!」


「だから知っとると思ってんけどなぁ」


「私たちはアレに付いて行けなくなりました。はっきり言って狂っていると思ったのです。睦を殺した世界に復讐を! 弥生のために世界を破壊する! などの世迷い事を掲げ、暴走しているのです。なので、私たちは彼女らを止めるための戦力を探しています。どうでしょう、私たちとともに来ませんか?」


周りを見渡す。みんな顔が暗いわね。中には6歳ぐらいの子もいる。戦うのが苦手そうな子も、武器を持っている手が震えている子もいる。という事は、


「あなたたちは、戦いたくない人たちの集まりってことね」


「! いえそういう訳では……」


当たりっぽいわね。


「いえ、その通りです。ですので、戦える人間がいるのです。どうですか? 手伝ってくれませんか?」


「嫌よ!」


「式!」


「し、式?」


「え」


私の言葉に3人が驚いているわね。周りも武器を構えだしたわね。けどそれをウエアと呼ばれた騎士っぽい女性が、


「構えるなと言っただろう! で、どうしてですか」


「いや、簡単な話よ。私たちに利益が無いのよ」


「成程。それはそうですね。では、情報を差し上げましょう、旅しているという事は、人か物を探しているのでしょう? 此処にはそのプロがいます。と言ってもあなたたちの探している人、物等をお教えいただければですが」


「ならいいわ。宜しくね、じゃあ、紀光の居場所又は、太陽神の場所を教えてもらえるかしら」


「ええ、分かりました。まず、この世界の紀光は、今インド洋に向かっています。で、太陽神は基本沈んだ大陸に眠っているのですが、そうですね……3日ほど待っていただけるとすべて調べ上げれるでしょう」


「ありがとう。で、私たちは、いつ戦えばいいのかしら?」


「そうですね。敵の動きがないですから、連絡するまで自由にしていていいですよ」


「ありがとうって、んん?」


文にもらった端末が鳴っているわね。って文から通話?


「ごめん、通話が来ているからとるわね」


『……すまないね、式! いきなり本題に入るけど、その世界の紀光にあったかな? あ、紀光ってあたしみたいなのとってことだよ』


「え、まだ会ってないけど、どうしたのかしら」


『……それが、連絡がつかないんだ。君たちのことを知らせておこうと思ったのに』


「ちょっと待ってね」


私は、スピーカーモードに変更して、ウエアに、


「ここの紀光の情報を詳しく教えてもらえるかしら?」


「そうですね。さっき言った通りなのですが、ここの紀光は兎という名で、たしか、この基地の周辺に居たかと思います。ただ、詳しい居場所が分からず、私たちも困っていたのです」


「って事らしいわよ、文」


『……成程。分かった、じゃあ君たちには、飯野と兎を探してもらいたい。その後で、太陽神を探してもらうでいいか?」


「ええ、分かったわ」


通話が切れたわね。でもなんでそんな気にすることあったのかしら?


「で、今のは誰ですか?」


「あ、そうね、さっきのは紀光 文よ。絡繰世界であったわ」


 「分かりました。まあ紀光 文に関しては後で聞きます。今は、あなたたちとの同盟の成立を喜び、宴を開きましょう」


「ありがとう。お邪魔するわ」


「ええ歓迎します。メアリー、今から探索出来ますか?」


「うん、できる、よ?」


わ、驚いた。大人しそうな、黒めの服に身をまとった、赤目の青髪の長い少女が、いつの間にか私たちの後ろに立っていた。どうやってここまで気付かれなかったのよ。


「では、メアリー宜しくお願いします。ほかの子たちは、宴の準備です。では始め! 式たちは、こちらの部屋で休憩していてください」


「あ、あの」


「どうしたん?」


「さ、さっきの戦闘で、戦闘機を破壊したけど、し、死傷は、い、いない。大丈夫?」


「ん~、大丈夫やで。あれ、うちの機工で操作していた、零戦やからな。まあ、あんたに勝てたのは計算外やったけど。まさかブラフにかかってくれるとは思わんかったわ」


「え、あ、あれブラフだった、の?」


「まあ、そうやね。うちが持っとるあの槍は、武工ではないんや。ただのおやじにもろた槍や。そして、うちの機工は、零戦、あそこで打てる手はもうなかったんや」


少し沈黙。そして、


「分かった。そういう事にしておくよ」


何か思うところはありそうだけど、雛が納得したわね。じゃあ、


「部屋借りて、休ませてもらうわ。手が必要になったら呼んでね」


「分かりました。では礼華、部屋に案内をお願いします」


「任せとき」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ