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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
四章 賢者の吸石
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5話 空中戦

5話 空中戦




はっ、寝てない寝てない! って寝てた? え~っとそうだ! 私たちは戦闘機に乗って、気絶したような……あ、太陽が昇っているわね。って事はそれなりに目的地の近くなのかしら? ってさっきから何か五月蠅いけど、なんなの?


『あ、起きた? 今、敵来てるから回転に注意してね』


あれ? 雛からの通信? どういう事、確か前に……。っていない! 周りを見ると、空中で戦っている二人を見つけた。片一方は雛、まあ当たり前よね。雛と対立しているのが、誰かはわからないけど、同じ翼を装備している少女みたいね。ミサイルやら、弾丸、さらに刃同士がぶつかっている! って何かすごく戦闘機が揺れたけど!


『そっちにも、敵が来ているよ。気を付けて!』


その言葉で、私は周りを見渡す。確かに、真後ろに戦闘機が来ているわね。どうすればいいのかしら!


『とりあえず、君の機工に操縦権回すよ。後、皐月のほうは、もう戦っているから安心して』


『わ、分かったわ』


確かに操縦権が私に来たわね。機工から出ている立体映像をタッチして、指定の場所まで飛ばして、サイドのボタンで発射可能。殆ど戦車と同じだけど、立体画像ってのが難しいわね。たしか、タッチしたい場所で、ペンの側面にあるボタンを押すんだったかしら? 後は、ロール、ループ等の細かい戦闘方法は……あったわ。機工の裏にそれっぽく描けばいいのね。これなら! まずロールして、後ろを取る。太陽眩し! でも、後ろは……取れてないわ向こうも回転しているわね。じゃあこのままドックファイトかしら?






ミサイルの撃ち合いは終わった。銃撃戦よりも、接近戦、そんな間合い、だ。


「いくよいくよいくよ! 斬るよ斬るよ斬るよ!」


あたしの斬撃を槍で防ぐなんてやるね! でも!


「これはどうかな?」


雷切を器工に戻して、機銃を左手で装備しつつ、右手の刀で斬りあう。そして左手の機銃で式の乗っている戦闘機を狙っている、敵機を撃ち抜いたよ。






あれ? 後ろにいた敵機が落ちていく。なら、少し遠くにいる皐月たちの乗っている戦闘機と闘っている敵機を狙い、ミサイルを撃つ。……よし、当たったわね。なら、2機と1人で、相手を! 


「ふ~ん。強いな。ほんなら、皆に連絡してっと。じゃあ、うちも本気出すかな」


あいつ本気じゃあなかったの? じゃあ、今までの鍔迫り合いも?


『マズイ逃げるよ!』


雛の言葉とともに、私たちは逃げの一手を打つ。殿は雛がやってくれいる。でも、こちらまでたまに、弾が飛んできている。まあしょうがないけど、あの敵、なかなかやるわね。


『そろそろ着陸地点だけど、無理だよね!』


『ええ、無理よ! だから、なんとか倒す方向で?』


対空砲? 下から攻撃を受けているわね。ってヤバイ! 翼をやられた! このままじゃ!


『うちの誘導についてきたら命までは取らへん。安心しい』


『言うとおりにしよう』


自分のふがいなさに腹が立つけど、どうしようもない。だから、


「ごめん、雛」


そう一言呟いて、雛に翼を抑えてもらいながら、降下し、投降したの。


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