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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
三章 紀光防衛戦
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8話 反省会と行先

反省会と行先




「……すまないね。まさか紫波が、裏切るなんて思ってなかったから、外に出たいって言うから、聞いちゃたんだ。そしたら、そのままゴトに付いて行ったんだ」


文の隠れ研究所に戻った私たちは、謝罪の言葉を聞いていた。


「な、なん、なんで、し、紫波様はゴトに付いて行ったの?」


雛がいつもより、口が回っていない。確かになんで? と私も思う。


「……確か、ゴトから連絡が入ったとか、あいつが、反乱したのは、あっしのせいだって、言っていたのを聞いたと聞いたよ」


「へ、どういう事。皐月?」


「それがね、式、伊和から聞いたんだけど、そんなことを紫波が言っていたらしいんだ」


「た、たし、確かに、そんな話、き、聞いたかもだけど、で、でも! でも?」


その言葉を聞いていた、他の紫波の子たちが、


「じゃあ私たちは、ゴトに付いて行ったほうかいいのかな?」


「でも、ゴトって良い噂聞かないよ」


「そうだね。でも……」


「決めたよ~。私は、ゴトに下るよ~」


伊和がそう決心する。すると、周りも、


「あ、私も」


「俺も!」


と声を上げだした。


「雛はどうする~」


「あ、あたしは、式たちと、い、いく」


「え! なんで~」


私も驚きを隠せない。そこまで仲良くなったわけでもないし、何かしたわけでもない。


「だ、だって、もし、紫波がゴトに愛想尽かした時に、助けてあげれる人がいないのはダメだよ。その時に、お、恩を感じているはずの、この二人が私といると、此処には来れるはずだから。そ、それに、もし、紫波が悪になったら、誰かが止めないとだもん」


「……分かったわ~。じゃあ、式、皐月、この大人しいけど戦闘狂の雛をお願いね」


「ええ」


「分かったよ」


「……話がまとまったみたいだね。じゃあ、君たちは強制退出&出入り禁止ね」


その言葉とともに、ゴトに着くと言った皆は消え、私たち3人と1人が残った。


「……君たちには少し頼みたいことがあるんだけどいいかな?」


「何かしら?」


「……結論を言うよ。太陽神を各世界から集めてきてほしいんだ。まず、順を追って言うと、ゴトの目的が分かったよ。あいつは生きたいんだ。一個人として」


「どういう事?」


「……簡単に言うとね。あたしたちの目的は、ある人たちをこの世界に戻すこと。けどそうなると、あたしたちの親機である紀光 神奈様が戻ってきて、意思統合して、意志統合し、最終的にはあたしたちは機能停止、又は、神奈様の思い通りに動く機械と化すんだ」


「え、それじゃあ、ゴトのほうが正義のような……」


「……けど、神奈様はそれを言ったわけでも、書いたわけでも、ましてや命令したわけでもないんだよね。それにゴトは、それを暴力で解決しようとしているし、あたしたち紀光シリーズに下された命令に反乱しようとしているんだ。それじゃあ到底正義ではないよね」


「うん、そうだね。でもなんで、その神奈って人が戻ってきたら、紀光たちの意思統合ができるんだい?」


「……それは、神奈がメインコンピューターだからだね」


「メインコンピューター? まるで、君たちが機械かのような言い草だね」


「……当たりだよ。あたしたちは紀光神奈が作った体のスペアだからね。それに自由意志を持たせて、自己改良したのがあたしたちなんだよ」


私たちは口を開けたまま動けないでいた。


「……で、あたしとしては、まず、紀光神奈様たちを救いたい。そして、その任務は違う人たちがやっている。エルピスを集めてあの世界への扉を開く、いや元に戻すを〝使う〟で、合意したんだ。君たちには、違う方向でお願いしようと思ってね。それが太陽神様だ。調べたところ、太陽神は本来、エルピス6人対太陽神1人で戦って互角だって言われている。まあ、一回それ以下の戦力で勝ったけどね。でもあれは、皐文チートのおかげだったし。で、それ程の力なら、神奈様の作戦にも必要だろうって思ってね。だから、太陽神を集めてきてほしいんだ」


「わ、分かった。でも、エルピスは7人だよね? 後、な、なんで、き、君は、神奈の味方をするの?」


「……ん? 簡単さ、あたしは話し合いで解決できると思っているからね。そして、エルピスは、最後の一人が太陽属性だから、太陽神に匹敵するんだよ」


「え、けど、話し合いで解決するような話なの?」


「……うん、けど、あの方たちが帰還するとなると、世界をガラッと変えるつもりだろうから、それが許せないっていうのもあるかもね」


「???」


「じゃあ、頼んだよ。あたしもここを引き払ってもっと深くに潜るよ。先ずは、君たちには……」


「話ぶった切って悪いんだけど、私のこと忘れていないかしら? 皐月」


誰? 何?


「あ、ごめん。忘れてたよ。文、少し悪いんだけど、え~っと名前なんだっけ?」


「私は真井 ピコよ」


「真井に、福留って人の情報が有ったら教えてあげてほしいんだ。ここの町で行方不明になったらしいんだけど」


「……どういう用件で来たんだい? 後魔術についての知識は有ったのかい」


「有るわ。だって、師匠はこの町から魔力を感知したって言って来たはずだもの」


「……成程、魔術排斥軍の者か。で、いつぐらいに来たんだい?」


「えっと、4年前に此処に向かって消息が途絶えたわ」


すると、文は目を瞑り、考え始める。数秒後、スゥッと目を開いて、


「……4年前に魔力排斥軍は、12回来ているが、姿を消したとなるとこの人だろう」


その言葉と共に、大型ディスプレイに映像がひとりでに流れ出した。男の人と女の人が戦っている。


「師匠!」


「……やっぱりあの女性が君の師匠かな。そうなると、ごめん。相手の馬鹿があっちの世界に送ってしまったよ」


「あっちってどこの世界かしら?」


「……ゼロの世界だよ」


「ゼロの世界?」


4人で首をかしげる。聞いたことのない世界だ。


「……別名ごみ箱だよ。さっきはなしに上がった、サン、太陽属性のエルピスがいる世界。不要なものが行く世界。送り込む術は難しいんだ。あたしにはできないよ。だから、行きたいなら、飯野って人を頼るべきだね」


「しょうがないわね。じゃあその飯野って人を頼りに行くから、居場所教えて」


「……今は確か、両立世界に旅立ったはずだよ」


「じゃあ私は行くとするわ」


「……少し待って貰えるかな、式たちの行く先も両立世界なんだ」


「ええ、いいわよ」


「……式、皐月、雛、三人で、先ずは両立世界の太陽神と会ってきてほしいんだ。そこの紀光はもういないと思うから、サポートはこの端末を渡すよ」


そういうと、文は何やらタブレット端末を渡してくれた。


「これは?」


「……異世界でも通信可能な端末だよ。まあ他の世界だと出来ているのかも知れないけど、まあ少し特別なアプリが入っているから持って行ってよ。後、それは飯野にも持たせてある。そして、それと同型機なら、探索機能で探せるようになっているから」


「分かったわ。たしか、4世界よね。って、その人を探すのに私たちも付いて行ったほうがいいのね」


「そうだね。じゃあ向かおうか」

 お疲れ様です。ここまで読んでいただきありがとうございます。

 主人公、黄井 式は戦うのは怖くないけど、人が死ぬのは嫌。そんなキャラです。でもそんな式でも、殺されるのは嫌だから、人を殺す。そんな苦しい状況というのをわかっていただければ嬉しいです。でも表現が難しくてうまく書けているか心配ですが……。

 この章から、他の話と絡みが強くなっていきます。出来ればそちらの方もよろしくお願いします。

夢鬼と悪魔憑きの少女

はこちらhttps://ncode.syosetu.com/n0756gr/


比翼のインスタントサモナー

はこちらhttps://ncode.syosetu.com/n6009gv/

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