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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
三章 紀光防衛戦
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6話 マンマルちゃん地獄

マンマルちゃん地獄




「ごめん、ミイラ取りがミイラになってしまったわ。マンマルちゃんに囲まれた」


四方八方にマンマルちゃん。私は、もうどうしようもなく囲まれていた。逃げ場もなければ、突破もできない。それほどに包囲されていた。文と通話可能にして、救援をお願いしようと思っているのだけれど、


『……うん、此方でも確認できているよ。救援信号と座標を仲間の機工に、出しておいたよ。っとさっそく、応答が、ってへ~。あの子が……。なら、あと三十秒以内に着くと思うからそれまで耐えて』


「さ、三十秒なら何とかなりそうね」


斬って、光線を躱し、また斬って、そうこうしている内に、


「うそ! 足を掴まれた?」


伸びてきた手のような物が私の足を掴んだ。そのまま足を持ち上げ、逆さ吊りにされて、光線を出すための部分が開く。


「くそ! 後10秒だってのに!」


「いや、十分稼いだ。大丈夫だよ!」


その声と共に、私を吸い込もうとしているマンマルちゃんは真っ二つになった。痛い! 尻餅をついてしまった。けど痛いだけで済んでよかったわ。助けてくれた人の顔を見ると、


「誰? いや見たことあるわね。かなり昔に……」


「ん、僕の事覚えているのかい?」


「あ、そうだ、貴女あの時助けてくれた忍者の人! 探していたわ。ってかまた助けられたわね」


「皐文だよ。久しぶりだね、確か……式だよね?」


「ええ、貴女が助けに来てくれたの?」


「そうだよ、じゃあ、殲滅するよ!」


「ええ!」


皐文に背中を預けてもらえるなんてとてもうれしい。けど、聞かなきゃいけないこともある。だからここはとりあえず、戦闘に集中ね!


苦無を右手から射出、うまく敵に刺さり、魔力を吸収、機能停止した。その苦無を巻き取り、違う敵に投げる。その間にも、後ろで、鉄の塊が崩れ落ちる音がする。動きが人間が操作しているんだろう。と思う動きをしている物が多く、簡単には攻撃が当たらない。でも後ろからは音がしている。やっぱり忍びは強いのかしら?


「強くなっているね。あの時、君を逃がすように言った、睦の理由が分かったよ」


「え、睦に言われなかったら助けてくれなかったの?」


「いや、助けるつもりだったけど、あそこまで迅速にはならなかったね」


その間にも、皐文は敵を倒していく。私はというと、上手く苦無が当たらない。どうすれば!


「もう少し落ち着いて、相手の動きを予測して投げるんだ」


「やっているけど、当たらないのよ」


「相手の速度に合わせている? できるだけ平均をとって投げるんだよ。まあ最悪投げずに、斬りつけるでもいいけどね」


「やってみる!」


スピードをころころ変える相手に、それが有効なのか解らないけど、とりあえず、平均これぐらいという位置に投げる。すると、その位置に吸い込まれるように、マンマルちゃんが来て、命中、機能停止した。


「よし!」


「その調子だよ、って、誰か来たね」


ビルの上、そこには月を背にした男性っぽいシルエットがあった。そして私の機工は救援信号を受信したが、見ている時間はなかった。

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