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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
三章 紀光防衛戦
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3話 殺すことと殺されること

殺すことと殺されること



外に出ると、丸い兵器がそこら中に這いずり回っていた。


「かなり怖い図ね」


丸い兵器に襲われた人たちは、皆その機械の中に吸い込まれていく。地面に血痕も無いし、機械のほうには傷一つもない。そして、大きさ的には、人間を入れておくスペースは、3人分ぐらいなのに、見ていると、それより多く吸い込んでいる。


『式! こいつらの正体思い出したよ。魔力、物理の防壁を合わせて張っている、球体型捕獲兵器、万能丸形兵器、通称マンマルちゃんだよ』


「なにその間抜けな名前!」


『そうだね。でも、殺傷能力、生物の圧縮収容、機械の手動操縦、自動操縦も可能。そして、操縦は遠隔操作と、乗り込み可能な多様性に富んだ兵器だよ』


「なんでそんな詳しい話まで知っているのかしら?」


『あれは、僕が企画したもののはずなんだ。希和にこんな安全な兵器があれば、一般の人も怪我しないで済む、死なずに済むね。って言って、でも、開発にこぎつけた覚えはないんだよ。だから、なんでゴトが持っているかは分からないよ』


「なら、中の人は安全なのね」


『そうだね。っとちょっと待って」


「どうしたの?」


『さっきお邪魔した家のお婆ちゃんが、一人で歩いているんだ。少し助けてくるね』


「けど、捕まったほうが安全よね?」


『でも、襲われるのはやっぱり怖いだろうし、何かする為にここまで来たんだろうから、助けてあげたいんだ』


「分かったわ。気を付けてね」


通信を切り、私は私のすべきことをすることにした。部隊は四人で1チーム、つまり、私のほかに、今三人いるのだ。


「で、どうするの~、式。伊和たちは、どうしたらいい~」


「まずは空よね。空にいる敵をどうにかしないと、こちらが狙い撃ちされるもの。そのために、皐月が……っともう開始したみたいね。今から、その降りてきた隙に攻撃を入れるわ」


敵が地上に落ちるかの如く降りてくる。何かを恐れるように、何かに怯えるように。


「じゃあ行くわよ。攻撃開始!」


皆機関銃を機工から取り出して、攻撃を開始する。落ちてきて、体勢を立て直す間もなく敵は蜂の巣になる。


「これが、戦争なのね」


小声でつぶやいた。吐き気がする。こんなの人のやる事では無い。目の前で、自身の手で人が死んでいく。それも自分たちと同じぐらいの年齢だ。怖い、この手を止めたい。内心そう思いつつも、攻撃の手は止められない。止めたら、今度は私たちが殺されるのだから。死にたくない。その一心で、相手を殺す。心を殺す。

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