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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
一章 紀光探し
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2話 逃げ遅れ

逃げ遅れ


「な、何の音! 床も揺れているし!」

あたしは爆発音で目を覚ました。他のここに住んでいる子たちはもう居ないようで、他のベットは空っぽだ。そして何か熱い、部屋を出て回りを渡すと、火が出てる場所がある。ヤバいわね。どうしよう、そうだ! 睦はどうしたのかしら? 睦のことだからまだ研究してるのかも! 私は気になり研究室に向かう。やっぱり周りも火が出ている所が多い、パイプも折れていたり、斬れている物や、弾丸が落ちていたりする。何かヤバい、戦闘の痕跡かも! 急がないと! 落ちてくるパイプや、火や瓦礫で封鎖されている道を回避しながら、やっとの思いで研究所の前に行き、入ろうとしたが、話声が聞こえたので、立ち止まり、聞き耳を立てる。

「……お前らそれでも人間か! ボクの子たちは絶対に守る!」

これは博士の声? ドアに近づくが、熱くてドアは触れそうにない。仕方ないので、近くにある手袋入れから、残っている手袋を出して装備、壊れているドアを少し開ける。

「勘違いするな。我々の狙いはお前の破壊と、お前の研究成果の入手、子供達の解放だ」

「……ならいい。ボクの研究成果はもう本部に送ってある。そしてここにはデータは残っていない。だから早くボクを壊して撤退することだな」

は、博士が死んでしまう? そんなの、そんなの! 嫌だ! そう思った瞬間、あたしは近くにあった、パイプの破片を取り、ドアを開けようとしたが開かず、仕方なくを何度も蹴り、蹴破った。

「睦逃げて!」

「……式? なんで来た! 早く逃げろ!」

博士と武装した人たちの後ろに立って博士を守るように立つが、怖い。パイプを持つ手が、足が震えて止まらない。けど、けどこうしないと博士が。

「……お前がいると戦えないだろう。生きてまた会えるから、な式。今は逃げてくれ」

「い、いやだ! あたしも戦う!」

「……ボクの話を聞かなかったお前だが、こんな時も聞いてくれないんだな……、おい、見てるんだろ? 式を逃がしてくれ、ついでに、あれを式に」

すると、どこからともなく、白い髪をなびかせて、誰かがおりてきたように見えた。そちらを見ようかとも思うが、あいつらを見ておかないと!

「わかったよ。それだと君のパーツは拾えるか、分からないけど許してよ。ま、僕の失敗でもあるからしょうがないかな。どっちも全力で行うよ」

「……わかってる」

声が聞こえたくらいから、前にいた人たちがなぎ倒され、あたしの体が浮き、来た道を、戻っていくのが分かった。体は誰かに捕まれていて、人に連れていかれている事に気が付いた。そして皆の寝室を通り過ぎ、皆が博士に絶対入るな、と言われていた部屋に着いた。私は降ろされ、その少女を見た。その人は白髪? いや銀髪で、ショート、しかし一か所束ねていてそこは背中までぐらい長い。忍びっぽい服を着ており、口を隠している。この人もあたしより身長が低い、そして赤い目が特徴的な人だった。

「これを付けて」

「え、なに? これ」

あたしを抱えて走ったであろう忍びっぽい女の子がその部屋の中央にあった機械から、何か六角形の物を取りあたしに渡した。

「これは、一人で戦闘機、戦車、軍艦の力の内一つを扱えるようになる、魔法のような道具、機工って物だよ。自己修復機能もあるよ。君なら使えるはずだよ。他に2人はこれをもって逃げたから君もこれをもって逃げるんだ」

あたしの手を引きつつ少女は言う。その少女に連れられてもう一つの、開けてはならないドアに向かって行く。けど、

「けどこれがあったら、睦を助けられるかも!」

その手を振り祓い、あたしは博士のいた研究室の方に走ろうとする。

「そうするのはいいけど、博士の邪魔になるかもよ」

へ? 音もなくあたしの前に立った?

「どういう事?」

「とりあえずこっち」

そう言うと、その女の子は私の手を引き、開かずの扉を開ける。それは外の世界だった。見たことはあるけど、でも少し憧れていた外だった。でも、

「あ、あたし逃げないわよ!」

「まあまあ、あれは博士の本物じゃないんだ。簡単に言うとコピーだね。詳しく言うとちょっと違うけど……。君が死んだ場合、本当に意味のないものになってしまうんだ。だから今回は逃げた方がいいよ」

「それでも助けたいと言ったら?」

あたしは震えながらも、博士を助けたい一心で、その女の子を睨みつける。

「ま、僕は逃がすように言われてるから、強引にでも逃がすよ」

「じゃあ」

あたしは機工を使おうとする、触れた瞬間に脳裏に浮かんだ行動と言葉、機工に魔力を流し込んで、

「機工展開!」

と起動用単語を言うが何も起きない。

「機工展開、機工展開! 機工展開! どうして動かないの!」

思わず機工を睨む。動いてよぉ。早く博士を助けに行かないといけないのに!

「僕がいるとそれは使えないよ」

「なんで!」

「僕は魔力吸収者だからね。魔力を使う物は僕の周りでは、ただのお菓子だよ」

「じゃあ離れて!」

「そうはいかないよ。さあ逃がすよ」

女の子はあたしをお姫様抱っこし、あたしは外に連れ出された。そしてそこで目を覚ました。

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