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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
二章 日本海戦
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8話 洗脳

 洗脳




「やはり、な」


私の頭の上から声が届く。けど、私は担架に固定されていて、そちらへ顔を向けられない。


「貴女、何者! 皐月に何をしたの!」


担架から降りようと、左右に体をゆすり、


「いっった!」


担架を持っていた子が手を離し、床に落ちる。その衝撃で固定していたロープは外れ、床に投げ出された。


「そんな事より、皐月、大丈夫?」


「気を失っているだけだし。それより君、治療するから、早く担架に戻るんだし」


「皐月が気を失っているのよ! あなたの仕業なの?」


「ああ、そうだし。簡単に言うと、操られていたから、解放したんだし」


「立つの難しい! 誰か起こして! ってそうか一旦座ればいいのね」


「話聞いているし? まあいいし。君たちは、ゴトに会ったのだろう? あいつが人を操るために造ったと思われる、器工と呼ばれるものを持っていたからだし。それの追跡機能と操作機能を一時的に消したんだし。その際に、操られていた皐月って子は、意識が奥に押し込まれていたため、操っていた意識が消えてた時に、自信の意識を表面化させるために時間が掛かっているだけだし、その証拠にほら」


皐月が目を覚ました! 周りをキョロキョロ見渡している。少し安心ね。


「ありがとう。助かったよ。あいつの持っていた機工が、いきなり僕の意識を、肉体の操作権限を奪ったんだ。で、ここは何処かな? たしか、刀を持った男と戦ってて、あいつが撤退したことろまでは意識があったんだけど、そうだ! 式は大丈夫かい!」


「つまり、この子は刀を持った男とやらと戦った際に、体を乗っ取られたんだし。器工を処理せずに持ってたんだし、仕方ないし。それじゃあ、その器工の処置と、君の腕を見よう」


えっと頭が追い付かないけど、とりあえず、ここは言う事に従ったほうが良いのかしら。たしかに悪意は感じないし。てか、すでに皐月が、器工渡したし。


「分かったわ。お願いするわね」


「で、名前は何だし?」


「あ、私は式。あっちは皐月よ」


「分かったし。じゃあ行くし」


「ええ、貴女は何て呼べばいいのかしら?」


「あっしは紫波。君の担架を担いでいるのは、赤井 雛と赤井 伊和、ツインテールの方が、雛、ショートの方が、伊和だ」


「宜しくね」


「ふ、二人ともよろしく」


ツインテールの方、雛が挨拶してくれる。


「よろ~」


伊和はけだるそうに挨拶をしてくれた。


私は二人に担がれて、皐月はその後についてくる形で、船の中に入った。


「ああ、そうだ、この先は皐月、君は入れる訳にはいかないし。けど、暇だろうから、お願いしたいことがあるし」


「なんだい? 僕に出来る事なら何でも言ってよ」


「船内の鋼材を使ってもいいから、駆逐艦をもう一隻、作っておいてくれると嬉しいし」


「わかったよ。けど、どうしてだい?」


「コンボを決めようと思ってるからだし。後、今乗って来たのも、一旦機工に戻して、精査しておいてほしいし、その後で、片方、皐月、片方、文月って名付けておいて」


「わかったよ」

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