菱形ダイヤモンド

5-8-3

中点に交わる攻防戦

　笠田潤は知り合いの佐田さんから情報を入手して一神店の姉妹店である三神(みかみ)店へ向かうと、ある人物と再会する。店内へ案内する樋口佳祐の姿がそこに立っていた。高校時代に3番遊撃手として樋口と対戦。フライアウトの山を重ね、完封され今でも思い出す。

　声を掛ける笠田は「プロ野球選手にならないのか」と問いかけると、樋口は辛い時にいた仲間とプレーしている事に始めてやりがいを感じた。それに気付かされたのがアイツなんだ。という言葉が返ってきた。それに続き、あのマウンドで見た覚悟の眼差しをこの居酒屋という異なるフィールドで見せた。