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不幸な俺と優しい異世界  作者: あるかる
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01.不幸な人生

人は自分にとって害あるもの、不快に思うものを嫌う

それは大人、子供関係は無い

それ故にイジメやパワハラが起きてしまう

俺はそれが嫌いだ。何もしなければ良いのに無駄に人を傷付ける行為が嫌いだ。

だからこそ、人が傷ついている所を見つければ助けるのは俺の常識だった



だから、後悔はしていない







――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺は白矢 楓真(はくや ふうか)。どこにでもいる高校2年だ。父親は無差別に人を殺し刑務所へ、母親は俺が小学生4年の時に車で引かれて亡くなった。俺の人生に置いて、不幸は一生付き纏い離れない…俺が死なない限りは──


ただただ、何も言葉を発さず教室に入る

自分の机には犯罪者の息子等の落書きや傷、椅子には画鋲が置いてあるのが目に映った

周りを見渡すと、ある少女と目が合う

「アイツこっち見てきたんだけど、キモ」

女子がゴミを見るような目で俺を見てくる

問題は無い……これが俺の日常だ。

学校に俺の居場所なんてものは無いんだ。だからと言って父親を恨んではいない。恨んだところで、意味は無い

ホームルームのチャイムが鳴り、俺は画鋲を落として席に座る。周りからは嘲笑うような声が聞こえ、教師までもが笑っていた…が1人は寝ているのか机にうつ伏せになっていた

ホームルームが終われば10分ほど自由な時間がある。席に座り1限目の用意をする途中

「あの、大丈夫ですか…?」

1人の少女が声をかけてきた

透き通るような白髪に潤んだ緑の瞳…先程寝ていた人だろうか……だが、これは良くない

「あぁ、大丈夫です。いつも通りですから」

俺は逃げるように教室を飛び出した

理由は簡単だ、クラスのほとんどが俺を殺すような目付きで見ていた。それ以上に理由は必要ないだろう。トイレの個室に入れば1人思考を巡らせる。

分かっている、こういう時は決まって4限目が終わった後の休み時間にトイレに呼び出される。

……が、そこは重要視する所では無い。

俺が今一番心配なのは…

「あの子は、大丈夫だろうか……」

つい口から漏れてしまった、誰にも聞こえてないと良いが…と考えていた瞬間俺の思考は停止した。

理由はたった一つだ

「あんな女子、俺の教室に居たか…?」

背筋に寒気が走る、いじめられている俺でもクラスのやつぐらいは覚えている。当たり前だ、元々はいじめなんてされてなかったのだから……そんな昔の事を思い出しながらトイレを出た瞬間、体がトイレの個室に戻されるように飛び、顔に激痛が走る。口に血の味がし、口内が切れたことが分かる

俺は相手を確認するべく顔を上げた

「おいおい、なんて目付きで見てんだよ!」

次は鼻に激痛が走った。誰かは声だけでよく分かった……いじめのリーダー、石口 煉荒(いしぐち れんあ)だ。

「おいおい、コイツもうへばってんだけど。お楽しみはこっからなのによぉ!」

髪を掴みながら顔を無理矢理上げさせられればトイレの中に顔を突っ込まれた。

連れか…俺の知らない声だ。また上級生でも連れてきたのだろうか……まぁ名前なんてどうでもいい。

「コイツ何分持つか耐久してみようぜ(笑)」

あぁ、そうしてくれ。

俺は早く───死にたい───

意識が朦朧とする中それだけを願った。家に帰っても暴力を振るわれ、学校では毎日いじめを受ける俺に居場所は無い。

だから…お願いだから………殺してくれ!!!

「それが、君の願いだと言うなら」

声が鮮明に聞こえた。誰だ?いや、聞いた事がある声だ……これは

「白髪の女子…君なのか?」

言葉を口にした。ただそれだけなのに、引っかかる点が一つあった。なぜ声が出せる…?通常ならこんな思考には行かないが、溺れていたら状況は別だ。何かがおかしい…

「目を開けて下さい」

再び彼女の声がした、俺は言われるがままに目を開いた

「「「ようこそ、神の間へ!」」」

パァンッ!!とクラッカーが鳴り、火薬の臭いがほんのり鼻をかする。パッと全体を見渡した感じ、周りからは目が痛くなるほどの光が奥に永遠と続いており、クラッカーを鳴らしたのは3人の女性…赤髪の女性、黒髪の女性……そして例の白髪の女性だ

「………は?え、いやいや…………はぁ??」

分かった、が……一切状況が飲み込めない。此処はどこか、あなた達は誰か、俺はどうなったか…と、大量の質問が頭に押し寄せ混乱状態に陥っているのだ

そんな俺を見るや否や赤髪の子が白髪の彼女に対して

「だーからダメって言ったじゃん!死人をこんな歓迎の仕方しちゃダメって言ったじゃん!!シェルるんがやるって言ったんだからね、アタシ悪くないかんね!!?」

「だって今までこんなに不幸だった人に真面目な顔で『あなたは死にました』なんて言えないじゃないですか!!しかもファイム様も結構乗り気だったのに…!」

そんな言い合いの様なものをボーッと見つめていると、黒髪の女性が近づいてきた

「ごめ…んね……?あの二人、いつも、あんな感じ…だから……。………………だから、1回黙らす。」

口数は少ない感じで口調は緩いものの最後の言葉だけ何か威圧を感じた、怖い。……と、黒髪の女性が彼女達に近づくと2人を10秒ほど睨んだ後…黙らせた。

「紹介、遅れた……。2人とも、謝る…」

「「ごめんなさい…」」

「あ、いえ別に大丈夫ですよ」

女性2人から謝られる事など無かったため目を逸らしつつ軽く頭をペコペコと下げていた

そんなやり取りをし、黒髪の女性が口を開いた

「私は、ラル……|美の女神で、いつも…見てる、この世界を…。それで、秩序を乱す者に……罰とか与える……」

この人はマイペースだなぁ…と心の中で思いながら赤髪の女性の自己紹介が始まる

「はいはーい!んじゃアタシね!!炎の女神ファイムだよ!通常は死んだ人を地獄に連れてく神って感じかな!」

この人はテンション高いな…誰とでも仲良くしてそう。まぁ身長は……と考えてた所でファイムさんにめっちゃ睨まれたので俺は考える事を放棄した

それと同時に白髪の女性が口を開き

「はじめまして…では無いですかね?私は時の女神、シェルと申します。ファイム様とは逆に天国への案内役を務めております。」

うーん…なんでだろう、正直シェルさんが1番分からない。なぜ……なぜラルさんとファイムさんはTHE女神!みたいな服なのにシェルさんはメイド服なのだろう?しかもメイド喫茶とかのなんだろう…。

………まぁ、可愛いしいっか。

「ちなみにその女神の属性的なのって3人に共通点とかは…」

「「「ありません」」」

あ、無いんだ。……とりあえず話題戻す為に自己紹介するか…

「……あの、俺も一応自己紹介しておきますね。高校2年、白矢楓真って言います。」

「楓真くんの事、は……みんな知って、る……特にシェ……」

何かを言いかけた瞬間、シェルはラルの口元に手を置いており涙目で首を降っていた

「あー、そう言えばシェルって楓真の事す………」

「ファイム様、死ぬか黙るかどちらがよろしいですか?」

「ごめんって!冗談冗談!!」

なんかこう言うの怖い……こう言う女子の闇は見てきたはずなのに目の前でやられると怖いわ、うん。

ピピピピピピッ…とどこからアラームの様なものが聞こえてきた

「あ…もう時間……楓真、くん…行ってらっしゃい…」

「え、何が……ってうわっ!!?」

下に魔法陣の様なものが描かれ、光っている。正直目を開けているだけでも苦痛なぐらいには眩しい……そう思い目を瞑ってしまった。




「………ぶ……か………だい……ぶ……すか…………大丈夫ですか…?」

声がする…シェルさんの声だ。声がする方向に手を伸ばすと何が柔らかいものが当たる。

「んぁ……」

それと同時にシェルが変な声を出す

あぁ…嫌な予感がする……

そう思い目を開けると俺はどこかも分からない森の中でシェルさんに膝枕をされながら、胸を揉んでいた

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