表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: まさるしー
57/72

見ざる、着飾る、言わざる


「ねぇ!見て!!」

母の声に振り向くと、プリーツの入った薄荷色のロングスカートが目に飛び込んできた。見せびらかすようにクルクルと台所で回る。

耳と首につけた一粒パールのネックレスが揺れて優しく光る。


「うん、見た」

スマホから目を離さずに答える父。


気のない父の言葉も気にせず

「上着はどれにしようか?」とウキウキしている。

久々に友人とランチに行くらしい。


「どれでも似合うよー」

口先だけで応じる父。やっぱりスマホから目を離さない。


父は知らない、母がこれから行くランチの値段を。

来るかもしれない修羅場より今の安寧が大事。


父は見ざる、母は着飾る、僕は言わざる。


なんでもない休日が始まる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ