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短編集  作者: まさるしー
30/72

パン、コーヒー、休日


惰眠をむさぼり尽くした午前11時。

このまま過ごすのはもったいないとベッドから抜け出す。

ものの見事に爆発した髪の毛をターバンで誤魔化してキッチンに降りる。


「おっはよーーぅ!!!」

いつも変わらないテンションで九官鳥が囀ずる。

鳥かごに指をさしいれるとトテトテとよってきて顎をのせてくる。

一通り撫でて指を話そうとすると「かわいーかわいー」とまだ撫でてくれと要求する。

ここで負けると日が暮れてしまうので

「おしまいだよー」と宥める。


きれいな水と小松菜を容れてやる。

さっきまで甘えてたのにサッとかけより夢中で食べている。

「まったく現金なヤツ」


さて、私もなにか食べなくては。

貰い物のコーヒー豆が目につく。

これに昨日衝動買いしたちょっといい食パンのトーストにしよう。

お気に入りの食器を並べ支度する。


トーストの焼ける「チンッ」という音を聞いて「タベル?タベル?タベル?」大興奮の九官鳥。

ひとつまみちぎって差し入れる。手を蹴り飛ばしてお気に入りの場所でついばみ始める。


見ながらコーヒーに口をつける。

「おっはよーーーーぉ!!!」

九官鳥の倍の声量で友人が入ってくる。

「お前なぁ……、何てタイミングなんだ」

出来立てのコーヒーを差し出す。

「いい匂いがしたからね!!」

「犬かよ」

「わんわん!!……犬ってコーヒー平気だっけ?」

「知らんよ」

受け取ったコーヒーを一口のんで友人は

「めっちゃ旨いやんなにこれ?なに?コーヒーに懲り始めたん?えっ?モテようとしてる?」

「貰い物」

「ほぇーーこのコーヒー飲むためなら俺、デート何回でもしてあげられるわ!」

「してもらうの間違いだろ」

「というわけで、美味しいランチ食べに行こうや奢りで」

「どういうわけか分からんが、おごってくれるなら行くわ」

「ふふふ!おごってしんぜ……あれ?俺がおごられる予定だったんだけど」

「おそいぞ。」出掛ける支度を済ませて友人を急かす。

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