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短編集  作者: まさるしー
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どーなっつ、穴、味


「もう少し寝るか……」

昨日夜更かししすぎたせいでもう昼過ぎだというのにまだ眠れそうだ。

ぼんやりした頭で考えていると

インターホンの音が俺の邪魔をする。

「ドーナッツの穴食べたい?」

君がなにかを後ろ手に隠し、よくわからないことを聞いてくる。

「ないものは食べられないよね?」

「質問を質問で返すなよー」

君は唇を尖らせて言うが、質問の意図を正確に推し量るための質問な訳で。

「ドーナツの穴って味するの?」

とりあえず、別角度から聞いてみる。

「そりゃドーナッツの味だよ!!」

何を当たり前のことを聞くんだ?という顔の君。

……ますますわからない。

ドーナッツの穴はただの空間だろう……。

あ、そういえば。

「テレビで穴にアイス乗せてたけどそういう??」

「……そっちのが美味しそう」

君が差し出してきたのはサーダーアンダーギー。

あぁ、なるほどね。

「原材料的にも違いあるらしいぞ?」

ひとつ手に取りほんのり温かいことに気づく。

「ドーナツの穴が食べたくなったから……」

一口かじって確信する。

「作ったのか」

もうひとつ、と手を伸ばしたところで言われる。

「穴だけが目的なのね!?」

あぁ、玄関先のままだった。

迎え入れ、緑茶をいれる。

悪くない休日を夕日が照らす。

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