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短編集  作者: まさるしー
25/72

鍋、カセットコンロ、炬燵


「……なぁ」

炬燵で鍋を囲みながらおしゃべりをする。

「ビールなら自分でとって?」

カセットコンロの火加減を調節しながら妻がそっけなく言う。

「そうじゃなくてさ、人が一生で打てる鼓動の数が決まってるって話知ってる?」

ビールの言葉に飲みたくなったので冷蔵庫に向かう。

「心臓の鼓動が早くなるのはストレス反応だとか?だからなるべくドキドキしない方がいい?」

わからないでもないわねと口のなかで言って煮えた豆腐を自分の椀に注ぐ。


冷蔵庫の前でビールをプシッとあけながら言葉を紡ぐ。

「だとしたら、俺お前と結婚して良かったわ。長生きできる」

どうだ!!お前といると自然体でいられるよ!ってのの遠回し表現!!これで小遣いアップ間違いなし!!

「小遣いなら増えないよ」

呆れたような声が返ってきて、ビールを噴きそうになる。

「いや、別に……」

むせながら炬燵に戻ると俺のお椀に好きな具材が山盛り注がれていた。


小遣いは逃したが、気持ちは伝わったようだ。

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