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星、月、太陽
太陽が月と星を照らして輝かせ、
大地を育み、育てるというのなら。
太陽の光が届かぬほど奥深くで息を潜める星にいかほどの価値があるのか。
月はその形を変え人の心を惹き付ける。
一番星は人の道しるべに、光さえ届けば癒しに。
大地は生命を抱く。
この広い宇宙のなかで、路傍の石と変わらぬこの身。
在ること以外に選択できないから在る。
でもその意味は?
天文学者がその存在を求めてやまないことなど、小さなその星は知り得ない。
小さな星の苦悩など、天文学者は知り得ない。
焦がれるそれにお互いが手を伸ばすことができたなら
この宇宙の憂いはすべて消え去るのに。




