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夏のスペシャル2

 いつの間にか、ユニークアクセスが30万突破していてビックリです。

 お待たせしました!

 乙女ちゃんの息子達、優雅に栄雅が出てくるよ。


「あーちゃん、行こう行こう?」

「はー君も早くでしゅ!」

「そんなに引っ張らなくても屋台は逃げないと思うよ」


 気持ちの急く双子に引っ張られながら、白兎も何処かワクワクとした気持ちでいた。


「金魚すくいをするのでしゅ!」

「金魚を助けるんでしゅ!」

「……助ける……」

「いや、羽美瑠、羽斗里、アリスもさ。金魚すくいの“すくい”は“救い”じゃなくて“掬い”だよ……」


 さっきから脇目も振らず走っていると思ったら、お目当ては「金魚すくい」のようである。しかも意味を勘違いして……。

 白兎が間違いを正すと、双子は驚いた顔をした。


「えぇ!? 金魚しゃん達は囚われてるんじゃにゃいの!?」

「早く助けないといけないんじゃないんでしゅか!?」

「……食べられちゃう……?」


「いや、全然囚われてないよ。ちゃんと管理されてるし。アリスも、金魚さんたちは食べられちゃったりしないから安心して?」


「はうっ、金魚しゃん大丈夫なんでしゅか?」

「はー君が言うなら間違い無しでしゅ」

「……ホッ……」


 ホッと一安心する双子とアリス。白兎は乾いた笑い声を上げた。


「ははっ、一体どうしてそんな勘違いをしちゃったんだろう?」

「え? おじいちゃまが言ってたのでしゅ」

「おばあちゃまも頷いていたでしゅよ」

「……みぃちゃんと、とりぃ君が言うから……」


 白兎は眉間を押さえる。

 やっぱりと言うか、予想通りであった。


「とにかく、金魚さんたちは大丈夫だから、そんなに急がないでゆっくり歩こう? 走ったら転んだりして危ないからさ。それに、他にも色々面白いものとかもあると思うから、見過ごしちゃうと勿体無いよ?」


「あうっ、それもそうでしゅ!」

「わたがし食べたいでしゅ!」

「……いちごあめ……」


 双子が元気よく手を上げ、アリスも控えめに手を上げた。

 引っ込み思案なアリスも、この双子といると、いくらか積極的になる。白兎はその事を嬉しく思いながら、皆で手を繋いで歩き出した。




「ははは! 来たな? でしゅましゅツインズ!!」

「やぁ、いらっしゃい、ようこそ」


『ギャース!!!』


 あらん限りの力で叫ぶ羽美瑠と羽斗里。目の前には、立ち塞がるように二人の男の子が立っている。

 一人はサラリとした髪を肩まで伸ばした綺麗な顔立ちをした男の子。浴衣の柄は鳳凰と派手だが色を押さえている為か嫌味な感じはしない。

 もう一人は短めの髪に少々目は釣り目でその口には意地悪そうな笑みが浮かんでいる。浴衣は肩まで捲くっていて、柄は龍と勇ましい。

 歳は五、六歳であろうか。

 双子やアリスよりは年上で、白兎よりは年下のその男の子達は此方にずんずんと近付いてくる。


「いやーん! あっちいけでしゅ!」

「ゆーがにえーがは、いじめっ子なのでしゅ!」


 慌てて白兎の後ろに隠れる羽美瑠と羽斗里。

 どうやらこの二人が、乙女と真澄の息子のようだ。

 そして、綺麗な顔立ちの男の子がにこりと笑って前に出てくる。


「苛めてなんかいないよ。歓迎してるんだよ」

「優雅の言うとおりだぜ、でしゅましゅツインズ。おれ達はお前らを歓迎してるんだ。このおれ様直々に歓迎してやってるんだから、ありがたく思え!」


 髪の短い男の子が、綺麗な男の子の言葉に頷く。


「うわーん! 凄く偉そうでしゅ~!」

「おれ様でしゅ~!」

「当たり前だ! おれ様は偉いんだ!」


 腰に手を当て、「わはは」と高笑いする短髪の男の子。彼は双子か隠れている白兎を見上げた。


「うん? 誰だお前? 初めて見る顔だな?」

「そうだね、羽美瑠と羽斗里のお友達?」


 白兎は「違いましゅ! いとこでしゅ!」と羽美瑠が訴えようとするのを制しながら、実ににこやかにこの二人の男の子を見下ろす。


「普通は人の名前を聞く時は自分の名前を名乗るのが礼儀だと思うけど、僕は招かれた身分だから先に名乗らせてもらうよ。

 初めまして、僕の名前は 天塚 白兎 。そしてこの子は僕の妹のアリス。羽美瑠と羽斗里の従兄妹だよ。宜しく。

 それで、君達は何君と何君かな?」


 飽く迄穏やかににこやかに、年長者らしく振舞う白兎。とは言っても、まだ小学校に上がったばかりのお子様だ。

 ここにミカ達が居たならば、「しっかりしすぎてる!」とか「もっと子供らしく!」等と言いそうである。

 そしてこの場にいる子供達はというと、双子やアリスはその姿に尊敬を覚え、目の前に立つ二人の男の子は少々面白く無さそうな顔をしている。


「ふん! おれ様に向かって偉そうだぞお前!」

「うん、栄雅の言うとおり、少し偉そうだね。年上だからって、見下ろされるのは嫌だな……」


「はー君は小学生なんでしゅ!」

「ゆーがとえーがより偉いんでしゅ!」


 羽美瑠と羽斗里がまるで自分の事のように胸を張って自慢をする。


「ふん、それの何処が偉いって言うんだよ!」

「まぁね、僕も来年は小学生だし。偉いって言うのなら、羽美瑠に羽斗里は僕を敬いなよ」


 双子に対して睨みを聞かせる二人。

 それを白兎が庇いながら、


「いい加減名乗って欲しいんだけど? 何君と何君なのかな、ぼく達?」


 明らかに、子供扱いされていると分かり、真っ赤になる二人。


「たかだか一歳か二歳しか違わないだろ!? 子供扱いするな! 僕はこの薔薇屋敷家の長男の優雅だ!」

「おれ様は次男の栄雅だ! いずれ世界の頂点に立つ男だ! いつか絶対後悔させてやる!」


 と、こうして子供達の波乱の自己紹介は終わった。

 羽美瑠と羽斗里は益々白兎を尊敬し、アリスはアリスで、今しがた栄雅の言っていた「世界の頂点に立つ」という言葉を鵜呑みにし、

(世界のちょうてん? 王様? 凄いなぁ)

 と素直に思っていたのである。




「おい! でしゅましゅツインズ! 悔しかったら“サシスセソ”って言ってみろ!」

『しゃ、しゃししゅ……』

「じゃあ、“ナニヌネノ”って言ってごらんよ」

『にゃ、にゃに……』

「ははっ! やっぱり言えねーでやんの! 土下座して謝れ!」

「跪いてかしずきなよ」


「うわーん!」

「はー君、ゆーがとえーががいじめる~!」


 双子が白兎に泣いて取り縋る。白兎も見兼ねたのか、何か言おうと一歩足を踏み出そうとした時、それよりも先に前に出る者が居た。

 驚いた事に、あの引っ込み思案なアリスである。

 優雅と栄雅が何だこいつという顔をしている。 白兎は慌ててアリスを引き戻そうとしたのだが、その手は空を掴む事しか出来なかった。

 何故なら、アリスはその場に膝を付いてペコッと頭を下げたからだ。


「ごめんにゃちゃい!」


 アリスを除く子供達はぱちくりと目を大きく見開いている。

 白兎と双子は、その声の大きさにも驚いていた。いつも囁くようにしか喋らないアリスの、こんな大きな声を聞くのは初めてであった。


「何言ってるの、君?」

「何でお前が謝ってんだ?」

「……ちゃちちゅちぇちょも、にゃににゅにぇにょも言えないから、ごめんにゃちゃい……」


 双子の代わりに謝ったのかと思ったが違うようだ。

 実は先程、双子達が言われているのを見て、自分も言ってみたアリス。言えなかったら土下座だ跪けだのと言っているのを聞いて、素直にそれに従ったようである。

 謝ったら満足したのか、アリスは立ち上がって再び白兎の後ろに隠れてしまった。


「ア、アリス? 別に謝る必要は無かったんだよ? 羽美瑠と羽斗里に言っている事だし、勿論羽美瑠達も謝る必要は無い事だからね」

「そうだよあーちゃん! ゆーがとえーがなんかに謝っちゃダメでしゅ!」

「そうでしゅ! はー君とみぃちゃんの言う通りでしゅ!」

「……だって、ちょーてん、王様……」


 白兎達の言葉を不思議そうな顔で聞きながら、アリスはキョトンとして呟く。

 他の者は訳がわからずに首を傾げている。

 やはりさっきの言葉をまだ鵜呑みにしているようだった。

 優雅に栄雅は、王様と言われて少しばかり気分がいい。


「はっ、こいつ分かってんじゃねーか」

「うん、アリスだっけ? 羽美瑠と羽斗里と違って、素直ないい子だね」





 優雅に栄雅はダブルで俺様気質ですねぇ。羽美瑠と羽斗里を「でしゅましゅツインズ」と言って毎回からかって遊んでいます。

 優雅は運動苦手です。栄雅は逆に活動的です。

 それから、白兎全然子供っぽくない。これも全部両親のせいなのか?

 アリスの脳内では、色んなものをメルヘンスキャンしていたりしています。そこら辺は全くもって、母親似なのです。


 今回思ったより早く更新できました。次回もこれ位早くできるといいのですが……。

 では次回をお楽しみに!


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