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そのエルフさんは世界樹に呪われています。  作者: ぷぺんぱぷ
一巻発売記念月間 ランデル領館に頭を抱える領主を見た!
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46.俺の妻達すごい超すごい

「うわぁ……」


 アトランチスとオルトランデルを結ぶ通路ダンジョンの主の間。

 システィが統括するカイネットワークの中心であるこの場所で、カイは呆れた声を上げた。


 初めて見たけどすげえよここ。

 俺だらけだ。


 と、あっけにとられるカイ。

 右を見ても左を見てもカイだらけ。

 知ってはいたが実際に見るとインパクト半端無い。


 聖教国で知り合ったメリダの里のハイエルフ、アリーゼとノルンがここでバイトをした後カイを見てえんがちょーと叫んだ訳である。


 いやーこれは最悪だわ。俺だって怖いもん。

 そして二人ともありがとう。君らのおかげでぺっかーが楽になった。


 と、心でペコリのカイである。


「あ、カイワンだ」「ワン言うな」


 戦利品カイ。通称カイズ。

 本物カイにはそっけない。


「カイがたくさんえう」「む。すごいすごすぎる」「カイ様多すぎですわ」

「「「ぶぎょーっ!」」」

「「「俺らの妻可愛い超可愛い! そして俺らの子可愛い超可愛い!」」」


 そして妻には皆超夢中。子供にも皆超夢中。


「俺の妻と子だよ」「「「いいなぁカイワン」」」「ワンじゃねーよ!」


 俺のコピーだからって俺らのとか言うんじゃない。

 ちょっと妬いてるカイである。


「「「よし! ここでカイ当てクイズを始めよう!」」」「おい!」


 いきなり叫び、服をカイに合わせるカイズ達。


「お前だけ妻達とイチャコラはずるいだろカイワン」

「俺の妻だから当然だろ」

「そうだぞ。お前一度もエルネのカイスリーに妻と子を譲ってないじゃんか」

「譲る訳ないだろ!」

「たまには妻と子を俺らに譲れやカイワン、な?」

「だからワン言うな!」


 カイが突っぱねるとカイズ達は床に転がり、駄々をこね始めた。


「だってシスティキツいんだもん」「俺、この前盗賊やらされたぜ」「俺は犯罪組織の潜入調査だ」「今、調べてる貴族がヘンタイ過ぎて辛い」「くそぉアルハンの奴め、絶対折檻だ」


 そしてカイに土下座するカイズ達だ。


「「「だから癒やし下さい」」」「断る」


 戦利品カイはカイの記憶をコピーする。

 だから妻と子とのふれ合い記憶はカイズにもバッチリあるはずなのにカイズの懇願半端無い。


 システィ……お前、どんだけこいつらをこき使ってるんだよ。


 と、カイが天敵元王女の事を考えていると隙ありと見たのかカイズが起き上がり、カイを囲んで踊り出す。


「「「レッツダンスえうーっ!」」」「アホか!」


 たちまち紛れるカイである。


 くそっ、ミリーナ当てクイズか。ミリーナ当てクイズなのか!


 カイを囲んでぐるぐる踊るカイズ数百人はしばらく踊ってピタリと止まり、妻達を見つめて叫んだ。


「「「カイはだーれだ?」」」

「えう」「む」「カイ様」「「「ぶぎょっ」」」


 妻達即答。わからいでか。


「「「くうっ! さすが俺らの妻達!」」」「当たり前だ!」

「マナが全然違うえう」「む。まったく別物」「ですわ」


 マナを見れば一目瞭然。

 エルフは皆強力な魔法使い。マナを見る事など造作もないのだ。


「くっ。マナか、マナなのか」「俺ら戦利品だもんなー」「よし。分割をうまく使ってマナの量を合わせよう」「支給されてるマナを誤魔化す魔道具を使うぜ」

「「「再びレッツダンスえうーっ!」」」「アホか!!」


 そして始まる第二問。

 ぐるぐる回ってピタリと止まる。


「「「カイはだーれだ?」」」

「えう」「む」「カイ様」「「「ぶぎょっ」」」


 そしてまたもや妻達即答。わからいでか。


「「「くううっ! 俺らの妻達可愛い超可愛い!」」」「当たり前だ!」

「戦利品は心が読めないえう」「む。戦利品だし」「ですわ」


 ミリーナ、ルー、メリッサはカイ経由で互いの祝福を貰っている。

 だから皆、心が読める。

 カイズ達は妻達に速攻土下座だ。


「「「心読むのはナシでお願いします!」」」「諦め悪いなオイ!」

「仕方無いえうねぇ」「む」「では、人数を十人程度にして下さい」

「「「やったー! 第三問レッツダンスえうーっ!」」」「アホか!!!」


 喜び勇んで第三問。

 カイズはぐるぐる回ってピタリと止まり、妻達に問いかけた。


「「「カイはだーれだ?」」」

「えう」「む」「カイ様」「「「ぶぎょっ」」」


 それでもやっぱり妻達即答。わからいでか。


「「「くううっ! 愛されてるなぁカイ!」」」「当たり前だ!」


 カイは叫んで左手を晒す。

 そこに輝くのはアトランチスで嫁から貰った結婚指輪。

 カイの大事な宝物だ。


「カイの結婚指輪はミリーナ達が厳選したえう」「む。だから間違えない」「今となってはささやかな魔道具指輪ですが、私達の心を繋ぐ大事な宝。見間違えなどありえません」

「くそう、さすが俺らの妻達!」「うらやましいぞカイワン!」「ワン言うな!」


 うちの妻達すごい超すごい。そして可愛い超可愛い。

 子を抱きながらにっこり笑う妻達に惚れ直すカイである。

 そしてカイズは諦めたのだろう。カイの肩をバシバシ叩いて叫んだ。


「俺らの妻達と子供達を頼むぞカイワン!」

「ワン言うな!」

「これからも俺らが悶えるイチャコラを見せてくれ」「それがお前の任務だカイワン!」「頼んだぞ!」「ラブラブーッ!」「モエモエーッ!」「ぶぎょーっ!」

「……この、駄犬どもめ」


 俺のコピー情けない超情けない。


 久々に呟くカイであった。

「これより、ミリーナ当てクイズを始める」は全国の特約店様の購入特典小説です。


お盆更新終わりです。

明日から仕事だがんばろう。


誤字報告、感想、評価、ブックマーク、レビューなど頂ければ幸いです。


一巻「ご飯を食べに来ましたえうっ!」発売中です。

書店でお求め頂けますと幸いです。

続刊にご助力お願いいたします。


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よろしくお願いします。
世界樹エルフ
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