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ヒーローズセブン  作者: のい
第1章 俺、ヒーローになります
9/16

ミリオンズは戦場でした

またエレベーターで地下25階まで降りるそうだ。

ちなみにこのビルの設計は地下が32階まであるそうで、20階からがフロアと呼ばれる空間のある階らしい。つまりフロアは20階から32階までの12階構造となっている。


なぜ20階からかというと、20階までは柔らかい地層で工事が大変らしいので20階分間を空けて硬い地層までぶち抜いたらしい。20階までは空間と呼べるところではなく、ただ地下を支えている柱を定期的に検診するための場所らしく検査員を除いて人が入れるようなところでは無いらしい。


ほんとお金掛けてらっしゃる。

とりあえず俺はエレベーターで天王寺さんにその説明をしてもらい、いよいよ25階に着いた。

到着音と共にドアが開くと、そこには白い制服?を着た人たちがあちらこちらへと走り回っていた。


「おい!例のパイロキネシスのイタズラの件片付いてないぞ!」


「小百合さんの損害物の集計まだ!?」


「小百合さんがまた犯人ボコボコにしたせいで病院送る書類増えたじゃねーか!」


「班長!(にのまえ)さんがバラしかけた犯人が逃走しようとしたとこ確保できたそうです!」


えっーーと

ここは戦場?

半分くらい姉貴の名前が入っている怒号が飛び交っているがこれはどういうことだ。


「はーい、みなさーん。

新人さん連れてきましたー。」


天王寺さんのその声で皆の動きが止まり、目線が一斉にこちらに集まる。

うわぁ、この中自己紹介かぁ。言い難いなぁ。


「ほら、灰人君。自己紹介!」


天王寺さんにパンっと背中を叩かれて前にヨロける。


「えっと、そ、その、な、七原灰人、です。

よ、よ、よろしく、お願い、しま、す。」


言えた、カミカミで途切れ途切れだがなんとか言えた。とりあえず第一関門クリアだ。


「七原って、もしかして…」


誰かがそんなことを口にした。そしたら天王寺さんがちょっとだけ自慢げに「小百合さんの弟です!」と言った途端だ。


「まじかよ!」


「破壊神の弟君!」


「七原ジュニア!」


まて、破壊神ってなんだ。ちょっと後で姉貴に聞きたいこと増えたぞ。


すると全員バタバタと俺を囲み質問攻めの始まりだ。これだけは避けたかった。

俺があちらこちらからの質問に答えられずタジタジしていると天王寺さんが間に入り「そこまで!」と助けてくれた。


「とりあえず今日は入社初日だから宿舎の案内して仕事は明日からだから!聞きたいことは宿舎で個人的に聞くこと!」


ほんとにありがとうございます。

正直死にそうでした。と心で天王寺さんを拝みすぐにエレベーターに逃げた。

ドアが閉まる直前まで「よろしくね!」とか「明日からがんばれよ!」とか色々声援が送られてなんだか少し恥ずかしくも嬉しかった。


「皆いい人だから、ゆっくり馴れてね。」


「ほんと、ありがとうございます。」


ちゃんと喋れた。自分でも驚いたが天王寺さんにはあまりコミュ障が発動しなくなったのかな?

この調子でコミュ障治るといいけどなぁ、などと考えているとエレベーターは宿舎のある28階に着いた。


「えっと、今朝届いた書類の通り本社は宿舎完備しているのでこちらで過ごしてください。」


俺は今朝届いた書類をバックから取り出し宿舎の項目を確認した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


本社は宿舎での生活となります。生活用品は一式揃っているのでその他の私物は後日送られるという形なので、必要なものだけ出社の際ご持参ください。

尚、宿舎は一人一部屋ございます。

その他必要なものがあれば毎週月曜日までに日用品申請書に書いておいてください。


基本的には持ってこれる物に制限はありませんが重火器、危険物等は禁止ですので予めご了承ください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「まぁ、ほとんどその書類に書いてあると思うので余計な説明は省かせてもらいます。」


俺はちゃんと今朝読んで必要な携帯とノートパソコン、大好きな小説だけは持ってきていた。

すると天王寺さんが「これが部屋の鍵です」と205と書かれた部屋の鍵を渡された。


「あとは明日までゆっくり休んでください。

お風呂も部屋にあります。お食事はこのフロアの北側に真っ直ぐ歩けばあるので、好きな時に食べてください。」


「それでは、」と天王寺は言い残して帰ってしまった。

俺はとりあえず部屋を探し出して、というか広すぎるどういう事だよ。部屋探すだけで30分はかかったぞ。



俺は部屋の扉を開けてひょいと顔を覗き込む。

自分の部屋なのになんだか人の家へお邪魔したような不思議な感覚だ。入っていいのか少し迷ってしまう。

部屋は綺麗でアパートの一室のような作りだ。

1LDKのアパート、これが1番わかりやすい説明だろう。日用品から洗濯機まで大体揃っていてまるでモデルルームだ。


なんだか今日は疲れた、俺はそのまま部屋のベットに倒れ込む。

慣れない外、人混み、会話、こんなにも慣れないことをしたのは久しぶりだ。明日から一体どんな非日常になることやら。

あ、そうだ、昨日のネット小説のチェックしないと。

まて、まず携帯の充電を…


俺はそのまま静かに眠りについた。

色々やることはあるがそんなことよりも睡魔が勝ってしまったので仕方ない。


そして携帯に1通のメッセージがくる


アネキ

明日アタシと遠征でるか!

よろしく!



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