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ヒーローズセブン  作者: のい
第1章 俺、ヒーローになります
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どこのラノベ?

「あちぃ…」


今までクーラーの涼しさに篭っていた俺は夏の直射日光に晒されて早速帰りたくなっていた。

こんなクソ暑い日に電車と歩きで外出したのは久しぶりだ。

電車で二駅、そこから少し人気のない方へ歩いていき数分。額に汗を垂らしながら俺は政府直轄機関セブンスとかいう会社の目の前に立っていた。

政府直轄とかいうからどんな豪華な会社かと思えば何ともどこにでもありそうな普通のビルだ。

俺は少し疑いながらも会社のネームプレートを見て場所を確認する。

間違いなくここだ、しかしコミュ障の俺はなかなかビルに入ることができない。ここまできて帰るのは癪だし、ええい、1歩ぐらい踏み出せ七原灰人!


俺は暑さの汗と変な汗で顔を滝のように濡らしながらビルのドアを空ける。

中は結構綺麗に整備してあった。まぁ、会社だから当たり前か。そういえばどんな業務内容とか聞いてないがなんの会社だ?

あまりに自分には向いてなければ今日断ることも考えておこう。


俺はフロントまで歩いていき受付の女性に話掛けようとする。


「あ、あの、えっと、な、七原かいひょです」


いきなり噛んだ、これは恥ずかしすぎる。

今すぐ帰りたい、走って帰ってクーラーの効いた部屋でアニメみたい。


「あ、七原様ですね?

お待ちしておりました。身分証を見せて頂けますか?」


そう言われて顔を真っ赤にしたまま慌ててバックから保険証を提示する。残念ながら車の免許なんか持っていないので顔写真はないが、これで大丈夫だろう。


「ありがとうございます。それでは奥のエレベーターから三階に上がりまして、6番オフィスでお待ちください。」


「わ、わ、わかりま、した。」


俺はキョドりながらもなんとか返答し、カチコチに固まった体でエレベーターへ乗り込む。


「緊張したぁぁぁぁ」


俺はエレベーターという1人の空間で一気に体の力が抜ける。しかし三階なんてすぐ着いてしまう。

俺は再び緊張と不安で変な汗が出ながらも、指示通り6番オフィスと書かれた部屋へと入る。

中には誰もおらず、簡単なイスと長机、ポットにコーヒーセットと急いで作ったかのような部屋だった。


とりあえず椅子に座り待っているとコンコンとノックの音がして、茶髪でニコニコした男の人が入ってきた。


「はじめまして、ようこそセブンスへ。

私は人事部の天王寺(てんのうじ) 羅暁(らぎょう)です。」


なんかものすごくニコニコしてる。よかった、怖そうな人ではないらしい。

俺はとりあえず「は、は、はしまめま、して。」とお辞儀をする。

天王寺さんは「あはは、そんなに緊張しなくていいよ。」と暑いねぇとシャツのの襟をパタパタしながら対面の椅子に座る。


「さて、まずは合格おめでとうございます。

本社は政府直轄機関でして、まずは業務内容等の説明をしたいのですがよろしいですか?」


天王寺さんは書類を取り出し俺に渡した。書類の1ページ目には「ようこそセブンスへ!」と、学校のプリントのような手作り感溢れる物だ。


「お、お願い、します。」


俺は書類を受け取りお辞儀をする。

うーむ、どんな会話というか返答すればいいかさっぱりわからない。ここまで自分がコミュ障とは驚きだ。


「はい、お願いします

まず、本社は政府直轄機関です。公務員とはまた別ですが、まぁ、国に雇われるというところは一緒です。基本的な業務内容ですが、あ、その前にここからの話しは決して口外のないようお願いします。」


「は、はい…」


よほどの重要機密でも扱ってるか?しかしそんなところが俺みたいなニート雇う訳ないし、んー、どういうことだ?


「単刀直入に言いますと、本社は非凡たる超人のみを集めた超人機関です。」


…ん?

聞き間違えか?


「業務内容は、超能力の研究、超能力による事件などの解決、超人による犯罪の取り締まり等です。」


いや、え、聞き間違えではないよな?

超人?超能力?え、なに、ここどこのラノベ世界?


「あなたの仕事は[セブンス]と呼ばれる我社の精鋭部隊のサポート役、[ミリオンズ]と呼ばれる部署での雑務、サポート等です。」


いやいやいやいやいや

まてまてまてまてまて

なんの冗談だ?姉貴の仕掛けたドッキリか?

にしては手が込みすぎている。というか超能力なんてある訳ないだろ。


「ふふ、どうやら信じられないって顔してますね。」


「え、えっと、え、」


天王寺さんは俺の顔をみて笑ってる。

確かに豆鉄砲喰らった鳩みたいな顔はしてるがそりゃそうだろ、こんな唐突にこんな話されて信じる方がぶっ飛んでる。超能力とか超人とか、そういうのは2次元の専売特許だろ?


「とりあえず見てもらう方が早いかも知れませんね。」


そう言うと立ち上がり、「着いてきてください」と部屋を出てエレベーターに向かった。


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