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ヒーローズセブン  作者: のい
第1章 俺、ヒーローになります
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江上さんマジ天使

「いや、ま、まってよ、姉貴」


姉貴からのびっくり発言に正直動揺して頭が回らない。いや、そもそもいきなり過ぎる。

本来ならこういうのは小さな任務やら修行とかして、その中で出会った女の子とキャッハウフフな展開をして文庫2巻目ぐらいでそういうデカイ任務ってのがラノベとかマンガの常識だろ。

伊達にラノベとマンガを網羅してねぇぞ俺は。予想なら最初は訓練、その後に初めての任務、そこで覚醒する俺、そして修行へってのが完璧なテンプレストーリーだろ!


そんなことを考えてたら姉貴がため息混じりに呆れてる。


「アンタがどんな夢見てたか知らないけど、これ仕事だから。死ぬ気でしないとクビどころじゃ済まないわよ。」


辛辣過ぎる。あぁ、ほんと世の中なんてクソゲーだよまったく。

俺が諦めて天井を見上げてたら隣から春田さんがまぁまぁと慰めてくれてる。


「初任務だし、今回は僕達がしっかりとサポートするから安心してくれ。」


この会社に少数いる優しい方々は何なんだ。涙で前が見えねぇよ。神は俺を見放してはいなかった。ありがとう春田さん。


涙目でこの感動を噛み締めていると土井ヶ原さんがダルそうに口を開く。


「ま、今回はミリオンズ3人にセブンス1人、しかもミリオンズでも数少ない能力だけならAクラス能力持ちの江上がいるからな、こんな任務には豪華すぎるメンツだから大丈夫だろ。」


「え、江上、さん、って、そんなに、強いん、ですか?」


「まぁ、能力には色々ランクがあって、DからSまであるわけだが、能力の強さと使用者のレベルの総合でランクが決まる。総合ならBクラスだが能力だけならAクラスレベルなんだよ、江上は。」


だるそうに土井ヶ原さんは説明してくれた訳だが、これはビックリだ。1番か弱そうで可愛い子がこの中のヒエラルキーの2番目ときた。そのギャップに俺は萌え死んでしまいそうだぜっ!

江上さんはそんな俺の期待と萌え萌えな熱い視線を受けながら必死に否定している。


「いや、私なんて!ちゃんと能力使えないからからミリオンズにいるわけで、総合ランクBの私にそんな期待されても…」


あぁ、そんな落ち込んでシュンとしながら俯く姿も可愛い、3次元なんてクソ女しかいないと姉貴を見て常々思っていたがそうでもないらしい。たまらない、鼻血出そう。

そんなこと考えてたらまた姉貴に小突かれた。いやけっこー痛いからね?


「そんなに胡呂呂をイジメないの!胡呂呂も自信持ちなさい!アナタも実力を買われて今回のこの足でまといでもろチキンな愚弟を助けるために呼ばれてるんだから!」


いや、姉貴よ。真実だとしても言い過ぎた。

俺のお豆腐ハートは指先でも壊れる取り扱い注意のハートだから。そんなに言われた俺泣いちゃうよ?

江上さんもなんだか少し照れくさそうにはいと返事ををした。やっぱりこういうリーダーシップ?みたいなところはほんと、俺には無い羨ましい才能だよ。


と、そんな上を向いて涙がこぼれないようにとか思っていたら目的地である埠頭の付近にある倉庫に到着した。


「よし、まずは作戦会議ね。」


到着と同時に姉貴は真面目な顔でブリーフィングを始めた。なんだ、仕事はやっぱりそれなりに真面目なんだなぁと少し感動。


「アタシが突っ込んでぶっ潰す。以上!」


ごめん、やっぱり姉貴は姉貴だよ。それはね、作戦とは言わないよ。どんだけ端的かつ単純な作戦?


「はいはい、俺らはサポートですね、了解です。」


土井ヶ原さん慣れてるなぁ、ってかまさか毎回こんな感じ?初任務なのに恥ずかしさと申し訳なさで余計やりづらいわ!


「じゃぁ、とりあえず灰人は六輔に付いときな、胡呂呂と涼樹はアタシの援護!」


春田さんが俺の隣にきて了解!と叫び、土井ヶ原さんがうぃーすとヤル気無さそうに返事する中、江上さんは緊張しているのかはいっ!と声が裏返ってた。


「よーし、なら目標の密入国船に突っ込むわよ!全員死ぬ気で命を守りなよ!」


「「「はい!」」」


こうして、俺の初めての任務は姉貴の無茶苦茶な作戦の下、始まったのであった。

俺、死なないよな?

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