第二章 策略と陰謀なんて下準備がなければ始まらない
フランスに着いたは良いが……考えもなく志願なんて出来るものじゃなかった
拷問のような時(お姫様抱っこ)を終え、ついに、フランスに着く事ができたジャンヌ…
しかし、ジャンヌはどうやって軍に志願するか考えていなかった…
「ジャンヌ…君は本当に少し考えが足りないのではないか…」夜叉がため息をつきながら私を見る…確かに、フランスに来て早々、軍に入れてくだいと
守備隊長ロベール・ド・ボードリクール言ったって、入れてもらえるわけが無かった…
しかも、女性が…志願して兵になっても、請ける仕事なんて決まっている…
と言う理由で…私の実力を見ずに、そう決め付けられたのだ…
私も夜叉のような男性なら…きっと一発で軍には入って活躍していたと思うのに…
私は考えながら町を歩くと、最近急に神のお告げを聞いたと、奇声をあげる少女が軍に入ったと言う噂を聞いた。
「ジャンヌ…まさかと思うが、まさか君はこの方法で行こうと思っているのではないか?」
焦るような態度で、夜叉が私を見る。
「確かにこの噂は信憑性もないし、私の正気を保証するものもないわ…」
「そうだろう、もしそんな事をすると言ったら全力で、止めていたぞ…」
また、ため息をつく夜叉をよそに、実は一つ村を洗脳しようか考えていた。
夕方になり、泊まる場所にちょうど良い廃墟を見つけたとき、
「ジャンヌ、我は何か方法がないか、調べてくる」夜叉がそう言って姿を消した。
「ぶぅ…いきなり独りにするなんて、レディーの扱い方間違えていると思うのは、
私だけかしら?」
そんなつまらない事を口にしながら、私は細く微笑んでいた。
夜叉が傍にいないから、私だけで何か情報を探さないと…
そう、たとえば…あの噂のことを…。
神のお告げを聞いたとして、軍がそれを普通に認めるかどうか…それに…
神のお告げがあったとして、死ぬ危険性のある戦場に自分から行くものがいるのか?
『我、告げる、祖は、我が、壁、我を、隠す、壁、我を、遮るもの』
私は、姿消しの呪文を唱える
本来もっと簡単な呪文があるが、私は古語ように古い単語をつなげる事で、その力を発現させている。
私は噂の発生源へ向かう事にした。
その神のお告げを聞いた娘の家に行くが、その家は暗かった…
私は、その軍に行った娘の家には侵入した
家の中は質素で、生きていくだけで精一杯な雰囲気だった。
それに、家の住人も…なにやら疲れている感じだった。
「おねえちゃん…どこに行ったんだろうね…」
小さな女の子が、急に呟いた。
「知らないよう…軍に行ったとか、神のお告げとか、くだらない噂が広まっているし…
いったい何処に行ったんだ…」母らしき人がそう答えた…
私は、その言葉を聞きながら外へ出た。
これ以上聞かなくてもわかる…どうやらあの噂は、デマのようだ…
「それにしても、最近、神のお告げって、はやっているのかな?」
考え事をしていたせいか近くに人がいることに気づかなかった。
「あ~あれ、~また出たらしいね、隣村だっけ?」
「そうそう、これで若い娘が数人だよ」
「若い娘ばかりか~神様って奴は、若い女の子に何をさせたいんだろうね~」
二人で笑い出す
「でも、おかしいよな?俺たちの所、新しい子きてないし…」
「別のところに配属されたんじゃないのか?」
「そんな筈は無い!!俺の情報網に抜かりはないんだぜ!!」
豪語する兵士に、相方は…
「ならなんで、こんなところに左遷されん?諜報兵さんよ~」
「うるせぇ…ん?」兵士が急に立ち止まり、私のいるほうを振り向く!?
「どうしたんだ?」急に相方が立ち止まった事に辺りを警戒する。
私は息を潜め、万が一の為に精神を集中させる…
1秒・2秒…時間が過ぎ…
「気のせいか…」警戒を解いた
「急に立ち止まって、何かあったのか?」
「後ろから誰かが近づいている気配が、あったんでな~気のせいだった」
「諜報兵だから、気にしすぎだぜ~さっ、はやく舎に戻って夕食に行こうぜ!!」
兵士たちが走り去るのを感じると、私は息を吐いた…
どうやら、神のお告げを聞いて、失踪している娘が多いみたいね。
何か事件がありそうだわって!!そろそろ、廃墟に戻らないと、夜叉に御説教を言われてしまう!!
魔術を解き、ちょっと時間をかけすぎた私は、廃墟に急いで戻ると、
なぜか廃墟に明かりが灯してあった。
夜叉の方が先に戻っている!?
「ごめんなさい、夜叉、ちょっと散歩を…」謝りながら、ドアを開けると…中には猿ぐつわをはめられた女性が数人いた…あっけに取られた私の後頭部に、強い衝撃が…私は気を失ってしまった…