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11 大学部に教官

お久しぶりな更新ですいません。実はこれ、消そうかな~と思っていたのですがビミョ~にブックマークが増えていたのでもう少し更新を続けてみることにしました。

これからも半年に一度の更新になるかもしれません・・・。

とくにこの長門島魔法学校における大学部は日本国にとって非常に重要な場所だ。それこそ、この国における魔法研究が一番進んでいる場所とも言っていい。ちなみに超能力研究では国内2番目。超能力研究の第一人者が初代学長の学校だというのに・・・。



「大学部桝井研究室の研究員の片瀬と申します。」

若い男性が言った。

「警備員の高橋です。こちらは同じく加地と桃瀬。」

初老の男性と2人の警備員が敬礼する。

「わ、私、佐貫妙子ですぅ~!よろしくお願いしますぅ~」

佐貫先生が片瀬研究員の手を取る。やたら積極的だ。

「よ、よろしくお願いします・・・。さ、行きましょうか!」

片瀬研究員はドン引きしながら逃げるように案内を始めた。


「大学部では見ての通り、魔法・超能力研究に関するありとあらゆる研究を行っています。魔法や超能力の発生原因、根本理論などが力入れてますね。」

研究所のようなところを歩きながら片瀬研究員が言う。

廊下から部屋の中を見ると、なにやらコンピューターで解析していたりしているが、まぁとにかくよくわからない。


「あれ、何だ?」

俺は部屋の中で解析されている石を見つけた。

「ああ、あれは俗に“魔石”って呼ばれているものだそうだよ。魔力を即時回復できるものらしくて、どうやって石に魔力を溜めたのかが研究されているらしいよ。」

「詳しいな。あずさ。」

「まぁね。風紀委員ともなれば、大学部に入ることも時々あるから。それにここは・・・


私たちを被験体にすることもしばしばあるから・・・。」

「それって・・・マジかよ。」


ここでいきなり列が止まった。

ゴリラがウホウホ言う。

「八島!お前はここから別行動だ。」

「え?」


列をかき分けて白衣の男性が出てきた。

「初めまして。川口と申します。どうぞこちらへ。」

周りから注目される中、俺はその川口という人物について行った。



とある部屋に入ると、川口は大きく息を吐いた。

「あ~、緊張した。ああいう堅苦しいの、嫌いなんだよね~」

天然パーマな頭をボリボリかきむしりながら川口は椅子に座った。

「でしょうね。それにしても似合ってませんよ。その白衣。」

「あ、やっぱり?」

「それで、何でここにいるんですか?川口教官。」

「まぁ、いろいろあってな。一応ここの研究員というのは正式な身分だ。海軍からの出向、という扱いでな。

これでも大学のころは魔法学を学んでいたし、素人ではない。」

「それよりも、ただ単に出向しているわけじゃないでしょう?」

「まぁな。


長門島魔法学校ここは特殊な場所だ。外国のみならず、警備部公安、陸軍、空軍、我が海軍も見ての通り人材を送り込んで情報収集をしている。諜報員のたまり場だ。

ここで功績を上げれば“上”からのお褒めの言葉が大きいからな。」

「つまり、我が海軍も長門島魔法学校ここで何かしら功績を上げたい、というわけですか。」

「まぁ、ぶっちゃけそう言うわけだ。だが、普段ならその“上”が諜報員だらけにしないようにブレーキをかける。だが、今回はかかっていない。なぜだかわかるか?」

「・・・さて、さっぱりです。」

「やっぱり鉄道バカのお前じゃダメだな。」

「鉄道バカとは失礼な。これでも軍艦や戦闘機にも詳しいですから。」

「・・・そこは船と飛行機って言えよ。どちらも民間用が含まれてないじゃないか・・・。

とにかくだ!話を戻すぞ!


問題なのは、“魔法学校懇親会”だ。」

「懇親会?」

「ああ。世界数か所にある魔法学校や超能力学校の研究者や学生が集って情報交換をする場だ。まぁ、国としてはあまり外に出したくない情報を研究者が勝手に報告することもあったりして何かと物議をかもすものなんだが、そこが一番問題なんだ。



毎年、必ずと言っていいほど死者が出る。」

「どんだけ物騒なんですか。」

「仕方ないじゃないか。魔法学校を所有する国としては優秀な魔法使いを育て、研究をどの国よりもいち早く進めたい。だが、その研究を他の国の学校に教えられては困る。

一方で研究者としては自分の成果を発表したい。そしてどこの国だろうと一緒に研究してくれるやつを見つけて研究をさらに発展させたい。“表向きには”「各国と協力して魔法の研究を進める」ことになっているからどこの国も発表を止められない。その結果が」

「暗殺・・・ですか。」

「そうなんだ・・・。だが一方で今回は長門島魔法学校で開催される。日本政府としては何が何でも我が国で暗殺なんてさせてはならない。

ところが、長門島魔法学校の外側の警備はいいとして、中の警備は長門島魔法学校生徒会に一任される。あくまで学校だから警察がそう簡単に立ち入ることはできない。確かに長門島の中には警備員はいるが、警備員の数に対して来る人数が多すぎる。」

「だからこそ大尉だった俺を特務少佐なんていう肩書にして送り込んだわけですか。」

「そう言うわけだ。昔俺が渡したポケベルはまだ持ってるか?」

「ポケベルのくせに軍事衛星経由回線を使っているとか言う無駄にハイスペックなアレですか?」

「ひどい言い方だな・・・。まぁそれだ。またいずれ呼び出す。それじゃ。」

「どうも。」



結局その後、見学者の列に復帰することはできず、大人しく駅で待つことになった。

「まぁ、正式に何かやれと言われたわけでもないし、俺は大人しく列車を運転しますか。」

そうつぶやいて俺は485系の運転室へ入った。







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