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風/イラナイ/紫の夜/矛盾
【風】
君を連れ去る季節の風が
海岸線を吹き抜けて行く
水着の跡が消える頃には
遠い記憶さ夏のふたりは
波打ち際に打ち上げられた
ビーチサンダル真夏の名残り
この砂浜が夏の足跡
消えないように留めているよ
明日になれば小さな電車で
遠い街へと帰って行くね
僕の知らない線路の向こう
季節の風が君を連れ去る
【イラナイ】
ひとりきりなら大丈夫
孤独を感じず歩いてゆける
喧騒 群衆 街並みの中
感じる孤独に心が軋む
何もいらない望まない
永遠の闇があればいい
光はボクに無くていい
【紫の夜】
真夜中に浮かぶ言の葉は
微かに切なさを持つ
それは時に痛みを伴い
感傷の雫が心に染みを遺す
例えば君の事
ふと思い出す瞬間だったり
琥珀の記憶が鮮やかな彩りを持つ
フラッシュバックだったり
心の喪った場所
失くした痛みが蘇ったり
でもそれは
どれだけ鮮明に見えても
君の輪郭はいつも朧気
それが君の涙の理由なんだと
今更ながらに…
【矛盾】
心から 心から
君の幸せ願うのに
誰か知らない人の隣りで
優しく微笑む君を想えば
この胸 心
張り裂けそうで