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人魚姫と魔女

作者: ひろ
掲載日:2026/11/05

 「魔女様。私、人間の王子様に恋をしてしまいましたの。

 あのお方と添い遂げたい。でも私が人魚である限りそれは叶わぬ夢。


 お願いです。どうぞこの私を、魔法で人間にしてくださいまし。」




 変な娘だねぇ。魔女は思った。



 

 「因みに姫や? あんたマグロには欲情するかい?」

 

 「? マグロは食材ですわ。」


 「ラッコは?」


 「かわいいとは思いますが、私、獣姦の趣味はございませんの。」


 「ジュゴンは?」

 

 「ギリいけるかどうかですわね。」


 「マナティは?」


 「無理です。」




 やっぱり変な娘だねぇ。魔女は思った。




 「あんな?

 王子は哺乳類。対して姫は魚類寄りだと思うのよ、知らんけど。

 ......なんで欲情すんの?」


 「? もちろん見目がよろしいからですわ。」


 「いやいや。だからね、

 『オラこのイワシと結婚すっぞ!』

 っていう人間は居ないでしょ? って話。

 ......おっかしいなあ。こういうの、遺伝子的にブレーキかかるはずなんだけどなあ。」


 「? イワシは食材ですわ。」


 「そう! そうじゃないけどそう!

 あんた、より近縁種である魚に対しては正常。なのにホモ・サピエンスにだけ異常、異常性癖。


 ...して、親御さんや。あんたら、妾に何をして欲しいんだい?」


 「娘の頭をまともに戻していただきたく...、」


 「ああ! そういうことなら了解だ。」




 そして魔女は、魔法で人魚姫の頭をチョチョイのチョイ。

 (戻す『元』なんて知らんよ。好きに弄らせてもらうよ。)


 人魚姫は見た目正気を取り戻したとさ。




おしまい




 「なんか今、すごく厄介な案件から解放されたような気がする!!」


 「なに言ってるんですか、王子?」

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