旅立ち
ひだまり童話館第41回企画「またねの話」参加作品です。
ここは、とある場所の森の中。そこに住む動物たちは、皆仲良し。
でもその中でも若いリスの男の子アルくんは、好奇心の塊でした。
「どうして小川が流れているの?」
「どうして木の実があるの?」
「どうしてたくさんの動物がいるの?」
「どうして皆森に住んでいるの?」
とにかく質問が多く、森の皆に聞いてまわりました。皆質問に丁寧に答えていましたが、ある質問には答えることが出来ませんでした。
「森の外はどうなっているの?」
森の動物たちは、森で生まれ、森で育ち、森で暮らしています。それが当たり前でした。でもアルくんの質問で、「外」の世界があり、森の皆以外の動物たちがどんな生活をしているのか考えるようになりました。
そんなことを考えているうちに、好奇心旺盛のアルくんは、どうしても「外」へ行ってみたくなりました。
森の皆は、「外」がどんな場所なのか知らないので、止めることも出来ません。
とうとうアルくんは、森の外へと行くことに決めました。森の皆は心配しましたが、アルくんの思いを尊重しました。
「気をつけて行くんだよ」とは、熊のカナ。
「何か危ないものがあったらすぐに逃げるんだぞ」とは、キツネのボブ。
「楽しんできてね」とは、ウサギのミナ。
皆、アルくんのことが心配てすが、全員で見送ることにしました。
「また、ここに帰ってくるよ!」
「そうね、行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
アルくんは春の暖かい日差しの中、森の外へ旅立っていきました。きっとたくさんのお土産話を持ち帰ることでしょう。




