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41話 実力試験8 試験終了

フィーべにある第四試験会場。

実力試験終了まで残り二分と少し。

秋司とリスタは赤色ロボットと視線を交わしていた。


「うおおおおお」

「おおおおおお」


秋司は業血司とスタミナが、リスタはスタミナが限界を迎えていた。

二人は気合いと根性で赤色ロボットに立ち向かっていく。


もう業血司はない。

だから近接戦で戦うしかない。


秋司とリスタは赤色ロボットに打撃を次々と繰り出す。

しかし、その打撃は全て避けられるかガードされる。

隙をついて赤色ロボットは秋司の左頬を左裏拳で、リスタの腹部を右拳で殴り飛ばす。


「がはっ」

「ぐはっ」


はあはあ。

威力が強い・・・。

ん・・・?


倒れる秋司とリスタの後方から水放が飛んできて、赤色ロボットに命中する。

しかし、ダメージにはなっていない。


「と、トレッチくん」

「やっと会えたな秋司ー。探したぜ」


秋司とリスタの少し後方にトレッチの姿があった。

さらに、秋司の右斜め後方から赤色ロボットに向かって炎球が飛んでくる。

赤色ロボットは軽くジャンプしてそれを避ける。


「町野さん」


そこには茉白の姿があった。


「二人とも立てるか?」

「うん」

「ああ」


トレッチの声に答える秋司とリスタ。

秋司とリスタは太ももを手で押さえながら立ち上がる。


「四人でなら出口まで行けるかもしれない」

「でも、僕、もう業血司がないんだ・・・」


トレッチは赤色ロボットを注視しながら話す。

そんなトレッチに自身の状況を話す秋司。


「業血司がなくても、石ならたくさんある」


リスタは申し訳なさそうにしている秋司に拾った石を何個か手渡す。


なるほど・・・。

リスタくんが青色ロボット四体にやっていたようにやるってことだね。


「試験終了まで残り一分です」


そんな声がスピーカーから聞こえてくる。


ここから出口まではそう遠くはない。

この赤色ロボットを四人で翻弄しながら進んでも、間に合う。


「よし、全員準備はいいなー。いくぞーー」


トレッチの掛け声で、四人は出口に向かって一斉に走り出す。

その姿を見て猛スピードで追いかける赤色ロボット。


「血転術木転、樹封拘根」


トレッチは地面から三本の根を出現させ、赤色ロボットを拘束する。

しかし、赤色ロボットはすぐにその拘束を解きトレッチに狙いを定める。


「血転術氷転、氷乱」


茉白は氷の塊を四つ赤色ロボットに飛ばす。

一発は足、一発は腹部、一発は首、一発は右肩を狙って飛ばした。

赤色ロボットは気にせずそのまま突っ走り、氷の塊を全て砕いたが衝撃で少し減速した。

しかし、すぐに茉白に向かって加速する。

そんな赤色ロボットに石を投げて注意を自身に向けさせる秋司。

赤色ロボットは走りながら狙いを秋司に変えるが、そんな赤色ロボットに石を投げて、さらに狙いを変更させるリスタ。

赤色ロボットはリスタに向かう。

その後も四人は協力して赤色ロボットを翻弄しながら出口に向かう。

出口までもうすぐ。


「残り、十秒です。十・・・」


試験官のカウントダウンが試験会場内に響く。


「血転術炎転、炎・・・きゃあっ」

「あっ・・・。町野さーん」


赤色ロボットに視線を向けながら、炎球を放とうとした茉白だったが、瓦礫に足を引っ掛け、その場に倒れる。

赤色ロボットは倒れた茉白に狙いを定め、一気に距離を詰め、右拳を振るう。

そんな茉白の前に、大の字で立つ秋司。


「させるかー。血転術木転、樹封拘根」


トレッチはブレーキをかけ、地面に足を滑らせながら赤色ロボットに身体を向け、三本の根で赤色ロボットを拘束する。

赤色ロボットはすぐにその拘束を外し、秋司に右拳で殴りかかる。


「血転術土転、土固」


茉白は赤色ロボットの足を土で固め、赤色ロボットの動きを止める。

しかし、赤色ロボットはその拘束からも一瞬で外れる。


「秋司ーー」

「うんっ」


リスタは秋司を呼ぶと同時に、思いっきりジャンプして右足で飛び蹴りを放とうとする。

秋司は右拳を思いっきり振るう。


「シスナ流体術奥義、シンベアキーック」

「浮符鄔流体術奥義、ドルキルパーンチ」


リスタの繰り出した、ただの飛び蹴りは赤色ロボットの顔に、秋司の繰り出した、ただの右ストレートは赤色ロボットの腹部に当たった。

その衝撃で少しだけ後退する赤色ロボット。


「今だー。出口まで急げーー」


トレッチは大声で呼びかける。

四人は最後の力を振り絞り、猛ダッシュで出口に向かう。

赤色ロボットはそんな四人を再び追いかける


「三、二・・・」

「うおおおおお」


試験官のカウントダウンが響く。

秋司とリスタは声を出しながら最後の力を振り絞り、トレッチと茉白は歯を食いしばりながら最後の力を振り絞る。


「一・・・」


出口まであとほんの少し。

赤色ロボットも四人のすぐ後ろまで接近している。

四人は出口に向かって飛び込んだ。


「ぜろー。試験終了です」


四人は出口に、ぎりぎり届かなかった。


「はあはあ・・・。はっは。はははははっ。疲れたなぁー」


リスタはその場で仰向けになり、爽やかな表情で青空を見上げる。


「はあはあ・・・。へへっ。ほんと、疲れた・・・。でも、出し切ったってことだよねっ」


秋司も仰向けになり、爽やかな表情で青空を見上げる。

二人とも表情は明るいが、殴られた跡など傷が目立つ。


「はあはあ・・・。おうっ。ゴールはできなかったけど、全く悔いはない。思いっきりやり切れて、清々しいよ」


トレッチも二人と同じような体勢と表情で声を発する。


「はあはあ・・・。ごめんなさい。私が転んじゃったから・・・」


茉白は体育座りのような体勢で申し訳なさそうに、三人に謝罪する。


「何言ってるの。町野さんのせいじゃないよ。町野さんがいなかったら僕はここまで走れていないし」


秋司は上半身を起こし、茉白に優しく声をかける。


「そうそう。そもそも俺は出口に向かうことを諦めていたし、秋司はあのロボットをぶん殴るって出口に向かう気なかったし」

「うんうん・・・。えぇっ、そうだったっけー? 僕そんなこと言ってたぁ?」


リスタは目を瞑り、仰向けのまま声を発した。

その声を聞いた秋司は、最初は目を閉じ、首を縦に大きく二回振っていたが、途中で目を大きく開けてリスタに視線を向け、大きな声を発する。


「そもそも、どっかの誰かが変なロボットを何体も連れてくるわー、またどっかの誰かは一緒に逃走するわーで大変だったよねー? 町野さんっ」

「い・・・」


トレッチは仰向けのまま、リスタと秋司に視線を向ける。

その視線と言葉を受けて、秋司とリスタの背筋が少し震えた。

そんな三人のやり取りを見て茉白は明るく微笑んだ。


こうして灯詠学園実力試験及び入学試験は終わりを迎えた。


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