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38話 実力試験5 五体のロボットから逃げろ

フィーべにある第四試験会場。


「ところでリスタくん、なんで一人なの?」

「始まってすぐにはぐれた」

「・・・、また迷子?」

「・・・、迷子・・・。おい、またってなんだー?」


五体の青色ロボットから逃げながら話す秋司とリスタ。

試験会場内を無駄に駆け巡っている。


そんな秋司を逃したケンバスたち四チーム(秋司を狙っていたのはケンバスのみ)と秋司とはぐれた十チームの四人。


「あの微風ゴーヤ野郎ー。ふざけてんのかぁー? ああ?」

「いーや、ふざけていないと思うけど。それよりケンバス、俺たちは箱を持っているんだし、出口を探そーぜ」


この場から離れた秋司に怒号を飛ばすケンバス。

そんなケンバスに声をかけるバンズ。


「ああ? てめぇーがふざけてんのか? てめぇら四人はさっさと出口に向かえばいいじゃねーか。俺はあの微風ゴーヤチャンポンを探し出してぶっ潰す」

「箱をケンバスが持っているんじゃん」

「あっ? これか? ほらよっ」


ケンバスはバンズに箱を投げて渡した。

バンズは箱を受け取ると、チームメイトの他の三人に箱を手渡した。


「ケンバス。いい? 残り十分までだ。それまでは俺も探すのを手伝う」

「ああ? 何仕切ってんだてめぇは」

「ケンバス、ここに何しに来たんだ? あいつを倒しに来たのか? 違うだろ。合格しに来たんだろ?」

「・・・。ちっ、白けた・・・。だが、残り十分までは探すがなー」


バンズの言葉を聞いて一瞬気分が落ち着いたケンバスだったが、すぐにまたテンションが上がり始め、秋司を探しに走り出した。


「三人は出口から出ろ」


バンズはチームメイトにそう言うと、ケンバスを追って走り出した。



「まったく、あいつ(秋司)と同じチームで最悪だよ」


ボカへは感じの悪い態度で言葉を発する。


「なんで?」

「だってそうだろ? あいつがいるから変な奴に襲われたし、勝手にいなくなるし、最悪だよ」

「ふっ」


トレッチの問いに、さらに感じを悪くして声を発するボカへ。

そんなボカへを鼻で笑うトレッチ。


「なんだよ? 何がおかしいんだよ?」

「さっきは箱を持っているチームを見つけて喜んでいたのに、箱を取れなかったら今度は変な奴に襲われたって言うんだ? それも、秋司ーのせいにして」

「な・・・、なんだと・・・」

「さっきからお前、上から命令口調で指示しているだけで、何もしてないよ? 四チームと戦った時もお前は隠れていただけじゃん」

「ぐぬ・・・」


トレッチの言葉を聞いて、言葉を詰まらせるボカへ。


「それに、そんなに嫌なら最初から別々に行動すればよかったじゃん。チームで行動しなくちゃいけないなんてルールないし、そもそもこれ、チーム戦でもないから。ってことで、俺は秋司ーを探しに行くから、バイバーイ」

「おい、待てよ。それが分かっているならわざわざあいつを探す必要はないだろ?」

「必要ならあるかな。秋司ーはチームメイトだから」


トレッチはそう言い、その場を離れようとする。


「待って。わ、私も一緒に行きます」

「な、何言ってんの? 君みたいなよわ・・・」

「よしっ、一緒に行こう」


茉白の言葉を聞いて、ボカへは口を挟むが、ボカへの言葉の途中で遮るように声を発するトレッチ。

トレッチと茉白は秋司を探すため、動き始めた。


(なんなんだよあいつら。それに、チーム戦じゃないとか言っておきながらチームメイトって意味わからないし)


ボカへは苛立ちながらツーサと共に歩き始めた。




一方、秋司とリスタは相変わらず青色ロボットに追われていた。


くっ・・・。

逃げているだけじゃ、きりがない。

でも、相手は五体。

こっちは二人。

それに、二体は二って書かれている。

他三体は一番最初に僕とトレッチくんが戦った青色ロボットと同じ一って書かれている。

二は何が違うんだろう?


「ちっ、これじゃあ箱を探すどころじゃねーな。もう疲れたし、やっちまうか。血転術炎転、炎球」

「うん、そうだね。一緒に倒そう」


リスタは走っている足を止め後ろを向き、一体の青色ロボットに炎球を放つが。


「あ・・・」


炎球は青色ロボットに当たることなく、空中に飛んでいった。


り、リスタくん・・・?

思いっきり外しているけどーー。

って、まずいまずい。

足を止めちゃったし、軽く囲まれちゃったよー。


秋司とリスタを半円の形で囲う青色ロボット五体。


今、すぐに後ろを向いて逃げ出せば逃げられるかな?

三百六十度囲まれているわけではないし。

いいや、逃げていても埒が明かない。


「そうだ、他の奴にコイツらなすりつけようぜ」

「・・・。それは多分無理だよ・・・」


ずっと逃げてきて、途中何人かの受験生に遭遇したけど、ずっと僕たちを追ってきているし。


リスタの提案を聞いた秋司だったが、今までの状況を分析し、冷静に判断した。


「じゃっ、コイツらを足止めして、一気に逃げるしかねーな」

「うん。賛成。でも、相手は五体いるよ」

「秋司、確か結界術使えんだよな?」

「うん。少しだけど」

「よーし、じゃっ俺があいつら引き付けるから、あいつらが何体かまとまった時に、一気に結界術で閉じ込めてくれ。あー、長くは持たねーから、頼んだぞっ」

「えっ。ちょっとリスタくん・・・」


リスタは小石を何個か拾い、左手で握ると、青色ロボットの視線が集まるよう不規則に走り出した。

その様子を見た青色ロボット四体はリスタを狙って動き出す。


リスタくん、無茶だよ・・・。

四体を引き付けるなんて・・・。

・・・。

凄い。

四体を引き付けながら、逃げている。

それも、僕から離れすぎないよう、距離を保ちながら・・・。

そして、所々で小石を当てて、注意を自分に向けさせている。

はっ、この隙にもう一体をすぐ撃退しよう。


秋司はもう一体の、二と書かれた青色ロボットに視線を向け、血転図式を描く。


「血転術風転、風出」


秋司はその青色ロボットに風出を放つが。


何?

結界を張った?

このロボットたち、結界術も使えるの?


その青色ロボットは壁のような結界を張り、秋司の放った風出を防ぐ。


くっ。

結界術を使えるんじゃあ、すぐには倒せないか・・・。

それなら、まずはあの四体を結界に閉じ込めるのが先だな。


秋司はリスタと四体の青色ロボットに視線を向け、リスタを閉じ込めないよう狙いを定めるが、そんな秋司の左側から、もう一体の青色ロボットが接近し、近接戦を仕掛けてくる。

秋司はそれに反応して打撃を避けるが、青色ロボットは立て続けに打撃を繰り出す。


う・・・。

これじゃあ、狙いを定められない。


苦い表情を浮かべる秋司。

しかし、秋司に攻撃を仕掛けている青色ロボットの頭部に小石が飛んできて、命中する。

それを受けて、動きが止まる青色ロボット。


リスタくん・・・。

今だっ。


「血転術雷転、雷拳」


秋司は右拳に雷を纏い、青色ロボットの顔目掛けて右ストレートを思いっきり放つ。

雷拳を食らった青色ロボットは後方へ吹き飛び、瓦礫に突っ込んだ。

秋司は右ストレートの勢いのまま、くるっと左回転し、リスタと四体の青色ロボットに視線を向け、血転図式を描き始める。


六角形、五角形、四角、丸、丸。

よしっ。


「リスタくん、離れてー」


秋司は大声でリスタに呼びかける。


「分かったー。跳ぶぞー」


リスタは秋司の呼びかけに答えると、上空に向かって思いっきりジャンプした。


今だ。


「結界術発動ー」


秋司は立方体の結界を張る。

青色ロボットはリスタを追ってジャンプするが、リスタと青色ロボットの間に結界が張られ、青色ロボットは結界に衝突して地面に落下し、そのまま閉じ込められた。


「ナイス秋司ー。よし、ずらかるぞ」

「うん。よし、一気に逃げろー」


リスタと秋司は顔を見合わせ、すぐにその場から離れた。

試験終了まで残り二十分。


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