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12話 血転術について その1

太陽が高く上がり、べいこま村と付近の山を照らしている。

べいこま村襲撃事件から一夜が明け、被害を受けた南部方面では、村人たちが復興作業が行っている。

そこには、べいこま村の村民だけではなく、けんだま村、そしてかごめ村の村民の姿もある。

べいこま村が再び被害を受けたことを知った二つの村は、この日早朝からべいこま村を訪れ、復興作業を手伝っているのだ。

秋司、健治、佑香も午前中までは手伝っていたのだが、午後になり、血転術を学ぶために浮符鄔の元へ向かっていった。

そして、現在秋司たち三人は浮符鄔の丸太小屋にある椅子に座っている。


「今日は血転術の知識を教えるぞ」

「知識ー? そんなのもう知ってるぜ」


浮符鄔の言葉を聞いた健治が勢いよく答えた。


「ほほう。何を知っておるのじゃ? 言ってみよ」

「それはな、業血司を使って炎とか水を出せるってことだよ。他にも・・・、あれだろっ。ほらっ、結界だっけか。そういうのも使えるってことだ」

「・・・。それだけか?」

「え・・・? ほ、他に何かあったっけ・・・」

「はぁーー」

「なんだ、その呆れた感じのため息はーー」


浮符鄔の問いに自信満々に答えた健治だったが、浮符鄔の次の問いに言葉を詰まらせた。


「ええか。まず血転術には大きく分けて十種類の系統があるのじゃ」


浮符鄔は血転術について詳しく話し始めた。

血転術は属性術、変化術、生成術、召喚術、変身術、操術そうじゅつ、幻術、回復術、結界術、身体術しんたいじゅつに大きく分けられる。


「そ、そんなにあるんですか?」

「ふむ。これら全てが血転術なのじゃ」


驚きながら質問する秋司。


「まず、属性術についてじゃが、お主らも知っておるように基本属性八種がこれに当てはまるんじゃが、実は他にもある」

「他って、なんだよ?」

「例えば毒じゃ。昨晩、秋司と佑香が対峙した男が使っておったじゃろ。あの毒も属性術に含まれるんじゃ」


浮符鄔の言葉に疑問をぶつける健治。

秋司は浮符鄔の答えを聞いて、頷いた。


「この毒などは属性術のその他に分類されておる。まあ、種類はあんまり多くないがのう」

「・・・。その他って、テキトーすぎんだろー」

「わしに言うなー。決めた奴に言えー」


大声でツッコミを入れた健治に、同じく大声で対抗した浮符鄔。


ちなみに、属性術の毒など、その他に含まれるものは、基本八種のように業や転をつけて呼ばれてはいない。


「ごほん。まあ、属性術についてはこの辺でええじゃろう。次に変化術じゃ」


浮符鄔は変化術について話し始めた。


変化術は木などの素材を別の素材に変化させる血転術。

木を石に変化させたり、竹に変化させたりと、別の素材に変化させることができる術。


凄い。

血転術って、そんなこともできるんだ。


秋司は目を輝かせながら、驚きの表情を浮かべる。


「すげーー・・・。けど、戦いじゃあ役に立たないんじゃねーか?」

「ふむ。そうじゃな。じゃが、何も戦う者だけが業血司使いではないのじゃ。それに、案外戦いでも役に立つかもしれんぞ」

「そ、そうなのか?」


健治は一瞬目を輝かせたものの、すぐに落ち着き疑問を投げる。

その疑問の答えに少し驚きながら小声を漏らす健治。


「ん? 待てよ。ていうことは、木を高価な鉱石とかに変えれば、大金持ちになれるじゃん」

「ほっほ。それは無理じゃな。変化術で変化させたとしても、それに金銭的な価値はないぞ。売りに出しても天然物でないとすぐバレておしまいじゃ」

「う・・・。べ、別に金が欲しいわけじゃねーし」


健治はそっぽを向きながら静かに声を発した。


「そして、この変化術と関係が深いのが生成術じゃ」


生成術は素材や材料を使って物を作り出す血転術。

例えばこの生成術で剣を作る時、鉄などを使えば普通の剣を、木を使えば木刀を生成することができる。


「す、すごーーい」

「すげーー」


秋司と健治は同時に声を発した。


「ほっほ。そうじゃろー。しかもな、この生成術に長けた業血司使いが作るものには、不思議な力が込められているものもあるんじゃ」

「不思議な力ですか?」

「そうじゃ。分かりやすく言えば、雷を上身かみに纏える刀とかのう」


そ、そんなものまで作れるの? 

生成術か・・・。


秋司の顔がさらに明るくなった。


そっか。

生成術を使うためには素材が必要だから、それで変化術と関係が深いのか。

あれ・・・、でも。


「浮符鄔さん。佑香ちゃんは属性術で木を出せるけど、その木は生成術に使えないんですか?」

「ほう、良い質問じゃな。答えから言うとその木は生成術には使えん。属性術は業血司を使ってゼロから発動する術じゃ。つまり属性術で作り出した木は業血司なのじゃ。属性術で作り出した木に生成術を使おうとすれば、その木は膨張してやがて爆発する。業血司に業血司を加えただけじゃからのう。一方で変化術は、既に存在しているものを他の素材に変化させる術。変化させる過程で当然業血司を使うが、ゼロから業血司のみで作り出すものとはわけが違うんじゃ。変化術で変化させた素材に生成術を使っても、膨張し爆発することはない。普通の素材として使えるんじゃ。まっ、下手くそが生成術を使えば、爆発するかもしれんがな」


そうなんだ。

じゃあ、生成術を使うには変化術も使えた方がいいんだ。


秋司は浮符鄔をじっと見つめながら、興味津々に話を聞いた。


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