【3話 襲撃三夜】
奥には座に佇み君臨する者が居た。
「(とてつも無い威圧感,,,奴が)」
そうである,この組織の大ボスがそこには
居た。
瞬間奴は赤い肉体を見せる,まるで子供が
息を止めて顔を真っ赤にするが如く力を
貯めて圧力を高める。
視界は白目はぼやけて黒目はレンズを
通した様になる,強制的に火事場を
再現して,脳の解放率を高める,そんな技。
[お身通し /EPIC・EYE]
一時的に中心の黒目で見る視力が20に成る。
「(ここからあやつまで丁度100m,
わしがギリギリ見えるくらいか)」
目のレンズを通常に戻す。
「なぁ少年,君が私の基地を破壊しているんかい?」
「お前が悪いんだ」貴様が,貴様がぁ!」
[怨嗟/FEELING・OF・HOPELESSNESS]
般若を顔に宿す,だがしかし気迫は相手も
同じく強い,奴の顔は曇って居るのか?
真っ黒でどんな表情かすらも分からない。
「気迫は互換な様だな坊主」
「闘気は比肩するか」
瞬間二つの力が激突する。
「私はねぇ,肉体の改造と強化には,余念を
惜しまなかった,君は僕と同類の匂いがする」
「お前と同類,,,だと?,,,ふざけたこと抜かしてん
と違うぞ貴様ァァァ!」
闘気は既に殺意に塗りつぶされた,
純度はより高く高く引き上がる,渦を巻く
禍々しい気,逢魔刻,まるで空間が朝から夜
に変わったかの様な空気感となる。
[滅尽鏖殺/TWILIGHT]
冷徹,冷たい殺意は常人どころか格闘技経験者,
ライト級アマチュア選手レベルの精神力の
相手すら心を砕き芯を折る,心肺停止させる。
だがしかし。
「今まで私が相対してきた強者からしたら,
君の殺気はあまりにも可愛すぎる,まるで
赤子だな」
更に闘気を引き上げたボスの薬師天辺は
滅尽鏖殺同等のオーラをぶっ放した。
「チィ」
「ハ!」
両者睨む,稲妻の様なエフェクトや
オーラが見えてしまう程に,夜に見たなら
[影炎/KAGEROU]を魅せてしまう様な
そんな二つの力がばちばちとぶつかる。
「今君とやり合うのは僕じゃ無い」
次の瞬間,殿座の右の門が開いて中からは
物理学的にはありえないほど巨躯な
熊が飛び出してきた。
「グハハハ!」
「なんだこりゃぁ⁉︎」
そいつは一体なんなんだぁ⁉︎,
周辺森林のエテトゥンから発見された熊,獰猛
だが狡猾な肉食獣,シロナガス鯨専用に
改造された本来の捕鯨砲を改造した
特注の捕鯨砲,マッハ10から放たれ
ワイヤーからの減速の無きその速さを,
至近距離の全方位,全角度から放たれた
攻撃を,全て避けやがったんだ,
内蔵の破損なし,人の目が知覚出来ない
ギリギリはマッハにおいて11からなのだ,
皆はその熊を認識するに至らなかった。
チーターは速さに特化して,最速時速130km,
だがしかしそれを出しすぎては脳は溶ける,
その上逃げに特化した草食獣は右往左往して
直接による逃げをして最速を出させない。
だがそれは熊にとって,無意味な事,
マッハ11を超えた速さを扱えてしまうからだ,
身体能力の限界だから扱えない,だが
簡単に扱えるならば精密動作精度は高まる。
その意味わかるな,故にして憶測からマッハ
11以上の速さを確定した。
地の底から響く唸り声は鉄砲エビの出す
衝撃波を超えて250dBへ行く。
重なって居るんだよ共振周波数の様な
値が,まるで声だけでグラスを割る様に,
エテトゥン原産の鋼にダイヤモンドコーティングを施した様な硬さ,モース硬度を持った1000kgを超えた大木を薙ぎ倒しやがるんだ。
「ははは!やれドラ吉!」
「グガアゥ」
頭をパカっと開いてクチュクチュと
埋め込んだ電子機器を使い,脳の電磁波を
強制的にアクセスして遠隔操作出来るのだ。
「グガァァァァァ!」
「重いぃぃぃ!」
咆哮はまるでティラノサウルスを思わせる。
咬合力は20トン以上に至りメガロドンすら
凌駕した。
「うぁ」
「ガゥ」
腕を噛みぶんぶんとぶん回す,一般人であれば
血が頭に上り,脳は振動で信じられない
脳震盪を引き起こし,腕を噛み引き千切る
だろう。
だが。
「スーハースーハー」
「ガル!」
えげつないぶん回しでつま先など音速に
到達する程に早くなるが。
「辞めろ!」
ぶん回される遠心力を使いインパクトに
変換する。
あの零距離打撃や鉄拳ですら,反撃の一撃に
利用したあの技を使った。
肉体を完全に弛緩した状態からの反撃。
[柔剛合気/PARRY]
対象は勢いを奪われた上にその一撃を
鼻に喰らう,だがしかし。
4m50cmに加えて1200kgと言う巨体から
繰り出された一撃を無防備に喰らったのだ,
だがしかし。
「グガウ」
「まぁ大体分かっていたさ」
そう,熊の筋肉はおおよそ一般人の5倍の
筋肉質量を持つ,故にして頸椎にすら
ダメージが入らない。
「ハァァァ」
息を吐き出してから。
「ファァァァ!」
一気に肺いっぱいに吸い込む,
瞬間的に周囲は局所的に真空状態へ至る。
「ふがぁぁぁ!」
一般人なら空気を無くして気絶して呼吸困難を
引き起こして気絶してしまうだろう,神経系に
対する様な攻撃,それは当たり前だが
Gによる過負荷とは違い器官を止める様な
攻撃である。
医学的,生理学的に危険な行動,奴は
今や危険な状態。
「あ,,,」
バタン!地に落ちて鳴り響く。
「ハァァァ,,,ハァ!」
「チッ使えない畜生め」
ボスは立ち上がり気絶する熊の特段と強く
分厚い部分,デコに一撃を放つ。
「ハァァァ!」
蹴り上げた熊は顔はペシャンコ,一撃による
即死であろう,酷い顔だけが残った死体と化した。
「この程度倒したくらいで調子に乗るなよ
ガキ」
「ガキィ?は!お前今キレてんのか?
ボスともあろうに情けないのぉ」
滅茶苦茶に精神を煽る一言を放った。
「ガキィ!親を惨めに殺されて起きながら
よく言うなぁ」
トラウマを刺激された,だがしかし。
「今からお前を殺してそれを払拭すんだよ,
分からないか?馬鹿だから」
「馬鹿では無い!」
「あぁすまない,大馬鹿だったな」
ぶちんと奴の精神を切れさせた。
あまりにも口論が強すぎる,感情抑制,煽り耐性,
煽りの全てが極上のものであった。
「掛かってこいよ,前から猪突猛進し突進
位しか出来ないかなぁ?牛さん」
「殺す」
奴はガチの殺気を放った,だが。
「あぁ⁉︎どこ行きやがった!」
目の前から阿久津武尊は消えていた。
「くんくん(匂いは,ム⁉︎血に紛れて見えない,
温度センサー,赤も青も見えない,空間把握,
クソッタレ周囲一帯に風の動きが無い,気,
無感情的過ぎてまるで気絶したり睡眠してる
無意識だ,あぁクソ隠蔽と妨害工作総括して
認識阻害が上手過ぎる,忍者かよ!)」
最終手段として奴は組織内全体,
を毎秒5万hz,20マイクロ秒による
探知器を使う,だが。
「は⁉︎居ない⁉︎」
居なかった。
「だが次の瞬間」
「今晩わ夜這いに来ました」
ぐしゃり,首を720度捻り上げる。
「,,,」
「一旦アジトを出たのは事実だけど,1つ
技術も使っていた」
認識誘導これはマジックにも定番に
使われて居るものだが他にも使っていた,
輪郭が歪み,小刻みに揺れてカメラが顔を
上手く認識出来ない妨害を持つ。
足音がしない殺気すらない無意識の
抜足差足,特殊歩法[影風/SHADOW・PHANTOM]何故揺れ動くのか,簡単だな,
名前がそれを体現して居る。
影の中に潜み影に蠢く者を狩る様に,
真っ暗に完全に光の消えた領域でも
盲目の剣士がその卓越した空間把握能力と
舌打ちで周辺を立体に把握できる様に。
身体から音のない動き,風を使い空間を
把握するからだ,それ以上に音や身すら
無意識に意識の外に行く歩法が注目の
ポイントである。
そんな影風を使われた背後を許してしまった,
本来なら不意打ちを許さぬほどに優れた神経
すら反応不可能な一撃を決め込んで見せた,完璧に決まった,だが。
「痛ってぇな!」
「は⁉︎グフォ」
肘が溝落ちに直撃した。
バゴーン!壁を何枚も崩壊させながら吹き飛ぶ。
「ハァァァふん」
ゴキリリリと首を戻す。
「不死身かテメェ」
「パイプに改造していまして,今弱点は
無い」
弱点を探してみる,心臓部か?否,物理エンジンが搭載されて疑似的な循環構造はほぼ永久機関
として,完成されておりエントロピー的に思考
しても余分に発散する無駄なエネルギーは
カットではなく再利用され99,999,,,
限りなく100%を利用し続けられる。
それは食べ物を食いエネルギーに分解したり
エネルギーを供給したりとなんでもありでその,
エネルギー供給やポンプ稼働は心臓部を
補強する。
ならば金的か?否,精巣は冷却機能付きの体内に
常に内蔵されて居るからだ。
脳みそか?否,その脳みそは電磁波的集合から
動作する量子情報体が機械に宿る形で形成
する故に再生不可能な脳細胞,右脳左脳では
なく高性能人工知能から管理されて居る。
再生が出来ないことか?断じて否,錆すら
出来ない,耐水性から風呂に幾らでも入れる上に
塩を含む海にも錆なく入れる,なんなら深海
どころか10^39Paの圧力にすら耐える。
超拡張光パネルと耐火性からプランク温度の10^39Paの熱エネルギーすら供給源に過ぎず,高い電気抵抗は(30,000,000 ボルト/mつまり30 MV/m),プランク電力として,(3.6 × 10⁵² W),そして10²⁶A,(1000億テスラ/つまりは10¹¹ T),プランクエネルギーとして1個の粒子が持つ (1.956 × 10⁹ J,つまり19億J)を逆に吸収して
熱エネルギー同様にエネルギー源に出来る。
衝撃に弱いか?否,地殻変動をして居る
プレートに挟まれてもマグニチュード9.5強
すら揺れる程度の耐震性,10,000 km/sの
風速を扇風機感覚に耐える耐風性。
寒さに弱いか?否,熱力学第三法則に反して
無限回工程を終了した完全な絶対零度に
到達したとしても鉄は固まり折れず,
原子の動きを辞めず動き続ける。
「は!なら更に出力を上げてやりゃいい」
「やってみろ小僧」
内部は鉄屑と配線な形成され革はゴツゴツの岩石の様。
そんな拳から放たれる豪撃は時代すら
消し飛ばす隕石の様な一撃,地殻変動すら
引き起こしかねん一撃から発生する破壊力をTNT変換したならば,10兆トン相当に値する。
[隕石衝突/METEOR・SHOWER]
「チィ!」
阿久津武尊は対応する為に完璧に見切為に
様々な技術を組み上げた。
人には成せないことがある,0秒反応とも呼ばれるそれは,ピストルの発砲音から0.1秒以内に
反応することである,脳の限界を引き上げる
火事場と言う技術を模倣して情報処理速度を
引き上げる今に完成した技なのだ。
無限に考えられる程に脳内が時を引き延ばす,
そこからはまるで静止した世界の様だった,
時が止まって認識できる程の動体視力や
反射神経を発揮可能に成り,0.000,,,1秒と
限り無く0秒に近い時間が刻まれる,その技の
名を[零刻/STOPPER]と名づける。
「あまりに遅い,肉体の動きも相手の動きも,
デリャリャリャリャ」
衝撃波を抑える為にその拳の直線に進む
推進力に横から衝撃を加える,乱打は一定に
当たる部分がなく確率的に配分されて弱点と
なるツボに当たる,無意識的配列パターンすら
なく完全なランダム。
[刺突連撃/PROBABILITY]
零刻を解除しないままに対象の拳に100,200の
拳を全方位から叩き込む。
「解除」
スンバキボーン!
空を軽く撫でる位の衝撃音にも関わらず,
腕はぺっしゃんこにひしゃげていた。
「貴様ァ何をしたァァ!」
1本の腕を犠牲にした一撃すら軽くいなされた
薬師はブチギレの中に畏怖を孕んでいた。
「極個我窮,鍛錬を極端に効率化させる俺特有の
技術と対象と成る動きを完璧に模倣する
モドキの力を使った力を使いお前しか使えない
様な強引な身体的特徴を奪ってやったんだよ」
今やこの2つの力は合わさる,模倣の極限の
モドキと極個我窮は新たに模倣の境地として,
1つの力を形成するに至る。
「喰らえ」
模倣の境地の力,[天辺真似師/METAPHOR],
それに加えて[零刻/STOPPER]を同時に
発動する。
「悪い部分を排除可能なのだよ組み合わせでな」
[柔剛合気/PARRY]の肉体の筋繊維を
微細単位に操作して,インパクトを零にする
のと同じ腕を急弛緩して反動を完全に
無にしながらあの破壊力を再現する。
「オラァ!」
バゴーン!えげつない衝撃波が鳴る。
「ヒューやるなぁあの硬さ,手から煙が
出るなんて,痛みや損傷はない,熱波なんだ,
圧縮されたJが爆発して破壊力を増したのか」
新たに得たスキル。
[恐竜象形拳/DIMASAUR・PUNCH]
は一撃にてあの薬師を屠りさっていた。
「ついにやったよお父さん」
天に拳を向けて,涙を流していた。
その後の話しである。
単独によるあのアーク・メディシンと言う
麻薬売買にも関わりの深い組織の崩落を
完遂した阿久津武尊には異名/通り名が出来た,
それは戦慄の阿久津である。