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戦譚/IKUSA・TAN  作者: 英雄漢/HIDEO
[第零章/PROLOGUE]復讐編〜弔い合戦の暗夜〜 
2/10

【2話 襲撃二夜】

一夜明けての事,朝起きた時には

年齢による成長期から来るものも

有るのだろうが,筋肉は超再生していた。


タンパク質,分解してアミノ酸,否やエネルギーを消費し尽くした肉は肉を食い骨はより硬く

圧縮し続けて洗練されて居たのだった。


戻った先には倒した鰒谷白竜がそこには

居なかった。


「まぁそれだけで倒せるなんて思っちゃ

居なかったよ」


こうも言いながら阿久津はアジトに

入って行った。


「内部に潜伏してみて分かったが,あまりにも

広いな,だがしかしあいつら,,,エレベーター付けてやがる,馬鹿かよ」


そうしてエレベーターから下の階層に降った。


「(プッ罠なら罠で全て避けて行ってやらぁ)」


チーン,扉が開いた次の瞬間。


ピシュンピシュンピシュン!

無数の吹き矢が飛ぶ。


「罠かぁ!」


本来なら当たるであろう,その前方から

直撃を免れない無数の矢を。


「ハ!」


腹から出した女子供で有るならそれだけで

震え上がり失神するかの様な声を上げる。


その最大風速は343 m/s,最大風圧72 kPa,

最大風量34,300 m³/sに到達するあり得ない

ほどの肺から吹き飛ばされた息だけで矢は

まるで怖気付くが如く横に逸れた。


「くしゃみをする際その速さは新幹線に

至る,私が行った口風の動嵐はそれを原理と

しているのだよ」


そうして1階に戻る。


「奥の壁は矢吹台しか無かったからな,

彼処は組織だけか知るんだろう」


たったったったと奥から大群が押し寄せる。


「さっきの声まるで化け物の様だったが,

まさか貴様はあの白竜殿を穿いた者か」


「怯むな!我々は一国家に通ずる銃火器を

有しているのだ!」


一つ一つが高品質,マッハ4に辿り着き,

一撃でも喰らえば鋼だって減り込む程の

それを。


バンバンバンバン!統率が取れた銃撃戦の

スペシャリスト達が単弾,散弾,小口径,

中口径,大口径,数多有る全ての武器から

選抜された一番強い武器達による雨霰を

避けきっているのだ。


「嘘だろこの狭い通路で,大豪雨の日に

自由自在に降る雨を傘もささずに

一滴の雨漏りすら当たらず家から出かけて

帰るくらい無茶な話だぞ」


「そうかい,つまり君らはその程度と言う

事かい」


当たりは静寂に包まれて居た。


無駄を極限まで減らした体捌きはもはや

触れてると錯覚するほどに,影を踏み残像に

触れたものなのに,肉には一才捉えられは

しなかった。


その名を[静凪/QUIET・MOVEMENT],

流れる川を殴る様に,風の流れを切る様に,

その起動を変えることが出来ないのだ。


「ヒィ!」


恐怖していた,皆が無機物並みに鍛錬して

その精神性には一つとしてない。


人間は火を恐れてそれを鍛えるために

軍隊は耐火性の防護服を着ながら突っ込み

人間の反射神経を無痛覚化するが。


生まれながらにしてそれが出来る狂気的な

精神性を持っている,そんな強い精神力を,

歩むと言うただそれだけの動作で壊したのだ。


「邪魔だよ」


その重すぎる,まるで無限の重力を

掛けられたが如く,恐怖を纏った言霊は,そこに

居た58名の狂人達を黙らせて,まるで

真冬に布団から出たくない様な,そんな

状態にしてしまったのだ。


「道を開けろ!」


それは近所にボールを入れて

叱られている様なものか?否,断じて否,

地震,雷,火事,親父と並べられる様にまるで

鬼の様な形相の真っ赤な父に烈火が如く

叱られたが如く。


全身は完全に死後が如く硬直していた,

冷や汗すら出てはくれない,鳥肌すら

逆立つ事はなかった。


「仕方がない,可哀想な子らよ,我にその

弱々しい鉛玉を打ち込むがいい」


「え?」


「早よ!」


「はいぃ!」


バンバン!幾つもの銃弾が体を弾くが,

肉を削ぐに至らぬどころか,血すらも

出せはしなかった。


それは何故だ?人が成せる技か?それは一体?,,,

完全に身体の筋肉を繊維単位に完全の脱力を

示す,それはまるで蒟蒻を思わせる,まるで

ダイラタンシー現象を肉体が示し合わせるが

如く。


あの巨躯の雄が,物質の一番小さな粒子,

数学的概念に置き換えて言うならば,

無限小数点,最小単位を微細としようか。


微細繊維単位に穴を持たず,肉は弱点と成る

穴を持たない密度を持つ,あの鰒谷白竜と言う

雄の筋肉とは相反する豪を穿つ柔軟は

硬さとして刃物,金槌,銃弾を無傷に壊すかの

様に,血の滲む迄の鍛錬が生んだゴムの様な

肉体の柔軟性は既にあれらこれらの武器類を

超えてた密度を持っていた。


「さぁやろうや,もっと打ってこいよ,

子供達,私に痛みを与えてみてよ!」


大の大人達が自身より一回り二回りと低い

年齢の子供に餓鬼扱いされる,それは問題じゃあ

ない,あまりの恐怖だ,人知が通用してくれない

と言うその強さにこそ問題がある。


怖かった,あまりの怖すぎに肉体は失禁や

硬直を超えて,死の幻影を表現して

しまったんだ。


幻術や催眠それら精神的科学や心理学的操作は,

生理学的構造にすら影響をもたらした,

嘘と事実の境界線すら曖昧に成る闘争心,

本能に無意識的に刻む死そのもの。


真っ黒な死後の幻視,音の消えた無音の幻聴,

ドス黒い血と骸と屍に満ちた幻嗅,自身の

内蔵が破裂して開いた風穴から口にまで

流れ出る血の幻味,冷たくて冷たくて

それだけで痛い幻触。


脳の思考回路は考えることを停止して,

言動,存在意義,行動原理,無意識的動作,

肉体の自然現象,血の流れと循環,五感と

五体,関節に至るまで。


全ての肉体的生理学的解剖学的な形を,

全細胞の微細粒子,細胞膜や核や細胞質,

ヌクレオチド,塩基,塩基対,遺伝情報,

DNAとRNAと言う分子単位。


それ以外の原子,粒子構造に至るまで,

一片たりとも残さずに平伏しながら,

その死を受け入れていた。


「こら!」


だがその安楽死すら父親が如し怒号が

消し飛ばした。


「貴様らが死ぬのは俺の闘争心と言う,

残留思念にさえ至らず劣る,意識と意志の

カケラではない,我拳で地に伏してやる」


次の瞬間慈悲は降った。


「ハァァァ!」


一撃で12人,前方に至る武装した者達は

防弾性ジョッキとTNT変換にして1500トンを

超える対核弾頭専用の軍専用合金製楯を

心臓ごと,まるで豆腐の様にぶち抜き貫通して。


衝撃から吹き飛んだものは壁にクレーターを

開け貫通しながら骨内蔵が粉々になりながら

死んだ。


「ヒィィィ」


そんな怪物を前にして,残り46人は

同じことを考えていた。


「(俺,今から死ぬんだ)」


っと。


「今私は1つとして技術は使っては居ないぞ?」


実際にそうなのだ,鞭の先端が音速に到達し

て破壊力を増す様に。


しなやかに流れる様に鍛えて,修行を積み,鍛錬した筋肉から放たれた鞭の様にぶん回された

なんの技術すらない音速に到達するパンチ

だけで,人を貫いて居るのだ。


「可哀想だな,屠るなら1つ褒美に

技で屠ってやる」


そう言うや否や,ストンプする,180cmが

小粒に見えるほど,壁を崩壊して床にひび割れと

クレーターを作るほどの衝撃波で皆が浮く。


「シュ」


瞬間にして蹴った,その蹴りは残りの約50名の身体を上半身と下半身に綺麗に分断する。


まさに刃物,いや刃物以上,鋭利性からモース

硬度に至るまで黒曜石や日本刀すら超えた

切れ味の刺身包丁を持った寿司職人が魚を

切るかの様に。


サッカー選手すら不可能な球を真っ二つに

するかの様に。


[薙脚/SHARPNESS]

音の壁を破る斬撃が空間を切り裂いたのだ。


「弱き子鹿達よ,俺に挑んだのが間違いだったの

だよ」


そう言いその通路を先に進む。


奥に開けた場所に出る。


「アンタ,,,昔壊滅させた阿久津組のガキに

似てるねぇ,その全てを恨む目付き,

堪らなくゾクゾクしたわぁ〜」


ニチャアーとあまりに狂気的に笑う奴を

見て思わず怒りが込み上げる。


「ヴェノムゥゥゥ貴様ァ!」


その闘気だけで地下に増築された建物全土が

揺れていた。


「なんだい⁉︎自身かい⁉︎ってかアッツゥ!」


まるで真夏が如く,蒸し暑いではない,

レンジに焼かれた様でもない,運動エネルギー

から発する熱気に過ぎないのだ。


「基礎代謝量どうなってやがんだてめぇ!」


冬,車の中に筋トレ後のマッチョが居たら

窓が曇る様に,今怒りから発した身体の

震えと熱気は熱波振動として全方位に

へと伝わる。


もし仮に震度に換算したならば,

マグニチュード10にすらなり熱波は,仕事率は3000万kwにすら及ぶ憤怒の熱エネルギーは

人を恐怖に至らせるに十分であった。


「おい!ポイズン!トキシン!あとウイルスども!

集まれ!」


悲鳴の様な甲高い怒鳴り声で味方を呼ぶ。


「グゥゥゥゥゥ」


歯わギチギチと木を揺らすが如し締める音

が鳴り,空間に鋼が軋むような音がする。


「うぉォォォォ突っ込めぇ!」


毒には様々な種類がある,軍隊にも同様に

違う役割の部隊がある様に。


化学的毒性,生物学的毒性,物理的毒性,放射線毒性の4種類更に毒性の種類は,急性毒性,慢性毒性,遺伝毒性,発がん性,生殖発生毒性などが

ある,核放射などすら改造を行われて,局所的に

影響を抑えた小型兵器が搭載されていた。


あらゆる毒性を持つ軍団が立ち向かう。


「喰らえやぁ!」

「オラァ!」

「キヒャヒャヒャヒャ」


シロナガスクジラですら一滴皮膚に触れた

だけでも気絶睡眠麻痺する様な毒液,

混乱メロメロなど状態異常となる

媚薬,すぐ死ぬ速効性,後から効果の出る

遅効性,あらゆる種類の肉体に対する

ハンデが肉を蝕む。


「効くかあほんだら」


次の瞬間そのあらゆる毒性の効果は

発動しなかった。


量ではない,質でもない,奴の脈動する肉にも

臓物そして細菌類に至るまでの全ての

武尊の細胞が毒を喰らって居た,菌は

白血球どころか酸素を運ぶ血にすら殺されて

単なる栄養価に過ぎない,戦いの記録が

育む肉体の抵抗力は既にそれらに打ち勝って

居た。


「がっはっはっはっは!」


さぁこいよゴミども,今貴様らが目の前に

しているのは貴様らが情を温情をかけた

悪のルールを凌駕した正真正銘の怪物だぞ,

そう言わんばかりにバカにする様に

笑う。


「ははは,ならば喰らうがいい!私が世界中を回ってありとあらゆる武術に精通しているのよ,身につけた技術の結晶を思い知りなさい」


切れ長の眼は赤く禍々しく光る。


「キタァ!(ヴェノム様は世界中のありとあらゆる戦闘術を習得して収めているのよ! ありとあらゆるものが(全てが)至高の域に達して居るの!)」

「やっちゃってください!」

「姉っさん!いっちゃって!」


ウイルス共は騒ぐ。


だがしかし思い知らされる。


締め上げるのも,殴るのも,切るのも,投げるのも,

それら全ての系統・系列にある打,絞,投,関節の

基本の動作はあらゆる格闘技を,戦術を,

武道を,動作を,体術を扱う総合格闘技に

置ける世界全ての武,戦,闘のあらゆる技術に

至るまでが,軍隊式暗殺術の持つ流派・型の

成した全ての良い部分だけを拡張し続けた

人間以外にも通用する狩の技術。


あらゆる武器技術を素手格闘技にまで

応用した正真正銘技術を結集した軍隊式ですら,

武尊式暗殺術には遠く及ばないものなんだと,

ヴェノムは思い知る事になった。


「は?(武道も戦術も格闘技も全て合わせた総合

おいて彼は常に成長期にあるって言うの?)」


「うるさい,お前を殺したら黙るのか?」


ニチャアとヴェノムの不適な笑顔が滲むほど

不気味な避けた口で笑う。


「(人を殺すこといや命を踏み躙る事に躊躇が

なく首を切り拳銃の引き金を引くことにも

躊躇がない,息を吸って吐くが如くその

狂気の極意,我儘の境地,殺意なしに放つ

自然の流れから成る動作,あぁこんな化け物を

私たちが産んでしまったのね)」


「ボス後は,任せたわ」


既に終わって居た,皆が見守り幻影を

見せて居た,死角から無意識から放たれる

見えない攻撃の様に,皆がそれを知覚するのに

時間が掛かったが,次に見せた現実は,

頭蓋骨を貫いていた。


「ヴェノム様ァァァ!」


「黙れ,そして一歩も動くな」


誰一人として声を殺し息を飲み,呼吸すら忘れ

させた。


弔いを信念に復讐を誓ったその力は

優に絶望を表す。


[怨嗟/FEELING・OF・HOPELESSNESS]


般若宿る顔面の恐怖と狂気の様相は,人々の

心臓の鼓動を止めていた。


「ぐは」

「ギィ」

「あばばばば」


皆が泡を吹いて気絶して,酸欠を引き起こし

死亡する。


「あ」

「ひぃ」


唯一残ったポイズンは,言う。


「私たち幹部には,はぁっ,つ,通用,んはぁ,

しないわよ」


「虚勢すら張れぬほど萎縮して置いて何を

ほざくか,小童が!」


爆発的な叫びはクジラの音波に似通っていた。


反響した音波は様々な音階の破壊力を模して,

鼓膜を弾き飛ばした。


「ぐ」


脳を震わせてポイズン,運悪く死亡する。


「」


「おい」


「」


「立たんか!」


「ヒギ(馬鹿な⁉︎心臓部を筋肉で圧迫して

完全に死を擬態していたのよ⁉︎)」


トキシンは死がバレてしまったのだ。


「濁った眼,脈打たない心臓,そりゃ医学的に

みたら老衰と判断されるであろう忍術,

貴様の行った技術はなぁ,暗殺術が

既に網羅している遁術全体を超えた

仙術が持つ1つの基礎的な隠蔽に過ぎぬのだ」


「何故⁉︎」


「洞察力がある者に見抜けぬとでも?

私はオポッサムの擬死すら見抜くのだ」


「ありえないだろそんなの!」


「さぁ,死ね」


「ウグァァァ!」


指をただポンと置きツンと刺したのだ,ただ

それだけにも関わらず心臓は真に鼓動を

やめた。


「ふん,雑魚めが」


雨露が草から溢れてその汁が垂れる様に

対象に粒を添える技。


[終雫/DROPLET]

螺旋状を描く線,小さく先端を圧縮した

推進力に遠心力を合わせた様なものを

心臓または対象の弱点に与えて隙間から

内部だけを抉り崩壊して破壊する。


血反吐を撒き散らしながら感じる激痛,それは

切腹による腸と腹の熱いと感じる激しい激痛,

高層ビルから自殺をこころみて失敗した時の

内蔵の痛み,それらを凌駕して感じる激痛。


生まれたことを後悔する拷問すら超えたその

痛みは簡単に常人すら廃人にする。


「さぁ,ファイナルステージに行こうや」


こうして骸の山を築いてから,奥に進んだの

であった。




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