第8話 対ミドリ対策なの~
あれから、1年経過した。奇妙な夢は見なくなった。
私は9歳になった。もうすぐ10歳、二桁だ。歳は取りたくないな。
今日は、貴族学園の学生をつれて、社会見学だ。
「これが、賭場なの~」
「親分!金を貸して下さい!もう一回賭ける!」
「しょうがねえな。ほら、銀貨3枚」
「ありがてえ」
ヒソヒソ~
「あの、銀貨2枚しか渡していないが・・」
「それは、聞いちゃいけない約束なの~」
つまり、利息だ。
「うわ~、負けたーーー、もう一回!次は勝てる!」
「おい、じゃあ、お前の服を賭けろ。銀貨一枚にしてやる」
・・・・
「負けた!」
「と、こういう場合は、必ず負けるの~、お約束なの~」
「この男、どうなるのだ」
「まさか、本当に脱がさないわよね。って、キャア」
「本当に服を脱がして、路上に放逐なの~」
「この男、大丈夫か?」
「大丈夫なの~、ボロ屋で銅貨一枚の服があるの~、それを来て、明日仕事に行くの~」
「しかし、無一文では?」
「こういった輩は、お金を少しは、持っているの~、全財産を突っ込めない気の弱さを持っているの~、ボロ屋の服は、みっともないの~、小麦袋で作った貫頭衣なの」
すると、
『ギャハハハハ!みっともねえ。賭けに負けやがって』
『プ~~クスクス、パンツも取られたのかよ』
・・・・・
「と笑われるの~」
「恥辱を与えることで、無理な賭けの戒めになるの~、ギャンブルの規制は、胴元がやるのが一番なの~、無理のない搾取をするの~、お貴族様と同じなの~」
「嫌な言い方だが、納得は出来る」
「女性の場合は?」
「因業BBAの場合は~、あそこで、布団の取り立てをやっているの~」
「オラ、フランク商会だ。借金の質に、布団を持って行くぜ!」
「ヒィ、やめておくれ!子供がいるんだよ」
「こっちだって、子供がいるんだぜ」
「布団を持って行くの。これも、恥辱を与えるのが目的なの~」
「まあ、何だか、平民の生活は、スゴいわね」
「違うの。これは、平民の最低の生活なの。極端なの。それを見ると、平均の平民の尊さがわかるの~」
「肝に銘じよう」
・・・・・・
また、孤児院に慰問の受け入れもやるようになった。
シスター様の悪評が払拭しつつある。
希望者がチラホラ現れた。
勿論、ここでも商売だ。
「グシシシ、ミヤちゃんたちは、ワザと、令嬢のドレスを触るの~」
「「「はい!メアリーお姉ちゃん!」」」」
・・・・・
「「「うわ。綺麗。お姫様みたい」」」
「おい・・・子供達、ミリンダのドレスは・・」
「良いのよ。ロバート、フフフフ、ドレスは汚してナンボよ」
「「「ワーイ」」」
「優しそうなお姫様」
「ミリンダ・・・・君ってやつは、惚れ直した」
「フフフフ、皆、良い子ね」
と、男がゴロツキから令嬢庇う別バージョンと言う感じだ。
こんな平和が続けばいいな。
・・・・・
「大変だ!賭場に客が来なくなった」
「それも、破産して、一家離散が多くなった」
「何だって?!」
陛下の病状が悪化して、王太子が摂政になってから、不穏な空気が流れてきた。
賭場に客が来なくなる。
社会正義としては良いかもしれないが、しかし、破産者が続出しているのだ。
あ、キツネおじさんが来た。
この方は、キツネの着ぐるみを着ている法王庁のカゲだ。
「・・・・・・」
「有難うなの~~、異変の正体を知らせてくれるの?」
コクッ、
姿がキツネの着ぐるみなので、ここにいるのが、おかしいと言われる以前に、その姿が、おかしいと頭が行き。不自然さが調和される仕組みだそうだ。
親分さん達と、魔道水晶記録を見た。建物の前に、大きな花輪が沢山あり。派手な装飾の商店だ。
ミドリだ。店の前で話している。この店の宣伝をしているみたいだ。
『これは、私の元いた世界では、世界の半分の王が絶賛したゲームです。
名前をパチンコギアと申します』
・・・ゴルバチョフが、2003年に、パチンコ店のイベントに来訪した事があったわ。もっとも、晩年の彼は、新興宗教の指導者とも会談したけど、それは言う必要はないわ。
『これは、ギャンブルではないか?』
『ええ、ギャンブルではございません。景品と交換しますわ。遊戯ですわ』
『なんでぇ、子供の遊びか』
『しかし、売れる景品がございます。ミスリルですわ。ミスリルを買い取る店舗が近くにあり。その店は、問屋にミスリムを売り。さらに、パチンコギア商会が景品を買い取る仕組みですわ。さあ、皆様、どうか、お試しに、やって下さいませ!!』
・・・・・・
『オオオースゲー!、こんなに儲かった!』
『ヒャホー、これは、スゴイ!』
・・・・・
『あれ、今日は出ないか。まあ、仕方ない』
『こんな日もあるぜ。隣の隣の奴は、ドル箱を積んでいるしな』
『金がなくなった。おう、隣に金貸しがある。そこで、少し、軍資金を用立てるか』
・・・・・・
「何なの、これ~」
「カジノはドレスコードがあって、貴族や上等な平民しかこられなかったが、これ、普通の平民が入っているぞ。あれ、堅気の商会員じゃないか?営業時間中だぞ」
「あからさまな、サクラがいるよな。あの箱を積んでいた奴・・・」
対策は、どうしようもない。せいぜい、フランク商会の商会員は、行かないように厳命するくらいだ。
しかし、耳が腐る報せが来る。
炊き出しが頻繁に行われるようになったのだ。
・・・・
「え、毎日、無料炊き出しが始まった!」
「どこだ?」
「それが、フランク商会以外の貧民地区だ」
「おお、これ、白パンに、チーズに肉?」
「おい、大銅貨も配っているぞ!」
「これなら、働かなくても食べていけないか?」
「そうだ。仕事で得た金は、パチンコギア店に突っ込めば、豪遊生活が出来るぞ!」
「このような素晴らしい炊き出し、誰がやっているのだ?」
「ミドリ様だ。ほら、転生者で、王太子殿下の婚約者だ」
・・・・・・
フランク商会のシマは、閑散としている。
演劇上も、人が少なくなってきた。
これは、ヤバいな。
損切りか?
「メアリー、偵察に行こうぜ。ギャンブルにはまりそうにないのは、メアリーと、ジミーぐらいだ」
「メアリーちゃん。よろ~」
「え、子供なのに、入れるの~」
「ああ、一応、ギャンブルではないからな」
という訳で、店に行った。もう、10店舗、展開しているらしい。
人口30万人都市の王都で?多いのか。少ないのか分からない。
「ヒィ、朝の営業時間前なのに、並んでいる人がいるの~」
「え、今日、平日だよな」
ジミーが真面目なことを言っている。
「整理券を配りますーーー」
そして、開店直後に、皆、店に殺到する。
「おれが、先に見つけたのだ!」
「店のドア側!そこが、出るのだ!」
「いや、釘だ!」
皆、殺伐としているな。
私たちは、店の隅っこの方で、このパチンコギアの前に座る。
「とりあえず。大銅貨2枚分の玉を買うの~」
「お客様、買うのではなく、貸すのです。それと、プゥ、少なすぎますよ」
カチンと来たが、今日は偵察だ。
見よう見まねでやる。ジミーは後ろで見ている役だ。
ここに、玉をいれて、レバーを動かすと玉が出るか・・・・
あれ、目が真っ暗になった。
ガタン!
「おい、メアリーちゃん。どうしたの?」
☆☆☆夢
夢を見た。久しぶりだ。
成人式の後、初めて、同窓会が行われる夢だ。
『そうだ。少し、時間があるから、パチンコでもやってみるか?やらなきゃ、批判もできない』
大人になった私?黒い瞳の黒髪族の国
☆2分後
『え、え、もう、なくなっている。2千円使ったのに、パチンコって、暇つぶしに、やるものではないの!』
唖然としている。
『おい、コラ、ガキ、この台はあたしんだよ。このタバコの箱がみえないのかい!』
『ヒィ』
『アハハハ、ミドリさん。言い過ぎだよ』
『フン、最近の若い者は、たく、こっちは真剣にやっているんだ。遊びなら帰れー』
「グスン~」
あれ、私がおかしいのか?2千円があったら、豪勢なランチにいける。それがたった数分でなくなった。
もやもやして、同窓会に行って、このことを話したら、
『ハハハハ、最低、数万円の軍資金がなければ、勝負できないよ!』
とか、パチンコをやっている男子は言う。
『星子、良かったね。これで、パチンコにはまらなくなるよ。K国では、射幸性が高く、国家で禁止にされたくらいだわ』
『何だと、あれは、パチンコではない!メタルギアと言ってな』
『へえ、でも、海の物語という名であったわ。1万5千軒もあったって』
『ケンカやめなよ!』
・・・・
帰宅後、
この事を大爺ちゃんに話した。
「グスン、グスン、私がおかしいのかな」
大爺ちゃんはギャンブルをやるから、答えは決まっていると思ったが、
「ワシも麻雀をやるがのう。人相手のギャンブルじゃなきゃつまらんの。そうか、パチンコか。あれはな・・・・、スゴイ、簡単な攻略方法があるのじゃ。政府、業界が、ギャンブルなのに、あやふやにしていたツケだな」
「どうせ、怪しい攻略法でしょう」
「間違えたのじゃ、攻略法ではない。儲ける方法じゃ。この方法は、ニュースで流れて、すぐに、お蔵入りをした情報じゃ。パチンコが違法なのがミエミエなのに、この方法は違法といいはったのじゃ・・・」
と大爺ちゃんは、すごい、くだらない方法を教えてくれた。
「こんなんでいいの?」
・・・・・
「「「メアリ-」」」
「すまねえ。メアリーは、子供じゃった」
「いいの~、少し、頑張るの~、パチンコギアは、害毒なの~、潰すの~、協力して欲しいの~」
「「「勿論!」」」
「待っていたぜ!」
しかし、この世界には、そのまま当てはめられない。少し、カスタマイズするか・・・
人を集め。資金が必要だ。ミスリル、勇者の金属、法王様の管轄だったか?
「・・・・・・」
「キツネおじさん。映像レターをお願いするの~」
コクッ
こうして、対ミドリ戦略が始まった。
最後までお読み頂き有難うございました。