初めての授業 前編
「先生、先生の師匠が使っていた探索の魔法ってどの属性の魔法を使っていたのですか?」
ラノが私にそう聞いてきた。
実は探索の魔法といってもどのように魔法を発動するかは、人それぞれなのだ。
例えば風や水だったら薄く風や水を全体に浸透させ、生物や物資が障害となっていることで探索の魔法となったり、土だったら地面全体を最初魔力に記録し、生物が通った際の足跡の凹みを感知することで探索の魔法となったりするのだ。
「そうだね〜、師匠の場合は同時並行でやっているから分からないんだよね。」
「え!?同時並行ってどういうことですか?」
「そうだね、例えば私達は洞窟にいるとしよう。その外には私達の命を狙う人達がいる。いずれ見つかってしまうかもしれない。かといって洞窟にいれば地中から魔獣が出てくるかもしれない。
そんな時どんな属性の魔法を使えば相手の居場所や地形が分かる?」
「風……ですかね?いや、それじゃあ地中の魔獣を感知出来ない。それじゃあ土?しかし、魔法の範囲的に分からない可能性……が……、もしかして魔法の同時発動ですか!?」
「ほとんど正解。」
「ほとんど?」
「うん、実際使った属性は風、土、そして音だ。」
「音……ですか?どうやって?」
「音は閉鎖的空間であればあるほど、反射する。しかもその反射速度はとてつもなく早い。それを利用して洞窟内の魔獣を探知するんだ。
まあ師匠によると光の方が早いらしいけどね。ただ探索の魔法にする際、目に見えてしまうからあんまり向かないらしい。」
ラノは、ほおけた顔をした後、満面の笑顔で
「先生!!僕にもその魔法教えてください!!」
と叫んだ。
「ダーメ、ラノはまだ魔力操作が完璧じゃないからね。」
「えー、そんなー。」
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「ふーふふー♪」
「ネロナお姉ちゃんなんか今日機嫌がいいね。」
「ああ、いつもはすっごい真面目な顔で魔導書とか読んでるのにな。」
「どうしたんだろう?」
私は今、ものすごく機嫌がいい。何故ならやっとちゃんとした魔法を知り、使うことが出来るから。今までは魔導書の通りにやっていたり、独学で何とかしようとしてた。
けどやっと私の魔法の技術が上げることが出来る!!
えっと用意する物は確か……、魔導書に……、ナイフに……、後はおっきいカバン……。あれ?カバンどこだ?昨日の夜、確認した時はあったのに……。
「ねえ、私のカバン見なかった?」
「ううん、見てないよ?」
「僕も見てない。」
本当にどこいったんだろう?
「俺見たぜ!!ライにいが急いで孤児院を今朝出ていった所!!」
「ほんと!?」
「おう!!いつも俺はライにいを尾行してるからな!!」
はは……、流石ガイだ。
ガイは私と同じ孤児院の子だ。私より2歳年下の5歳児だ。ライに剣で打ち負けてから強くなる秘訣とやらを探るためにライの後をつけて観察しているらしい。
さて……、ライを探しに行かないと。絶対私に嫌がらせをする為に私のカバンを盗ったに違いない。あいつはよくそういうことをする奴なのだ。
そうして私がライを探しに外に出ようとすると
ガチャ
そんなドアの開けた音が聞こえてきたかと思えば、入ってきたのはライだった。私に向かって早足で私の前で止まって
「すまん。」
そう謝罪を口にし、手にあった物を私に差し出した。それはピカピカに真新しい大きいカバンだった。
「これは……。」
「お前、ボロボロになるまでカバン使い倒してただろ。これは……そう、いらない。いらないからお前にやるだけだ。感謝しろよな。」
びっくりした。だってライはこんなことするようなヤツでは無かったから。
素直じゃないな〜。ふふっ、まあこのカバンはありがたく使わせてもらおう。
「ありがとう、ライ。これに免じてしばらくは休戦だ。」
「……あっそ。」
そう言ってライはそっぽをむいてどっかへ行ってしまった。
よし、今度こそ準備は整った。カバンに魔導書は入れたし、解体用ナイフも入れた。後はローブを着て、三角帽子を被って……、行こう。師匠の元へ!!
そうして私はピセラの森へと向かった。無論村の人達にバレないようにである。なぜなら昨日あんだけ心配させたのにまた森に行っていることがバレたら森へ行くとこを禁止されてしまうかもしれないからだ。
それにしても、ツキミをどう呼べば来るんだろう?叫べばいいのかな?
「スーッ、ツキミー!!」
これで来るかな?
「にゃあ。」
「うわっ。」
び、びっくりした〜。呼んだばっかりなのにこんなにすぐ来るなんて……。師匠の魔法……なのかな?
「にゃ〜。」
「ああ、ごめんごめん。考え事してた。」
試練の時と同じようにツキミの後をついて行く。
やっぱり前行った時と通った道が違う。ピセラの森について詳しくは知らないけど魔獣が多いのかな?
「師匠ー!!」
「ネロナ、よく来たね。」
「はい!!」
師匠の家に着くと師匠が暖かく私を出迎えてくれた。本当の家族ってこんな感じなのかな〜?
師匠と一緒に庭へと来た。師匠によると
「今までどんな風に魔法を練習してきたかを実践、もしくは教えて欲しい。」
との事らしい。
「えっとやってたことはこの魔導書の通りに魔法を練習していたのと、後は冒険者たちが使ってた魔法を観察して真似てみたりしてました。」
「ふーん、なるほどね。ネロナが使ってた魔導書貸してくれないかな。」
「あ、はい。」
そう返信をして私は師匠に魔導書を手渡した。師匠は魔導書を受け取った後、魔導書を開きペラペラとページを開いていた。
パタンッ
かと思えばすぐに魔導書を閉じてしまった。
「ねえネロナ。この魔導書どうやって手に入れたの?」
「えっと、孤児院に寄付されてたのをもらったんです。」
「なるほどね。ネロナこの魔導書多分初心者用の魔導書じゃないよ。」
「え!?」
「ネロナは長い詠唱を省いて魔法を使っていたんだよ。」
「長い……詠唱?」
「うん、例えばネロナが使ってたファイヤーボールは『我が体内に宿りし炎よ。我が力となるために下り、顕現し、そして我が敵を燃やせ。ファイヤーボール』って感じに詠唱するんだよ。」
そんな……。今までの私の努力が無駄だったなんて……。
「でもネロナは凄いよ。」
「え……。」
「だって独学でファイヤーボールを単位詠唱で出したんだから。」
「でも……、私のファイヤーボールは燃やせないですし……。」
「それが凄いんだよ。普通ファイヤーボールは燃やさないことの方が難しいんだよ。」
「そう……なんですか?」
燃やさないことの方が難しいなんて……。
「そう。それに僕がこれから教える魔法はだいたいが無詠唱だから、他の人より習得するのが早いと思うよ?」
そんなに凄いことだったんだ。今までやってきたことは無駄じゃなかったんだ。良かった。
「それじゃあ、今から魔法を使うさいの基礎を教えて行くよ。」
「はい、師匠!!」
ギリギリセーフ_( ˙꒳˙ )_(アウトだよバカめ。)
いや〜、すいません。実は先程まで病院に行って来ていたんですよ。とは言ってもただ単にひゃっくりが毎日続いてるだけで、健康体なのでご心配なく`,、('∀`) '`,、
さて今回はライ君のツンデレが発覚しましたね。実はネロナのことが好きなのでは?
他にも賢者さんが言っていたことによるとこの世界はよくあるファンタジー世界とは違い"音"なんて属性があるみたいですね。
探せば"猫"なんて属性も……?(猫たくさん出してもふもふの海に埋もれたいだけである。)(賢者さん:そんなのある訳無いでしょ。)
それではこれくらいで次回までさようなら(ヾ(´・ω・`)




