実践
「先生、魔力操作って昔は普及して無かったんですか?」
「ああ、そうだね。さっき話の中にあった通り、ほとんどの人が詠唱に頼りっきりだったからね。というかあまり重要視されてなかったという方が正しいかな。」
「重要視されていなかった?なぜですか?」
「それはね、魔法の威力を上げるには魔力を大雑把でいいから多く魔力を魔法にこめるっていうのが常識だったんだよ。そのせいで魔力量が多い人程有能だって言われていたんだ。今でもその名残りは残ってるしね。」
「名残りって……。」
「ホラ、ウルサイブタキゾクタチノコトダヨ。ハッハッハ……。」
「ああ……、(ここから小声)ちっ、あのゴミ虫共め。何回先生に迷惑かければ気が済むのか。いっそのこと僕の魔法で捻り潰して殺ろうか……?」
「ラノ?なんか不穏な顔してるけどなんか企んでないよね。」
そうラノに聞くと、
「いいえ、そんなことないですよ。」
と満面の笑みで返ってきた。
あっ……、かわいい〜!!うん、ラノがそう言うなら何にもないよね!!
ちなみにさっき言った豚貴族どもは、私たちを嫌悪している。
何故かというとなんでも本人達曰く『貴族としての地位を落としている!!』やら『平民に悪用されるだろ!!』と魔法を広めるのに反対しているからだ。まあいわゆる反対派というやつである。
そんなことになるのは豚貴族どもの平民に対する行動や言動とかの自業自得だと思うんだけどね。
さて私は豚貴族のことがものすごく嫌いだ。なんせ豚貴族は私が魔道具やポーションを作る際の材料が届くのを邪魔したり、弟子であるラノを侮辱したりするからだ。
まあその都度痛い目にあってもらっているんだけど……、まるでGのようにめっちゃでてくるんだわ。もう最近師匠に相談しようかなって悩むぐらいしつこいんだよね。
Gと共に滅びやがれ!!クズが!!
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「さて実践といくんだけど、まずは僕と一緒にやろうか。」
「一緒に?」
「うん、そうすれば魔力暴走を引き起こす危険がないからね。」
師匠はそういうと私の両手の上に手を優しく被せ、魔力を流し始めた。その瞬間、今まで感じた魔力とは違った魔力が私の中に流れていった。
その流れは優しく、そして暖かかった。
「まずは僕が流した魔力を辿る。」
師匠が言ったとおりに魔力を辿る。すると今まであやふやに思い描いてた魔力の通り道が正確に理解出来た。
なるほど、魔力の通り道はこんなに細かくそして、こんなに多かったのか。これじゃあ結構魔力を無駄に消費してただろうな。
「次は僕の魔力を自分の魔力で追う。ゆっくりと、少ない魔力でね。」
よし、ゆっくり……ゆっくりと……。
「うん、追えてるね。ネロナ、今の魔力の通り道を覚えられた?」
「いえ、まだあやふやだと思います。」
「それじゃあ、一旦やめよっか。」
「え?」
なんで?
「ちょっと待っててね……。」
師匠は私にそう言うと、何も無い所に向かって手を伸ばしたかと思うと、まるで吸い込まれるように手と腕が消えていった。
え……、あれ……幻覚が見えているのかな?私、頭でもおかしくなったかな?
そんな混乱している私をよそに師匠はまだ見えている腕を動かしながら、
「えっと……確かあそこに置いたはずだけど……、久しぶりだからな〜。あ、あった。」
と独り言を言っていた。けれど次の師匠の行動は私を更なる混乱を引き起こした。
なんとジャンプしたかと思えば、師匠の上半身が消えていったのだ!!
「し、師匠ーーーーーーーーーーー!!」
思わず叫んでも仕方ないだろう。ただでさえカオスだったのがさらにカオスになったのだから。
えっ、えっと、ど、どうすればいい?思わず師匠の元に駆けつけて行ったけど……、引っこ抜けばいいのかな?
あわわわわわ。
そうして私がどうすればいいか迷っていると師匠は何やら紙を持ったまま、上半身が元に戻った。
「おっと、ネロナどうしたの?そんな近くに来て。」
師匠は私にそう聞いてきて、私は涙目になりながら
「よ……良がっだーー、師匠ーー!!」
と叫んだ。すると師匠は驚いた後、
「ちょっと、どうしたの?ネロナ。」
そう言って師匠は心配そうに私の頭を撫でてくれた。
「だって師匠突然、師匠の上半身が消えてびっくりして……、どうしようってものすごく悩んで……。」
私の言葉を聞いた師匠は納得したような顔をして、
「ごめんね、説明も無しにネロナを驚かせて。あれは僕の魔法なんだ。」
「魔法?あれがですか?」
体が消えるのが魔法?でもなんの為に……。それに今使っても意味無いような……。
「あれはね、簡単に言うと収納の魔法なんだ。色んな物を入れておけるね。」
「収納!?そんな魔法があるんですか!?」
「うん、そうだね。ただネロナも見た通り、他の人には見えないから傍から見たら突然体の一部が消えているように見えるんだよね。」
「なるほど、そういうことだったんですね。」
だから、師匠が消えているように見えていたんだ。それにしても、収納の魔法……聞いた事無い魔法だな。もしそんな魔法があったら有り得なかったとしてもおとぎ話とかに出てきてもおかしくないのに……。
パンッ
「うわっ!!」
び、びっくりしたー。深く考え込んでたから、師匠の拍手に驚いちゃった。
「収納の魔法は後において、魔力の通り道を絵にして分かりやすくしたものがあるから、それを見ながら魔力操作をしてみようか。」
そう言って師匠は手に持っていた紙を地面に広げた。それには、人間の中に細いツタのようなのがいっぱい広がっている絵が描かれてあった。
「これが……、魔力の通り道……。」
さっき魔力操作をした時には感じてたけれど、絵になっているのを見ると改めて細かいと思った。道理で師匠が『ゆっくりと、少ない魔力で』と言っていた訳だ。
だって、もし適当に魔力操作をしたら最悪魔力の通り道が破裂して一生魔法が使えなくなっていただろう。私って……本当に運が良かったんだね。慎重にやってて良かった〜。
「そう、これが魔力の通り道。この絵を見ながら魔力操作をゆっくりやってみてね。完全に覚えるまでは少ない魔力でやってね。そうじゃないと最悪死んじゃうからね。」
「え?し、死んじゃう?」
「うん、そうだね。例えば……、」
そう言いながら師匠は収納の魔法から、ひらべったい丸い形をした物を出てきた。
「これは僕の故郷の物で"風船"っていうんだけど、膨らませてボールとか、あとは"特別な空気"を入れて浮かせたりして遊ぶんだけど……。」
う、浮く?あのひらべったいのが?どういうこと?
「これから入れる空気を魔力だと思ってね。」
「は、はぁ……。」
そうして師匠は魔法で"風船"とやらに空気を入れていく。するとみるみる膨らんでいってボールみたいになっていった。
「ネロナ、そろそろ耳を手で塞いでね。」
「え?」
なんで?
とりあえず師匠の言う通りに耳を手で塞ぐ。その瞬間……、
パァァァァァァァァァァァンッ!!
風船が割れ、ものすごい音が塞いでいても分かるぐらい響き渡った。
び、びっくりしたぁぁぁぁぁぁ!!
「し、師匠……、いまのって……。」
「風船が割れた音だね。」
「い、いやそれは分かるんですけど……。師匠は大丈夫なんですか?」
「ああ、魔力で作った耳栓をしていたからね。」
え?魔力で耳栓って作れるの?ていうかそもそも魔力を実体化させるなんて聞いたことも無いような……。うん、師匠だから出来るんだ。そういうことにしておこう。
「さて、見た通り風船が破裂したけど……。これを見てどう思った?」
「風船が人だったとしたらやばいなと……。」
「うん、そうだね。これで魔力操作の危険性も分かったことだし、毎日完全に出来るようになるまでやってみようか。」
「は、はい!!」
本当に、本当に慎重にやらなきゃ……死ぬ!!
パシャッパシャパシャッ
あーあー、ん゛っん゛ん。えー皆さま、約3ヶ月間投稿をサボってしまい誠に申し訳ございませんでした!!m(_ _)m
記者さん:『えー、どうして約3ヶ月間投稿を休んでいたのでしょうか?(´ ▶д◀`)』
えーそれはモチベが湧かなかったのと、家の事情やらが……、
ウィィィィィン
あっちょ、賢者さん!?マイク取らないでっ、
賢者さん:それプラス新しく出たゲームにハマり過ぎていたのと、小説の存在ごと忘れていたのが原因ですね( ◜ᴗ◝ )ニコ
記者さん:『それは本当でしょうか!!もちを求めて三百里さん!!』
え、えっとー……それは……。
記者さん:『そこんとこどうなんですか!!』
ゔぅぅ……に、逃げるんだよー。・゜・(ノД`)・゜・。
賢者さん:あーあ、逃げたなアイツ。アイツは後で餅つきのハンマーで叩き潰すとして……。皆さまこんなにも期間をあけましたが今回も読んで頂きありがとうございます。
アイツは逃げてしまったので裏話やらはできませんが、次回にはぺっちゃんこになったアイツが見れますのでお楽しみにしといてください。それでは*˙︶˙*)ノ"
よしっ、これで3ヶ月ぶりにラノを愛でられる!!ヾ(⌒(ノ•́ω•̀)ノ




