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百合咲かす転生  作者: コーヒー先生
2/3

〜迷いアリスは折れたたんぽぽ〜

「び、美少女だぁぁぁぁぁぁ!?!!!?!?!!!」




「ふあっ!?!!だ、だれ、?!!」

と、目の前の美少女は声を大きくして言う。

そしてこっちを振り返った……

『いや顔見えてないのに美少女って言ってんのかよ…』

いやだって後ろ姿から美少女だったし…。

そう!美少女なのだよ!


腰までの長い金髪がふわっふわでくせっげなのか色んな方向にクルクルしてる、木漏れ日で金髪が光り輝いていて神々しく美しくもある。前髪は短めでかわいい系の美少女だ!

緑に近い青い瞳は今にも泣き出しそうなほどうるうるしている…キュート…可愛いよ…。

身長は結構低くて私より1.2歳年下かな!低身長可愛い!

白い肌にほっそい腕!

でも指先には絆創膏のような物が色んな箇所にはられていたりしている。

それと深い緑色のシャツワンピースのような服を着ているんだけど不器用なのかなんなのか、ボタンをかけ間違えてるとこもあったり、それとところどころ切れたり汚れたりしてて…。

…足も白くて細いんだけど包帯が巻かれていたりもして。


かわいい…かわいい…!

『なんでだよ!どっちかと言うと可哀想だろ!怪我とかしてるから心配だろ!なんで可愛いんだよ!おい』

うるさい!可愛いんだよそれが!

っとついつい見とれていると。

「あ、あの誰…?ぅぅ…」

小さな可愛い声がまた聞こえる。

おっと、ちょっとまた取り乱しちゃったみたいだね。


「あ、いや!ごめんねいきなり」

ここで発動〈コミュ障〉!!

……かわいい女の子を前にするとやっぱり「あ、」とか言いがちだよねうんうん。


と金髪美少女ちゃんが1歩後ろに後ずさりする。

おっと掴みは大失敗!!


そしてふわふわの髪の毛をぎゅっと両手でつかみながら

「……こ、ころす?」

と言う金髪美少女ちゃん。

…殺す!?!?んなわけないよ!?!!?!!

と、とにかくちゃんと言わなきゃ!

「え?えいやそんな訳ないよ!なんでいきなり!ってそっか大声出して来たのは私の方か、ごめんね怖がらせちゃったかな?」

絶妙にキモイんだけど私にしてはいい方…だと思いたい。

と、金髪美少女ちゃんがこっちにちょこちょこよってきた、なにこれかわいい。


「…誰?」

1mほど距離をあけ金髪美少女ちゃんが言う。

「私の名前は澪、君は?」

「わ、私?私は……ありす…アリス…!」

両手で掴んでいた髪の毛をぎゅっと引っ張るりながそう言う。

アリス!なんて可愛い名前だろうか、アリスにピッタリの金髪碧眼、さぞかしご両親のセンスがよろしいんですわね?

……きっとお母様も美人なんだろうなぁ。

『ですわねってなんだよそういうキャラでやってくのか?』

…う、うるさい!


「アリス、素敵な名前だね。えっとどうしてここにいるのかな?いや、私が言うのも変だけど。」

私だって1人で森に突っ立ってる変人だ。

「あッ、私は……パパとママに捨てられちゃったの!…パパ…ママ……うぅ…」

と泣き出すアリスちゃん。

「あ〜あ〜大丈夫?大丈夫じゃないかえっと、えっと…。」

狼狽える私。

というか捨てられたって!?異世界だからってさすがにそんなの酷すぎる。

「大丈夫、私がいるから大丈夫だよ。」

何をすればいいかわからなくておもわず抱きしめてしまう。

ふわふわだ!

泣きじゃくるアリスちゃんの頭を撫でる。

『捨てられるか〜流石にこの世界でもなかなかないな、よっぽど非情な両親なんだろうな。』

そうだよ!ご両親は何を!てかさっきセンス良いとか褒めちゃったじゃん!

「うぅ…あぅ…ぅ…」

少しずつ涙がおさまっていく。

泣き止んだかな…?


「アリス…?」

「…あッ、ご、ごめんね、ごめんなさい。服汚しちゃった、ごめんね。」

アリスちゃんはぷるぷる震えながら涙目で謝ってくる。

「全然大丈夫!君が少しでも安心できるなら洋服の1枚や2枚や300枚くらい汚しても大丈夫だよ!」

なんならアリスちゃんに汚された服の方が価値がある。

この服も家宝だね〜〜。

『気持ち悪ッ』

うるさい!

というかこいつの声アリスちゃんには聞こえてないみたいだし私しか聞こえないみたいなアレってこと?

『そうだ』

ふーん


「300枚は汚さないよっ!30枚くらい…」

泣き止んだけど目の周りがまだ赤いアリスちゃんが髪の毛を引っ張りながらそう言う。

髪の毛引っ張るのがくせなのかな?

「30枚は汚すんだね。」

「嫌だった…?ごめんね」

「ご褒美だよ。」

「!?」

なんて話せるくらいには落ち着いたみたい。

『お前も大概おかしいけどこのガキもおかしいな結構』

なっ!ガキじゃなくてロリって言いなさい!

『やっぱおかしいよお前…』


「あ、あのみお、澪…?…はどうしてここにいるの?」

名前呼び頂きました〜〜!!

「わ、私?あ〜、うん実は迷子になっちゃって。」

正直に言う訳にも行かないし必死に言う私。

「…迷子?」

「うん、実はモンスター?を狩るためにさ!ほら、ギルド?みたいなとこ行こうと思ったら迷子になっちゃって。」

ギルドとかあるか分からないけどとりあえず…実際モンスター倒したいし。

『ギルドはあるぞ、てかギルドでどんな魔法が使えるかとか調べたり、討伐できるクエスト探したり、ほかの仲間探したりするんだ。』

はよ言え。

「ギルドに…?冒険者さんなの…?」

冒険者さん…んんんんん!さん!!!

「まだそうじゃないんだけどなりたくてね!」

これは嘘じゃない!

「そっか……じゃあ、…」

じゃあ?

「じ、じゃあ私も!私もなる!…あぅ…」

ちょっと大きな声を出して言うアリスちゃん。

ぷるぷる震えてる、というか喋ってなくても、何もしてなくてもずっと震えてる。かわいい。

「アリスも…?いいと思うけど…大丈夫?」

多分今日か昨日かに親に捨てられてしまったんだろうしまだ両親が連れ戻しに来る可能性だってある。


「も、もういいもん…みんな知らない…私の事バカにしてきたみんなのことなんて知らない!ママもパパも知らない!この前は私の事売ろうとしてたもん!」

ほっぺを膨らましながらそんなことを言うアリスちゃん。

かわいい。

というかなんかすごい不穏な言葉言ってたと思うけど大丈夫なのか…!?

まぁ私もこれから一人より誰かいて欲しいしアリスちゃんちょー可愛いしプリチーだしハーレム作りたいしいっか!!

というかアリスちゃん可愛すぎる。


「君が平気ならいいけどね。でもこの森から出る方法がわかんないんだけど…」

そう!それが一番の問題だ。

ヘアピン男はわかる?

『名前で呼べ、名前で!場所は全然わからん!』

使えないヘアピン男だ。

「それなら分かるよ!こっからギルドの方に行くのも、お家に帰るのもわかる!…えへへ」

なんて言うアリスちゃん。

がんわいい…!!!

可愛いの究極体、がんわいいがでてしまった。

というか

「分かるなら家に帰れば良かったのでは…??」

「あ、」


どうやらお馬鹿さんなようだ…。

そこも可愛いね!キュート!

「あぅ…確かに……ばか、ばか!」

自分のことをぽこぽこと殴るアリスちゃん。

「でももう冒険者になるって決めたの!だから帰らない!…帰らないもん。」

「…ママとパパが恋しいなら帰ってもいいよ?」

「う、うるさい!ちがうもん!」

うーん帰らした方が良さそうな気がするけど私は知らない!このまま連れてくもん!…

あれこれそういう罪になったりしない…?誘拐みたいな…

『多分ならんから大丈夫』

そっかぁ!なら気兼ね無く連れてける

『なんでないんだろうな、こういう変態捕まえろよ。』

変態じゃないし、合法だし。


「そっか、ならいこっか、連れてってくれる?」

「もちろん!私に任せて!」

ぷるぷる震えてはいるものの、頼もしさもある……あるよ…?


そんなこんなで色々話しながら森をぬけた。

話によると、アリスちゃんはまさかの同い年、日本で言うJKだそうだ!ま?!!?!

小さな町でやっているお花屋の一人娘で経営難に陥ったアリスちゃん両親がアリスちゃんの分の食い扶持を減らすために捨てた…みたい。

なかなか酷い話!一人娘より花屋を優先させる両親とか前代未聞すぎる。 それでも両親のことが普通に好きと言ってた。なぜ…


それに小さな町でも学校のようなものはあるらしくてそこでも普段からぷるぷる震えちゃうことや喋るのが苦手なこと、そして小さいせいでいじめられていたらしい。

アリスちゃん…泣

けど本人はいじめられてる自覚無くてそういう遊びだと思っていじめっ子に水の入ったバケツをぶっかけてたそうだ。

アリスちゃん…!?


シャツワンピのボタンのかけ間違えはやっぱり不器用なせいで何をどうしてもできないらしい。

毎日やってあげるからね^^

それに包帯や絆創膏も不器用さとか色々で物によくぶつかったりでできた傷らしい。

なんとも不器用で愛らしい!可愛いねアリスちゃん。


なんというか折れたたんぽぽみたいでとっても可愛い。


『お前普通にシンプルに気持ち悪いよな』

…純粋な悪口に涙出そう。

でも可哀想は可愛いだしおかしいのも可愛いよ。

『怖ッ』


『というかたんぽぽって俺様のこと…』

違うよ。



「あッ…ついたよ。」

あッてのも口癖らしい、

…コミュ障スキルと似てるな……

「ありがとうアリス。えっと…これ入っていいんだよね?」

森を抜けたところはいかにもファンタジー!!って感じでケモ耳とかエルフとかが普通にいてめっちゃファンタジー…ファンタジーすぎる…

ギルドも"The"って感じですごい。

外からでも賑やかな声が聞こえて冒険者達って感じだ!

「う、うん。はいろっか。」

おずおずと入っていく私とアリスちゃん。


す、すげーーー!ーー!!!ーー!!


これこそがゲームやアニメで見たあのファンタジー!

どんちゃん騒ぎ!きらびやかな装備!老若男女種族問わずたくさんの人…?達が溢れている


「う、ぅぁ…」

と、アリスちゃんが唸っている。

「大丈夫?」

「う、うん…うるさいのちょっと苦手なだけ…耐える…大丈夫…」

大丈夫かな?と思いつつもとりあえず受付っぽいとこまで歩いていく。


美人なお姉さんが受付で微笑んでいる。

ャバイやばいよ!これだけで異世界に来た価値がある…いやアリスちゃんに会えてる時点で価値があるけどね。

というかこっから何すれば!

教えてヘアピン魔道具様〜!

『その呼び方もやめろ。…っととりあえずは受付で冒険者になりたいって言っときゃ冒険者の中でも職業や能力、使える魔法とかレベルとかわかるし、そういうデータが入った携帯端末が貰えるぞ』

ほーーー!!すごい!すごい異世界感!魔法使えるようになる?!!

『…お前次第だな』


「じゃあ受付でなんの魔法使えるかとか分かるらしいからとりあえずそうしよう?」

「う、うん、…魔法…使えるかな…」

「…たしかに、もしかして使えない人の可能性もあるのか…」

ここは異世界パワーで何とかするしかない!


美人なお姉さんのいる受付に行き

「冒険者になりたいんですけど…」

と聞く。

「はい、冒険者にですね、分かりました!」

美人なお姉さんが麗しのボイスで受け付けてくれる…ラブ…

「ではお名前をお聞きしても?」

「澪です。」

「あッ…あ、アリス、…」

「澪さんとアリスさんですね。」

お姉さんが傍にある謎の機械みたいなをポチポチする。

「確認致しました。ではそこのボックスの中に入っていただきます。」

と、お姉さんが手を伸ばす、

その先には人が1人入れるくらいの謎の箱みたいなのがあった。

例えるなら日本の試着室。

ほー!これに入って調べるんだね!

箱の蓋を開けて中に入る。

アリスちゃんも終始ビクビクしながら入っていく。

何も無い空間だけどこれで分かるものなのかな…?


入って数十秒くらいだろうか。

ピコン!と電子音がなってきらんと一瞬周りが光る。

おお!!それっぽーーーーい!!


「開けますね〜?」

とさっきのお姉さんの声がする。

蓋を空けられるとまたさっきのギルトのガヤガヤした空気がまとわりつく。

これで分かるんだ!!!!すっげ!!

『相棒がなんの力持ってるか楽しみだな〜』

なんて言ってくる…相棒…?


「う、まぶしい…」

アリスちゃんも出てくる。ちょっとクラっとしてる…大丈夫かな…。

「澪!どうだった…?」

こっちに気がついてちょこちょこ歩いてくるアリスちゃん。

かわいい…

「うーんよくわかんないな。なんかピコンってなって光って…それだけ」

「わ、私も…」


「確認できましたのでお2人様来てください〜」

お姉さんの声がする。

受付の方に戻ると2つの携帯端末がある。

日本のスマホよりも薄めで近未来っぽさがある!

「では一緒にそれぞれ見ていきましょう」

まだお姉さんも私たちがなんの力があるとかは見てないみたい。


「ではアリスさんから」

「ふぁふぁい!」

とアリスちゃんが謎に返事する。

かわいい。

「アリスさんはですね…魔力は確認できましたね!魔法を取得可能です。それと………ん?なんですかこれ…」

アリスちゃんの携帯端末をのぞくと

スキル

【???】

と書かれている…なにこれ特殊能力!!?!?すごっ!異世界っぽ!

「こ、これは…もしかしてまだ未確認のスキルの可能性がありますね…!未確認スキルなんてなかなかありませんよ!」

とお姉さんがキラキラした目で言う。

「あッ…!?ほ、ほんと…!?わぁ…」

え何この展開私置いてけぼり!?!

こういうの私に来るのでは!?!

「そ、そうですね、それ以外は回復魔法や支援魔法が高いですね。支援型がオススメです!」

癒し系魔法か!癒し系ふわふわ美少女のアリスちゃんにピッタリだぁ!

「なかなかないですね、このスキルが判明次第こちらに伝えて貰えますか…?」

「は、はい…!」

とアリスちゃん…

ずるいよ泣



「次は澪さんですね。」

やっと来た!!!ここですっごい力手に入れて無双してハーレム!

こい!ハーレム!


「澪さんは……そうですね魔力は少ししか感じられないためどれも威力弱めで…」

あ!?!?!!!?!?!?!


「え、あ、そそそうですか!」

うぅ泣

「あ!でも、スキルが【王の命令】ですよ!」

うぅ…う!?!?

何その強そうでかっこいいの!!

「なんですかそれ!」

「そうですね【王の命令は】簡潔に言うと"実現可能なことを命令できる"ですね」

えーーーーーー!!?!!!!?!????!!!!

何そのエッ…じゃなくて強そうなスキルは!

無双きたか!?!!!


「このスキルは貴族や王族の方が多いというか…それ以外だとなかなか聞きませんね、もしかして…?」

「あ、いや全然貴族とかじゃないです。」

「あ、っ…そうですか!」

もしかして貴族説あるけどたぶ違うな…でも強そうで嬉しい。

「実現可能ならなんでもできるという強さですが発動条件が少し難しいですね。」

「難しい…とは?」

無双できるかと思ったけどやっぱりそう単純じゃなさそう。


「このスキルは使用者の精神性に依存してまして、少しでも心が乱れると使えないんですよね、なので逃げてる時や掴まってる時はかなり強い精神性がないと使えないんです。」

…もしかして弱い?

「それと罪悪感が少しでも感じると使えませんね、人に向かって"息を止めて死ね"という命令はできますがこの命令は流石に罪悪感を感じますよね?それだと使えないんです。」

ほうほう。

「なので罪悪感を感じないような卑劣で残酷な人間になれば無敵ですね!」

えぇ、流石にそれは…優しくてか弱い私には合わないね

『優しくてか弱い…』

うるさいよヘアピン!


「そ、そうですか…で、でも実現可能ならなんでも出来るって強いですよね!!」

強いと信じたいから必死に言う私。

「そうですね、でも他のスキルがアレなので正直1人でモンスター討伐は難しそうですね。近くにちゃんといる相手じゃないと命令できないので遠距離で命令して倒すことももちろんできませんし。」

うわぁぁぁぁぁぁぁあぁん!!!


チョンチョン

ん?

横をむくとアリスちゃんがいた。

すると耳元で

「王のなんちゃらってすごいね…!私のしえんまほー?と合わせたらなんでも出来ちゃうよ!……えへへ…一緒にがんばろうね」

と囁いてくる。


ガァ!!!なんという天使…今ので悲しさ全部なくなった。

よぉし!!アリスたんのために頑張るぞ〜!


と、受付のお姉さんがそれを見て苦笑してる。

ちょっとはずい。

ま、まぁこれでよくわかったし!

「ありがとうございました!!」


受付のお姉さんから携帯端末を貰った、ちょっと使ってみたけど画面が上に浮きでる映画とかで見るあれだった。

正直ファンタジーと近未来な要素でちぐはぐだけどまぁいっか!

これで終わったみたいだし受付から離れる。


「あッ…すごいね!王のなんちゃら…ってやつ!我は王だぞ〜みたいな!…えへへ」

可愛い、さっきからずっと可愛い存在が可愛い。

なんなんだこの可愛さ。


どういうか今日は疲れた。

異世界来て、ヘアピンが喋って、可愛い子にあって、まさかのスキルで冒険者になって…異世界転生ってこんなハイスピードなもんなの……?!

疲れた…

は〜〜〜〜


ギュッ

「ふぁっ!?」

思わずアリスちゃんを抱きしめちゃった。

だって可愛いし…

「あ、あの…澪ぉ……?なぁに…?」

顔をちょっと赤くしていうアリスちゃん!

かわいい!!天才的だ!

「あぁ、いやつい!ごめんね嫌だった?」

「う、ううん、嬉しい」

そしてにへへと笑うアリスちゃん

世界平和取れるってこの笑顔。

モンスターもニコニコだよこんなん…


抱きしめていた手を解いて横に並んで歩く。

冒険者たちのどんちゃん騒ぎは終わらない。


「あの…あ、ありがとう!…一緒に冒険者なってくれて……泣いた時も…ありがとう…」

アリスちゃんがそんなこと言うもんだから私びっくり。

「どういたしまして。嬉しいな、そう言ってくれて。」

そう返すしか無かった。

「うん、……あの、、なんで私と一緒に来てくれたの…?」

髪の毛をぎゅっと握って引っ張りながら言う。


「うーーん、君がかわいいからかな」

「ふぇっ!?…あッ…ぁ、……ほ、ほんと?」

顔を赤くしながらアリスちゃんは言う。

「うん、ほんと。…顔真っ赤だね」

なんてからかいたくなる可愛さだ。

「あッ…ち、違うもん!」

両手で握ってたふわふわの髪の毛で顔を隠すアリスちゃん。

「……ありがとう。」

そうやって小さく言うアリスちゃん。


「もおーーーーーーほんっっと可愛いなぁ!!!」


「へ?」

やべ心の声漏れちゃった…。

勢いでもっかい抱きついちゃえ!!

「ふぇっ…!?あッ…あうっ………た、耐えられない〜〜〜!!!!」

と言って走り出すアリスちゃん。

ちょ、あ、

「まって〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」




『何見せられてんだよ俺様。』

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