第8話 御者 トード
軽い昼食の後、揺れる馬車の中でエイミとダイは話し合っていた。それを聞いているのだろう、馬車は揺れながら真っすぐに伸びた広い道を進む。
「この後(3時)の話の前に、これを読んでおいてくれ。お前達は、鎧トカゲを知らないだろう。それで、ギルドのやつに写させた。」
ジャックは、一枚の魔素カードを差し出す。受け取ったエイミが見ていると、後ろからダイが覗き込んだ。
「ここに、狩り方が書いてあるけど?」
「もうそれは、失敗した。同じ罠は、二度と通用しない。厄介なトカゲなんだよ。」
「じゃ、もう倒せない?」
「それで俺に声がかかったのじゃないか?」
「すみません。先ほど話に参加させて欲しいと言ったが、ぜひ、同行させてくれないか?俺は、この辺りの地理にも鉱山の中も詳しい。お願いするよ。」
「近所の方ですか?」(エイミ)
「向こうに新しい山波がみえるだろう、あれが鉱山だ。その奥に見える山の下に、俺の実家がある。」
「ほう、お前は『トカゲの村』の出身か?」(ジャック)
「そうです、トカゲの村に行った事があるのですか?」
「冒険者は長いのでね、行った事は無いが知っている。」(ジャック)
「あの山が、トカゲの生息地だと聞いている。そのトカゲを狩る冒険者と鎧をつくる職人が集まって出来た村で合っているな。」(ジャック)
「はい、その(エイミの持っているカード)情報が広まって、あっという間に出来た村です。最も、今ではトカゲが狩れないので、残っているのは年寄りと稀に見つかるトカゲを狩る冒険者と、それを解体している者だけです。」
「ジャックさん。一緒にやりましょうよ。地元の人なんて、めったに頼めませんよ。」(エイミ)
「・・・」
「あ、心配しないでいいです。ジャックさんは、斥候ですよね。居ない時の方が多いです、だったら私達が守って見せます、大丈夫です。」(エイミ)
「あんた、トカゲの村で何をしていた?」(ジャック)
「村では、猟師をしていました。村人同士で、肉や野菜を交換したり、たまに来る行商人に、狩りの素材を売って生活雑貨を買う生活です。
ギリギリの生活をしていたのですが、鉱山が出来たので雇ってもらいました。
そのうち、妻をもらい鉱山で暮らしていたのですが、危険な仕事は辞めて欲しいといわれ、この仕事に変わったのです。
それも、今日ギルドに言ったら『これで最後だ、トカゲがいなくなったらまた頼むから、それまで(村に)帰った方がいい。』と言われたのです。
鉱山の案内なら、詳しいです。ぜひお手伝いさせてください。」
「ジャックさん、いいですよね。」(エイミ)
「お前達が、面倒見るんだぞ。」(ジャック)
「ありがとうございます。俺、トードと言います。トカゲ退治がんばります、それまで、よろしくお願いいたします。」(トード)
トードが仲間になった。
アーマーリザード・・・一般には、鎧トカゲと言われている。頭部から尻尾まで頑強な皮が物理攻撃と魔素を含んだ構成が魔法攻撃を無効化する。腹部・首付近は、比較的硬くは無いが一般的な鉄製の武器では通用しない。魔法を保有。気配遮断のスキルは、ほぼ完全に気配を消してしまう。
基本、群れで集団生活をしている。産卵時は、群れを離れ洞窟など安全な場所で孵化させる。一月程経つと、群れに戻る。
なお、通常は臆病な性格で逃げるしまうが、空腹時に人を襲い食ったという報告がある。大きく強力な歯は、人の手足を一噛みで、食いちぎってしまう。
討伐(Eクラス(A+))成獣で体長2m程。特定の山地、河川付近に生息。生来、臆病な性格で人里の付近で見かけない。
討伐は、餌に睡眠か麻痺の毒を仕込み、魔素爆弾を口内に入れ頭部を破壊する。なお、仲間に見られたり、餌に毒が入っているのを悟られた場合、そのトカゲ(の群れ)の討伐は失敗となる。同じ討伐方法は、二度と通用しない。(A+は、討伐に失敗した場合の、その個体(群れ)の評価)
採取(A+クラス)その皮を加工した鎧は、最高品質に仕上げっていれば「王の鎧」と呼ばれる程の性能を持っている。物理攻撃無効、魔法攻撃無効(いずれも衝撃は防げない)と、伝説に出てくる鎧と同じ性能を持っている。現在、目撃情報が少なく、乱獲により僅かに生き残っているだけと言われている。




