第4話 エイミとダイ
順番が回ってきた、路線馬車はここで終わり、馬車は中で泊まるが次の日戻ってしまう。入場出来なくてもそれは、自己責任になる。
御者が困った顔をしている、先ほどから姉弟と話していた内容は明日の護衛だが、姉弟はフォーレンでひと稼ぎしたいらしい。困った顔で頭を掻きながら、仕方ないとギルドに向かうようだ。
入場審査は、簡単に終わる。冒険者ギルドのカードを見せれば、フォーレンでの「過去の入場履歴」「犯罪履歴」「特記事項」が分かる。カードの似顔絵と顔を見比べて終了となる。俺の前に姉弟がいたが、問題なく入場できるようだ。
二人は、辺りをキョロキョロ見渡している。
「どうした、ギルドの場所かい?」
俺が声を掛けると、頼もしい友人に会ったような笑顔に。
「お願いします。」
「じゃ、ついて来るといい。ここにしばらく居るのなら宿もいるだろう、一緒に来るかい?」
「いいですか、それもお願いします。」
俺も笑顔になる、こんなに素直に言われると妹夫婦を思い出す。
「そう言えば名前を聞いていなかったね。」
「そうでした、失礼いたしました。私は、エイミ。弟は、ダイです。よろしくお願いいたします。」
「俺は、・・知っていたな。」
「はい、ジャックさんは有名ですから。」
ギルドは、門に近い所にある。魔物の解体依頼が多いので、出来るだけ門に近い所につくる。馬車は、別の道に入っていった。宿に馬車を預けてからギルドに行くのだろう。
姉弟を連れ、依頼の張ってある掲示板に連れて行く。その数に目を丸くして見てる姉弟は、若い自分を見ているようだ。
掲示板の横に一人の冒険者。俺に片手を挙げて立ち去ろうとする、闇ギルドの関係者が依頼完了を見届けた・・と、消える前に素早く近づき。
「俺から依頼がある。」
魔素を紙状にしたメモを渡すと。
「悪いが報酬が分からない、後払いで良いなら現物交換で受けよう。」
「分かった、ただ最後の注意書きだけは守れよ。」
「そうする。」
そう言い残して冒険者は、帰って行った。
「さっきの人は、知り合いですか?」
依頼の数に気後れした姉弟は、俺に近づいて来る。
「古い知り合いだ。掲示板はもういいのか、宿にいくか?」
「はい、お願いします。」
もう遅くなったので、ギルド受付も「依頼受付」と解体カウンター以外は閉まっている。
「ここで稼ぐなら登録の変更がいるだろう、あっちだ。」
指さしたカウンターに「登録変更」のふだがぶら下っている。
「わかりました、買い物もあるので明日来てみます。」
「ああ、俺もしばらくここにいるから、なにかあればよろしくしてくれ。」
その後、冒険者達が定宿にしている所に連れて行く。俺も泊りの金を払うと、夜の町に飲みに出かけた。しばらくぶりの町は、確かにきれいに掃除が行き届いている。裏通り、古びた酒場に情報通が多い。情報と引き換えに飲み代を払ってもらうのだ。




