第17話 作戦会議と金貨
翌朝トードの家、ギルドからの召喚待ちのトードを入れて、作戦会議が始まる。
しばらくエイミとダイの話を聞いていたジャックから。
「エイミとダイ。ギルドの昇進試験、上がれないだろう?」
「・・・なぜ知っているのです?」(エイミ)
「あいつら(試験官)、汚いんです。苦手な魔獣を倒せって。」(ダイ)
「聞いていて分かった。お前達、相手の事を知ろうとしないし考えていない。」
「・・?」
「分からないようだな。そうだな、実際やればわかるか。」
「鉱山は誰がやっている?」(ジャック)
「んーと、何とか商会?」(ダイ)
「ブラック商会?」(エイミ)
「ブラッド商会だ。」(ジャック)
「最初は、ダイ。言葉で解放するやりかたを言ってみてくれ。それに対するブラッド商会は、エイミだ。」
「オレは、鉱山に行って皆 解放してやる。」(ダイ)
「どうやって?」(ジャック)
「仲間、そうだなスラムの仲間を集めて鉱山の連中を縛る、その後みんなを連れて逃げればいい。」
「どこに?」(ジャック)
「・・・・、フォーレンに連れて来たら、また鉱山に戻るから。村に囲まってもらう。」
「10年とかでも?」(ジャック)
「そのくらいになったら、村人になってる。」
「では、エイミ。奴隷が連れ去れた、どうする?」
「馬車を使っていないようなので、周囲の村を捜しますね。馬車を使えば、土埃やわだちの後で追跡します。」(エイミ)
「100人連れ去られて、80人連れ戻した、鉱夫が足りない。どうする?」
「また、スラム住人を奴隷にする。」(エイミ)
「えー、姉ちゃん、ひどいよ。」(ダイ)
「次、エイミ。」
「そうですね。私は、スラム住人を連れ去ろうとしているのを、やめさせます。」(エイミ)
「今回は、鉱山が一気に動き出すだろう。スラム住人も、大勢を短時間に集めるだろう。俺なら、人目に付かない様に、3~4カ所で3~4人集める。それを2~3日やれば、20~30人は集められる。
その1カ所で邪魔をされても、他の場所で集めればいい。」(ジャック)
「だったら、その後をつけます。場所が分かったら自警団と一緒に助け出します。」(エイミ)
「自警団か。町の治安を守るのが自警団だ。炊き出しを貰わない一部のスラム住人が、市場の物を持って行ったり、町の住人を脅して金を奪っているは知っているな。そんな住人を助けるか?逆に減って良かったと思うのでは。」
「では、騎士団に頼みます。」(エイミ)
「騎士団は、町の防衛をする領主の物だ。領主がスラム住人を助けに行くのか?」
「・・では、皆で行きます。」(エイミ)
「4人で、アジトを襲うのか?」
「だめですよね。」(エイミ)
「何が悪いか分かるか?ダイがやろうとしてのは、犯罪だからな。人の者(奴隷)を奪っている、強盗罪だ。」
「うそ、オレは人助けしているんだよ。」(ダイ)
「そうね、ダイは犯罪者だわ。」(エイミ)
「ひでえ」(ダイ)
「それでは、次に”金”で鉱山を見てみるぞ。」
「かね?」(ダイ)
「鉱山から、毎日1000枚金貨が得られる。」
「凄い。」(エイミ)
「実際は知らん、たとえだ。」
「なんだ。」(エイミ)
「鉱山の山は領主の領地だ、金貨300枚で、ブラッド商会に貸してやる。」
「高い、そんなに取るんですか?」(エイミ)
「噂から判断すると、大体こんなもんだろう。次いで、街道だ。土地代は、金貨400枚だが、街道にしたのはブラッド商会だから、それを引いてやるから200枚でいい。
ただ、街道にしたので穀物が作れない。その分で金貨100枚だ。」
「えっ?領主は、そんなに取っているのですか?」(エイミ)
「あくまで噂だが、これくらいで合っているだろう。」
「すごく高いね。」(エイミ)
「鉱山の初期費用は、自分で出しているだろうから、毎日かかる経費分だ。
一番高いのが給金だな。一日三交代の鉱夫が毎日ざっと金貨200枚、鉱山技師(助手)、土性魔法使い、事務員、賄い、雑用合わせて金貨10枚という所か。
それから大事な賄い、食材だな2食で金貨10枚。
次に、坑道資材、爆弾、魔石、トロッコや高炉の維持修理で金貨20枚。
地上の建物、設備、街道整備で金貨5枚という所か。
それと鉱石と資材運搬だなトード達の鉱夫運搬もはいる、荷馬車は自分持ちだが痛みがひどいと聞いているで全部で金貨20枚という所か。
忘れてダメなのが寄付金だ、それとブラッド商会に払う分もいれて、金貨30枚という所かな。
あとは、雑費まあ積み立て分だな災害とかに使う金貨5枚。エイミ、いくらになった?」
「えーと、金貨300枚です。寄付とブラッド商会ってなんですか?」(エイミ)
「例えば、冒険者ギルドだ、魔獣が出れば、すぐに来る。あとは、街道周囲の耕作補償、まあ、ホコリで汚れた補償分だ。それと、町の役人に渡す賄賂。そして、ブラッド商会には余分に渡しておく。鉱夫が『約束と違う、給金をもっとよこせ。』とか言い出すと、怖いお兄ちゃんを派遣してくれる。」
「汚いですね。」(エイミ)
「きれいな事だけしていれば、儲からないだろうからな。」
「それで、毎日、金貨100枚儲かる計算だ。」
「それは凄いですけど、領主様が取りすぎです。」(エイミ)
「じゃ、どうする?」
「交渉して、減らします。」(エイミ)
「だったら、権利を他の商会に貸すから出て行ってくれ。」
「え?」(エイミ)
「なんだ?他にもやりたい奴はごまんといるんだ。他をあたるよ。」
「分かりました。そっちは良いです。」(エイミ)
「諦めるのか?金にうるさいブラッド商会だよ。」
「そうですね。じゃ、この給金を下げます。」(エイミ)
「ダイ、お前は鉱夫だ。お前の給金を半分にするそうだ。どうする?」
「姉ちゃん、ひどいよ。だったら働かない。」(ダイ)
「エイミ、どうするんだ?」
「えー。じゃ我慢くらべです。」(エイミ)
「まてエイミ。毎日領主に払う分はどうすのだ?お前の小遣いから出すのか?」
「あ、そっちがあった。分った、給金は下げない。」(エイミ)
「え・・それで。」(エイミ)




