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神になれなかった双子  ジャック外伝  作者: 神取優
鉱山の鎧トカゲ
15/23

第15話 トカゲ村

ここ迄で、前半は終わりです。


話は、つながっていますでしょうか?

ジャック外伝と並行して、外伝の貴族編の話を開始します。

貴族編は、外伝のネタバラシにもなっています。


後半は、フォーレンでジャック達が・・・

 翌日、マリスは遅い時間 食堂に現れた。決められた時間は無いので、何時でも食事はとれるが鉱夫達の交代の時間に合わせてある。鉱夫が居なくなってもそれは変わらない。


 人数に合わせて作っているで。

 「ちぇ、残り物かよ。」

 愚痴っても、品数が増える訳ではない。


 近くのテーブルに座り、食べようとするが 周りの視線に気づく。

 顔を上げ見渡すと、マリスの挙動を見ている。

 「どうかしたか?」

 パーティーメンバーの女魔法使いが、答える。

 「今日は、遅いからどうしたのかな?って。」

 「あぁ、そういう事か。それなら今日は休みだ。さすがに昨日は疲れた。」

 「そうですか・・、それじゃ皆さん、これからどうします?」

 「そうだな・・マリスさんが行かないなら・・。」

 どうやら、昨日のあらましを聞いて、完全に戦意を失った冒険者達も休むようだ。


 「俺達は、どうする?」

 食堂の奥で、様子を見ていたジャック。

 「えーと・・・」

 「どうした、ダイ?」

 「弟は、この防具を直したいようです。この鉱山に防具修理の職人はいないので、フォーレンに戻りたいのだと思う。」

 「そうなのか?」

 「はい。でも、それだとかなり時間がかかるので。」

 「遠慮していたのか。」

 「それなら、私の村に行きましょう。村で猟師をしていたので、獣道を歩いて村に行くなら3時間で行けます。修理は、親父が出来ます。親父は、年は取っていますが良い腕の防具職人です。明日には、戻ってこれますよ。」

 「それで、いいんじゃないか。トードの村で直してくればいい。」

 「じゃ、私も行く。トカゲ村って興味あるし。ジャックさんもどうですか?」

 「俺?・・そうだな、一回様子を見に行くか。」


 昼過ぎに村に付いた、本来の道でないところからトード達は近づく。

 「誰だ!」

 いきなり木柵の奥から槍を突き出された、猪だと思ったのかためらいの無い良い突きだ。

 どこから出たのか、ジャックのナイフが矛先を弾く。

 耳に響く金属音で、槍の方向が変わる。

 「あぶねえ、俺だ、トードだ。」

 「トード?」


 トードが顔を見せると。

 「済まねえ、てっきりトカゲが戻ってきたと思った。」

 「トカゲ?また、捕まえたのか。」

 「い・・・・」

 ジャックの姿を見て急に、言葉が止まる。

 「トード、何しに来た?」

 何か変だ、話を変えようとする。

 「親父に修理してもらいたいから、帰って来た。」

 「そうか、親父さんなら家にいる。さっさと行ってくれ。」

 「ああ。」

 なんかおかしい。


 木柵の扉は閉まっていた。トードの様子から、普段は開いてるらしい。


 途中、トードと会った村人は、挨拶はするがなんかよそよそしい。


 親父さんに挨拶して、ダイの防具を見せると明日迄かかると言う。

 おふくろさんも久しぶりに会うのだろう、(一緒に)泊っていけと言うので厄介になる事になった。その夜、ジャックの姿が無かったのは・・・。


 お昼までに終わると言う親父さん。それならと居間でお茶会が始まった。


 雑談から始まり・・・少しずつ核心に・・・


 「ここに来る途中、トカゲが逃げたとか言っていたけど、()()()()()()トカゲが逃げたんですよね。」

 ジャックがさりげなく、おふくろさんの顔をうかがう。さっと、顔色が変わる。

 「ええ・・・」

 言い淀むみ、息子の顔を覗き込む。

 「かあさん、おれも聞きたいな。」

 「・・・」

 思案していたが、息子に言われてか・・話好きなのか。

 「ここだけの話にしてね。」

 テーブルに顔を近づけ小声になる、ジャック(エイミとダイ)とトードもつられてテーブルに顔を寄せる。


 「何か月も前、久しぶりにトカゲが捕れたの。いつもの様に檻に入れ、餌を与えないで弱るのを待つのだけど、今回のトカゲは、麻痺が取れると大暴れしたのよ。

 長ーく使っていた檻なんだけど、腐っていたようで何度も体当たりをされると、折れてしまったの。

 トカゲを捕まえると、安全になる(殺す)まで村への扉を閉めてしまうでしょ。

 逃げ場がなくなったトカゲは、()()()()に逃げ・・・」

 ここで、急に言葉が途切れる。

 「知っていますよ。()()から言われて掘った穴ですね。」

 ジャックは、カマをかけてみた。


 夜、周囲を探ってみると、厳重に囲われた穴?を見つけた。

 音をたてない様に、囲いをずらし・・中に入ってみる。

 暗い穴の奥に、落盤の後・・その上部は、不自然に吹き飛んでいる。


 誰の指示で掘った穴か分からなかったが、この村は領主が管理している。ならばと。


 「え・・、よくご存じで。そうです、トカゲが捕まる前に領主様から言われて、掘った穴です。何でも掘った先に、鍾乳洞があったとかで。

 結局、鍾乳洞に逃げたのだろうとなりました。領主様に相談すると、掘った穴を壊して穴を塞ぎ、弱るまで待っていろ。と言われ、そうしたのですけど。」

 「いつまでたっても、弱る気配が無い?」

 「はい・・(ジャックが気味悪くなってきたようだ)、村で『魔素を感知』出来るのは、一人しかいません。その人が、まだ弱っていないというのです・・・ひと月もずーとです。私達も気味が悪くなって。」

 『この時は、まだ魔素を感知で来たのか。』

 「それからです、急にトカゲが消えたと言い出したのです。それに合わせて、隣の鉱山でトカゲが人を喰って暴れているって聞いた時は、とてもビックリしました。

 みんな、怖がって穴を塞いだのです。出て来て人を襲ったら怖いです。」

 「鉱山のトカゲと村のトカゲが同じだと?」

 「それ以外考えられないと皆で言っていました。一月もなにも食わないで生きている化け物なら、どうにかして鉱山に行ったのだろう、ってみんなが言っています。」


 「そのトカゲが、出て来た?」

 「夕方、村の人が歩いていると、脇を走り抜けて村の外に出て行った、と。」

 「それで、帰っていないかと警戒していたのですね。」

 「は・・い。」


 お昼までに、出来上がった防具を受け取り、昼食をご馳走になったトード達は鉱山へと戻って行った。

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