第12話 マリスの特製兵器
やはり奴隷の話を・・少し、後悔している。
「二人で話し合いました、トカゲ退治がんばります。報酬は決めたままでいいです。それでお願いがあります。」
奴隷解放を、やりたいので協力して欲しい。と、言われても。
役人を言いくるめているのだから、解放を始めたらどうなるか分からない事。
鉱山奴隷を買いとるのは、意味がないからやめる事。
役人を敵にすればただで済まないは、理解したようだ。これ以前に、何かあったのか?
ただ、トカゲの報酬で奴隷を買いとる事にしたようだ。
そこで、シミュレーションしてみた。
「奴隷は、買い取れるだろう。ただ、鉱山に必要な人材だから、相当の金になるがいいかな?」
「どれくらいに?」
「買った2倍は、言うだろう。」
「それでも買い取ます。」
「はい、買ってもらいました。では、この金で今までの2倍の奴隷を買いましょう。」
「え?」
「で、買い取った奴隷は、解放しました。スラムに戻りました。また、奴隷として鉱山にきました。」
「ええぇ。」
「分かったか。買い取っても意味がないのだよ。そのシステムを壊して、この行為を辞めさせないと永遠に続く。」
「分かりました。ジャックさんに付いていきます。ぜひ、お願いします。」
『はぁー。こうなるんじゃないかと思った。』
かなり憂鬱になり、前をみていると、トンネルに入っていった。
トンネルは、カマボコが3つ並んでいる、2つは交互通行用で、1つは歩行者と事故(車軸が良く折れる)の回避用だという。中は、地下鉄の中間壁の様に所々穴が開いていて、事故時に馬車は、隣のレーンを走ることができる。
「トードさん、あの灯りは何で出来ているのですか?」
「あれは、魔石だよ。と、言っても価値の低い魔石を使っているのだ。鉱山に錬金のスキル持ちがいてね。魔石の表面を発光体(発光ダイオードと同等)に変えるんだ。それと魔石を魔素の線でつなぐと、あの様に光るんだ。消耗品だから、消えたら、交換するだ。魔石灯と呼んでいる、鉱山にも使っているだよ。」
「明るくきれいです。」
馬車は、トンネルを抜けて鉱山町にはいる。そこには、さらに憂鬱にさせる者が待っていた。
「やあ、お迎えかな?」
「そうさ、かなりお待ちかねだったよ。やっと来たね。」
「そんなに、俺を持っていたとは、嬉しいね。」
「はっ?」
マリスの目は、ジャックを見ていない。馬車の奥を見ている。
改めてジャックに向きを変え。
「誰が、君を待っているって?」
ここでジャックは、気付いた。ジャックが乗り込む前、馬車に積み込まれ動かない様に固定された木箱がある事に。
「ああ悪い、俺の勘違いだわ。じゃ、先に行くな。」
「まて、一緒に行く。おれは、馬車が来たと言うから、荷物が来たか見に来たのだ。」
マリスのパーティーも、馬車に乗り込み走り出した。
まだ夕方前だが、マリス達は、鉱山から出て来たと言う。そこで馬車の到着が近いと聞き、トンネルに向かって歩いて来た。
馬車は、事務所を目指す。そこには、作業報告、明日の作業割当、道具類の補充や修理依頼など鉱山の事務所と冒険者達の討伐報告を聞く事務所がある。その他に、食堂、共同宿舎、衛生施設(浴室、トイレ)などの世活施設が一緒に連なっていた。
到着報告の為、事務所前に止まると。マリス達は報告の後、木箱を取り外して食堂へと運んで行った。
ジャック達は、到着を報告し、部屋割りと施設の説明を受けた後、食事の為 食堂に来ていた。
そこでは、得意げに木箱から出した兵器を組み立て、ご満悦なマリスがいた。
「これで、トカゲも一発だ。」
食事の床に組み立てられたのは、『バリスタ』据え置き式の大型弩砲。矢では無く槍を放出する為、弓部分より槍を収める部分と滑走する部分が長い。
「やあ、来たか。これを見てくれ、フォーレンの一流の武器職人に作らせたのさ。それにこの槍。槍先の穂は、刀身じゃなくミスリルの槍にしたんだ。」
槍の先は、先端が細い円錐状の金属が付いている。その金属がミスリルなのだろう。
「今日は、残念だったが明日は、一組だけにしてもらった。そうだ、君にも見学させてやろう。おれが、こいつでトカゲをあっさりと殺すのをな。ぜひ来てくれ。
そうそう、こいつが来るのが遅くなった訳がある。この槍の先には、特別な毒が塗ってある。フォーレンの有名な薬師に作らせた、強力な神経毒だ。ある特別なカエルの毒さ、決して先には触るなよ。死ぬぞ。」
エイミとダイは、瞬時にジャックを見る。やれやれと顔をしかめるジャック。
『あいつ、マリスの依頼でカエルを探していたのか。』
今日は、坑道に2組の奴隷が入って採掘していた。
トカゲが現れたのは、マリスのいない奴隷の組だった。
なお、他の冒険者達は、マリスのパーティーとジャックのパーティーが来ると知らされ、鉱山に入って邪魔をするより見物する事にした。
早々に引き上げたマリスは、明日の採掘組を一組とするように、事務所と掛け合った。
明日は、マリスのパーティーがバリスタで、どんな討伐をするのか見ものだと。冒険者達は、食堂で酒を飲みかわし盛り上がっていた。




