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封印少女、持ち帰ります。  作者: ぱふぇ
一章-異世界への転送
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1話:異世界ナゼそこに?地球人

本章開幕です。

一瞬、目眩がした。

視界が白く塗りつぶされる。

だんだん視界が戻ってくると、そこは──



「いや、何処ですかここ」



教室ではない。そこは平原だった。

笹野先生が思わずツッこむのも無理もないだろう。瞬きもしていないのに、ほんの一瞬の立ちくらみに似た感覚に襲われ、それが晴れた途端、見知らぬ場所にいたのだから。


そして、ただ一口に『平原』といえど、ここはただの平原ではない。

ワタルたちの周囲は木が無数に倒され、酷く荒れていた。


クラスメイトは、プチパニックを起こしていて、所々から驚き、恐怖、興奮などの声が聞こえる。



(転送……?魔法陣くらいあるもんだと思ったけど……)



そんな喧騒を気にせずにこの異常事態に思いを巡らせているのは、ワタルだ。

何作もの異世界転生ラノベを読破してきたワタルは、こういう時に何をすればいいのかの見通しはほとんど立っていた。


そして、そのワタルの隣にも、冷静に考えている生徒がもう一人。



「んー、召喚じゃ……ない?でも、転生でもないね……。転送かな?でもなんで?ワタルくん、何か分かる?」

「僕は、転送ってやつで間違いないと思う。でも、原因が分からない……。一応異世界だから、ステータスがあると思うけど、よくある『ステータスオープン』では開かなかった」

「そっか……」

「リュウちゃんは、何かわかったことある?」



ワタルと同じく、オタク仲間の《リュウちゃん》である。


平均的な身長を持つワタルよりも頭一つ分ほど低い身長の彼は、いつも頭上にワタルの頭を見ている。本人は、その身長の低さを少し気にしているようだ。


この前だって、学校で女子に頭ナデナデされていたものの、数時間後、ワタルの家に遊びに行った時は、「カワイイ、じゃなくて、カッコイイって言われるようになりたい!」と豪語していた。


いつも女子に可愛がられて、嬉しい。

でも、もうちょっと男前になりたい。

嬉しい。

でも、なんか悲しい。

嬉しい。悲しい。嬉しい。悲しい。

リュウちゃんの心情は、複雑なようだ。


だが、そんなリュウちゃんは、名前だけは男前…である。


リュウちゃんの本名……鳳凰林(ほうおうりん) 暴龍天凱(ぼうりゅうてんがい)

普段は滅多に人のことをニックネームで呼ばないワタルをもってして、名前が長い故にニックネームで呼ばれた男、暴龍天凱。

見た目と名前のギャップがある意味素晴らしい。



「わかったこと……うーん、特にないなぁ。とりあえず悟君達に、これからどうするべきか相談してこよう。悟君と先生がいればだいたいまとめてくれるだろうし」

「じゃあ、ボクも一緒にいこっと」



ワタルたちは、まずは悟達クラスメイトと今後の相談をすることにした。

ワタルと暴龍天凱は、未だに混乱の最中にあるクラスメイトたちの元へと足を進めた。

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