EPISODE 1 紫炎覚醒 その12
その12です。この作品では初めての!… 若干のギスギス展開です?… 。
すみません。やっぱ嘘です。
まだ12話ですが、前書きで何書いていいか分からない… 、筆者トマトジュースです。
ヴァイサーチェルは縦横10メートル近くはある、巨大なモニターの前に立っていた。
彼女の傍にはグローリアスも並び、モニターの方を見ている。
彼らが見つめるモニターには間 炎が映り、何がそんなに可笑しいのか?、口を手で押さえ必死で笑いをこらえている様子だった!… 。
ヴァイサーチェルは、そんな間 炎に何とも言えない複雑な気分になった!… 。
一方彼女の隣に立つグローリアスは、くすくすと笑いを漏らす間 炎に対し!… 、苦々しい表情を浮かべていた!… 。
モニターに映る間 炎は、溢れ出る笑いを必死にこらえつつ!… 、ヴァイサーチェルに話しかけた… 。
「… ヴァイサーチェル!… すまない。君の報告が余りにも可笑しくてな!… 。つい!。」
「… はぁ〜 。」ヴァイサーチェルは、困惑気味に返事を返した!… 。
間 炎はもうこれ以上笑うのはよしておこうと思ったのか?、自身の両頬を二回叩き!… 、いつもの静かで淡々とした口調の間 炎に戻るとヴァイサーチェルに!… 。
「… ヴァイサーチェル!… 、単刀直入に言う。そのお腹の子供は絶対に産め!… 。その間はいくらお前に頼まれたとしても、紫炎の修行は一切しない。解ったな!… 。」
さっきまで笑いをこらえていた男とは同じ人物とは思えない程、先程とは打って変わって!… 、冷淡な口調ではあるが、明らさまに脅迫に近い文言で間 炎はヴァイサーチェルに言い放った!… 。
「… 解りました。」間 炎のこの提案にヴァイサーチェルは静かに踵を返した!… 。
間 炎はヴァイサーチェルが特に何の意見も返して来なかったので、面白味が無いと感じ、独り言程度の感覚で彼女に対し… 。
「しかし!、セレハさんもぶっ飛んだ事をするな!… 。まさか?。藍田 縁の子を身籠るとは‼︎ …… 。」
「… マスター 炎その事について少しお伺いをしたいのですが?… 。」
「… 何だヴァイサーチェル!… 。」
ヴァイサーチェルは神妙な顔つきでモニターに映る間 炎に詰め寄った!… 。
「… この身体に宿した子供は、もう一度検査をしましたが、父親は藍田 縁で間違いありませ。それが同意の上なのか無理矢理なのかは私には解りません。しかし!… 、当の藍田 縁はとてもセレハを孕ませる様な度胸は無いと思います!!! … 。
あの星で会った藍田 縁を一目見て解りますが!… 、あの顔つきや眼差しは臆病者のそれです!… 。何かを使用としても、寸前で尻込みしてしまって何も出来ない者です!。
だからここらかは、あくまで私の仮説ではありますが!… 、この身体の本来の持ち主であるセレハがどうやって藍田 縁の子供を妊娠したかと言えば!… 彼女自身が藍田 縁に何か!……… 。」
「うふふふふふふふふふふふふふふ… 。」
ヴァイサーチェルが話している最中に!… 、彼女の発言を遮る様に冷淡な表情に戻っていた間 炎は・再びうすら笑みを浮かべ、口元を手で押さえた!… 。
「… 何か?、私は可笑しな事を言いましたか?… 。」ヴァイサーチェルは再び笑いだした間 炎に不安な表情を向けた!… 。
「… すまない。ヴァイサーチェル!… 。
ただ!、やはりお前は可哀想ぐらい余計な事に勘づいてしまう女だと思ってな!… 。」
「… 何がですか?。」
間 炎に質問して来たヴァイサーチェルに対し、彼は流し目で口元をローブの袖で隠しながら、どこか妖艶な雰囲気で!… 。
「… 何がって?… そんなの決まっているだろ。君が予想した通りだよ!… 、ヴァイサーチェル!… 。これも単刀直入に言おう。藍田 縁がセレハを孕ませたのでは無く!… 、セレハが藍田 縁を襲って無理矢理種付したんだ!… 。これは仮説では無く、限りなく事実に近いと思うぞ!… 。彼女の性格なら間違い無くしかねない!!!…… 。」
ヴァイサーチェルは自身でも予想していた事だったのだろうが!、それを聞いても特に同様したり、何か反論したりは無かった… 。
しかし!… 、いざその事を間 炎に自信有り気に、事実に違いないと言われると、思考が考える事を拒絶し!、ただ黙って間 炎の映るモニターを見つめる事し出来なかった!… 。
【1】
「… ついにアッタク28回目にしてようやく底に降りきったたぞ!!!… 。」
藍田 縁の歓喜にも似た叫び声が、あたりに響いた!… 。
彼が喜びのあまり叫び声を上げてしまった場所は、辺り一面暗闇に覆われていた。
上を見上げても光すら見えず!… 、唯一辺りを照らすのは、アイダ・エンが手に持っている何故か?、先端が光る杖だけだった!… 。
「… 意外と早やく降りきったな!… 、この調子で他の課題もどんどんこなして行こう… 。」
光りが無ければ、自身の姿すら確認できない様な暗黒の中で、光る杖を持っているアイダ・エンは、顔だけが暗闇で照らされ、軽くホラーちっくな印象を与えていた!… 。
「… アイダさん!… 。一番最初にこの巨大クレバスの底に降りろって言われた時、この下には俺は強くする物が有るって言ってましたけど!… 、実際何があるんですか?… 。」
縁のこの質問にアイダ・エンは何故か?、クスッと含みを持たせた様な笑みを浮かべ! 、そして!… 、質問している縁とは違う方向を見ている様だった?!… 。
ただ!… 、辺りが全く見えない暗闇の中、顔だけが照らされた状態で笑われると、とてつも無く不気味なので、せめて身体の辺りを照らせと心の中で思ったが、余計な事を言えばまた話しが長くなると思い!… 、その事を言わずに縁はアイダ・エンの顔をなるべく見ない様にしていた!… 。
「… 何か?、向こうにあるんですか?。」縁は自分の方を見ずに、どこまで先が続いているかも解らない、暗闇の向こう側を見つめるアイダ・エンに何気ない感じで質問をした!… 。
‼︎ …… その瞬間だった!。
アイダ・エンが手にしていた光る杖が突然消え!、辺りは本当の黒一色の暗闇になった!… 。
目が慣れてくれば例え暗闇でも見えてくると言うが、あんなのは結局どこかしらから光が漏れて、そのお陰で見えているだけで、光を完全に感じない様な空間では、自分の足元どころか!… 、上下左右の感覚すら歪に感じるほど、形容しがたい不安定な状態に感じる!… 。
「… なんで!、明かりが消えたんですか?… 。ってか‼︎ 、アイダさんどこ!!!…… 。」
突然明かりが消えた事に軽いパニックを起こした縁は!、姿が見えなくなったアイダ・エンに向かって声を上げた!… 。
「… 藍田君!… 、騒がなくていい… 。私はここだ!。」
縁がパニックのあまり一心不乱に叫んでいると、突然アイダ・エンの声が顔の右側から聞こえ!… 聞こえたと同時に縁の腕を何者かが掴む感触がした!… 。
縁は、腕を掴まれた瞬間… 、「ヒッ‼︎」と声を上げてしまったが、「… 今君の右二の腕を掴んだのは私だ。」と再びアイダ・エンの声が右側から聞こえて来た!… 。
アイダ・エンの声でどうにか冷静さを取り戻した縁だったが!… 、どこに何があるかも解らない暗闇の中では、自分の意識だけしか感じられず!。そもそも!、その今、自分が感じいる意識すらも果たして本当に自分の者なのか?と疑心暗鬼に陥ってしまう程、この周囲を包む暗闇は縁の心を不安にさせて行った!!!…… 。
「 怖いか!… 。」姿は見えないが、アイダ・エンの声は近くでする!… 。その声に縁は言い様のない安心感を感じた!… 。
だが!… 、それと同時に何故?いきなり明かりが消えてしまい!。そして!… 、その事に対してアイダ・エンは何も行動を起こさないのかと言う… 、当たり前の疑問が縁の脳裏を過ぎった!… 。
縁が色々頭の中で思案していると!… 、暗闇の奥から小さくて丸い光が一つ点灯した!… 。
その光をみた縁は最初何事だと!、再びパニックに陥り悲鳴をあげそうになったが!… 、「静かにしろ!… 。」とアイダ・エンがいきなり縁の口を抑え耳元で囁いて来た!… 。
暗闇の奥で光るものは、何故か上下に揺れていた!… 。そして、 最初は蛍の出す光程度の大きさだったが!、次第に大きくなっている様に感じる!… 。
‼︎ …… 縁はその時になってようやく気付いた!… 。光の点がどうして上下に動き、動く事に大きくなっている様に見えるのか!!!…… 。
近づいている‼︎ … 。上下に動いてるのは跳ねながら何かがこちらに近づき!、大きく見えるのも単純にこちらに接近しているから!!!…… 。
縁は得体の知れない物が近づく恐怖に声を上げて逃げ出そうとしたが!… 、縁の口だけを押さえていたはずのアイダ・エンは、縁が光にビビって意識をそちらに向けている間に、いつの間にか縁の身体を羽交締めにして!… 、逃げられなくしていた!!!…… 。
縁は自分達に近づいて来る光を何とか遠ざけようと声を上げたが、声が出なかった!… 。
縁は何回も叫んだが声が出ない!… 。そして、何回も叫ぶ内に気づいた!… 。声が出ないのでは無く、音が出ないのだと!。だとすれば考えられる子供など一つ!… 。
「… このクソ野郎!、紫炎使って音消してっなー 。」縁は後ろを振り向き、暗闇の所為で姿は見えないが、多分今自分を押さえつけているであろうアイダ・エンに向かって、悪態を心の中で吐いた!… 。
そうこうしていると光の点は、暗闇で全く距離感は解らないが、相当自分達に近づいて来た様に縁は思った!… 。
縁はもしかしたら何かをされると思い目をつぶった!… 。
しばらくの間目を閉じたが、何か身体に感じる様な異変は無く!… 。恐る恐る目を細めて光る物体の方を見たが、その光は丁度、縁の感覚で2メートルぐらいの距離で止まり、その場所から動かずに上下に跳ねていた!… 。
光る物体は球形状の形をしており、大きさはだいたい40〜50センチ弱!。よく見ると光の中心辺りに、少し太く縦長の線の様なものが二本入っていた!… 。
縁は息を飲んで、光る物体を見つめていると、中心の二本線が一瞬消え!、また元に戻り、また消えるを等間隔で繰り返していた!… 。
何事だと縁は思ったが!、よく観察していると! 、線が消える瞬間は、線は上から下に消え、戻る時は下から上へと戻っている!… 。
「もしかして?、瞬き!… 。って事は、顔があるのか⁈ … 。」そんな考えが頭を過ぎった!… 。
「藍田君!… 。もう離しても良いかな?。そろそろ疲れた!… 。」縁を後ろで羽交締めにしていたアイダ・エンがここに来てようやく口を開いた!… 。
「アイダさん!… あれ?、何ですか?… 。」
「あぁ〜 、あれか!… あれがここに来た目的であり、君を強くする秘策だ!… 。」
「あ、あれが!… 。生き物何ですか?。アイダさん!… 。」
「厳密に言えば生き物では無いのかもしれないのだが!… 実際の所、私も詳しい生態は解っていない!… 。ただ、一つ解ったいる事はこの星に元からいる種類だと言う事だ!… 。」
「… はぁ〜 ?。」縁はいまいち解っていないのか?、気の無い返事を返し… 「危なく無いんですか?…… 。」とアイダ・エンに尋ねた!… 。
それを聞いたアイダ・エンは羽交締めにしていた縁の身体を離した!… 。
周りが暗い為、自分の身体から離れたアイダ・エンがどこに行ったのかと?、縁は最初解らなかったが!… ふと!、微かに聞こえる足音からアイダ・エンは、あの光る物体に近づいているのではと縁は思った!… 。
案の定!… アイダ・エンは光る物体に近づいており、その物体が放つ光でアイダ・エンの全身が薄く照らされていた!… 。
光に照らされたアイダ・エンは、何を思ったのか!、いきなりその光る物体に触れた‼︎ … 。
「危ない!!!… 。」縁は思わずアイダ・エンに向かって叫んだが!… 、しかし!、当のアイダ・エンは何事も無くその光る物体の頭上辺りを撫でる様に触り、触られている方の光る物体も撫でられ度に、縦長い目をへの字にしてまるで喜んでいる様な素振りを見せる!… 。
「… 藍田君!… 。」アイダ・エンが縁の方を向いて縁に呼びかけた!… 。
薄く照らされているだげで良くは見えないが、多分笑顔で縁に呼びかけたアイダ・エンは縁に対して唐突に「藍田君!… 。先に謝っておく。すまない… 。」と何故か謝罪をして来た?… 。
それを聞いた縁もこいつ何言ってんだと!… 、顔をしかめたが、その一瞬だった!… 。いきなりアイダ・エンの側に居た光る物体が・猛スピードで縁のいる方向に飛び!… 、避ける間も無く縁の股間に直撃した!… 。
「… うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!… 。」縁は鈍い金切声の様な呻き声を上げて!… 股間を押さえて倒れた!… 。
股間を押さえ、呻きを上げて倒れている縁にアイダ・エンがふいに近づいて来た!… 。
縁はアイダ・エンが自分の側まで来た事を暗闇の中で感じ取ると!… 、アイダ・エンの羽織っているローブを掴み、痛みで呻き声しか上げられない縁は!… 、ローブを何回も引っ張り、助けてくれと!、アイダ・エンに合図を送った!… 。
しかし!… 、何度ローブの引っ張っても、アイダ・エンは倒れいる縁を抱えたり、大丈夫かと心配する様な声もかけず、ただ一言… 「すまない… 。」と言って何もしなかった!… 。
縁が股間を押さえて倒れていると、いきなり‼︎
、視界ゼロの暗闇だったクレバスの底が、点々と色とりどりの丸い光が灯り!… 、それは、肉眼では数え切れない程にあり!、まるで幾千にも煌めく星の様だった!… 。
完全に周囲の視界が見えるようになったクレバスの底は、等間隔に円錐型の突起物が地面から生えており!… 、よく見るとその円錐型の内部が若干透けて、中で何かが蠢いているのが解った!… 。
最早、周囲の状況を理解するのに精一杯で、股間に直撃した痛みなど忘れていた縁だったが!
。「… あ!、あの!、アイダさん‼︎ …… 。」縁は震える声で、アイダ・エンの顔を見た!… 。
怯えきった瞳でアイダ・エンを見つめる縁にアイダ・エンは、「… 藍田君!… 。ここからは新しい修行だ!… 。とりあえず、あの今光っている玉は全部君を襲ってくるからなるべく避けろ!… 。今はそれだけでいい。」
「あっ!、後… 、」何故かアイダ・エンは地面から生えた円錐型の突起物を指差し、「あの突起物の中にいる奴は、もう直ぐ産まれてくる奴だ!… 。生まれたては人に慣れていないからかなり凶暴だ!。きおつけろ。」そう言うとアイダ・エンは身体の前で両拳を合わして縁に向かって、「… ファイト‼︎ 。」とまるで他人事の様に、縁にエールを送った!… 。
その瞬間!… 、周囲で数え切れないほど光っていた光りの玉が、縁目掛けて四方八方から飛んできた!!!… 。
【2】
「… 痛い!。」椅子に座り、顔面を大きく腫らした縁が、昔ながらの茶色い消毒液を浸したコットンをピンセットでつまんだ、助に塗られていた。
相当口の中が腫れているのか、しゃべる言葉も、相撲取りが喋る様な、篭った感じの喋り方になっていた!… 。
「… 藍田君。最初にしては上出来だったじゃないか!… 。あれだけの数から逃げ切るなんて。」
アイダ・エンは嬉しそうな顔で、縁を褒め称えていたが、当の縁はアイダ・エンを腫れた目で鋭く睨んでいた!… 。
「… 何故?、睨む。」アイダ・エンは自分を睨みつける縁にどうしてそんな目をするのかと?、不思議そうな表情を浮かべた… 。
「… 何で睨むだと!。」縁はアイダ・エンの発言に頭がきたのか?、まるで足腰の悪い老人の様に、ゆっくりと椅子から立ち上がり、アイダ・エンの羽織っているローブを両手で掴んだ!… 。
「… 何だ!。」ローブを掴まれたアイダ・エンは縁に対して怪訝な表情を見せた!… 。
「… 何だじゃねーよ!。アイダ・エン!。よくも俺をあんな所に連れて行ってくれたな!… 。お陰でこの有様だ!… 。」
アイダ・エンに対して怒りの篭った訴えをする縁だったが!、口内がかなり腫れているせいか?、何を言っているのか所々、聞き取れない箇所があり、アイダ・エンは少し、困った表情をとった!… 。
そんなアイダ・エンの表情に縁は、「ちゃんと聞いてます俺の話しを!… 。」と両手で掴んだローブを下に引っ張りながら必死で訴えた!… 。
「あー 、すまない。藍田君!。口の中が相当腫れているのか、声が聞き取り辛い?… 。」
その返答に縁は、「… もういいです。」と掴んでいたアイダ・エンのローブを離し、頭を下げてしょげてしまった… 。
縁のその様子にアイダ・エンは、「… すまない。藍田君!。たが、あれも修行の一環何だ!… 。大多数に囲まれた場合を想定した… 、大事な訓練だ!。解ってくれ!… 。それにだ、あの場所では君だけでは無く私も襲われていたじゃないか!。だから、君だけが特別不公平だったと言う訳ではないのだから、いい加減機嫌を直せと… 。」と必死に縁を説得していた!!!…… 。
「… ふざけんな‼︎ 。」縁は下げていた頭を上げ、鋭い眼光でアイダ・エンを睨み、「… あんたは、いいよな!。 紫炎を使って飛んだ来た奴の衝撃を燃やしたり、地面の摩擦消して、滑って華麗に逃げたりと、バリバリ能力使ってたじゃねーか!!!…… 。」
「… それは私に基礎的な武術や回避術があるからで、訓練無しに紫炎だけであの場を切り抜けられるかと言えばそうでは無い!。鍛えておかなければ、力を持っててもいざその状況になった時、ちゃんとその場その場に合わせて能力を適正に使う事など出来ないぞ!…… 。」
「… 知らねーよ!!!。んな事!。」縁は怒りのあまり大声で叫んだ!… 。叫んだ後、縁は顔を下に向け、腫れた目からは涙を流していた!… 。
「… なぁ〜 エン!。説明ぐらいしてやれば良かったんじゃねーか?。」縁のうなだれた様子を見かねた助が、アイダ・エンに苦言を呈した!… 。
「… 説明したら嫌がるだろ!。」
「… だけどよー 、何だか可哀想になって来たぞ!… 。」助は首を垂れて涙を流す縁に、肩をポンポン軽く叩きながら、縁を励まそうとしていた!… 。
「… 二度言うが!… 、彼は説明したら間違いなく嫌がる!… 。それにだ!、これは修行何だぞ!。多少の痛みも覚悟してもらわねばならない!!!。痛いや怖いでいちいちへこんでいたら話にならないぞ!…… 。と言うか‼︎ 、剣術の稽古で普段、身体を切ったりしている時の方がはるかに痛いだろ⁈ …… 。」
アイダ・エンは、話す言葉が後半に行くに連ら、少しずつ語気が上がっている様に感じた!… 。
「… そもそも何だが、その修行もほとんどお前が脅してやらせてる見たいなもんだろ。自分について来なきゃお前を見捨てる見たいな言い方して!… 。」
「… 選択したのは彼だ!… 。」そう言うとアイダ・エンは縁に指を指した!… 。
「… 選択?、はっ!、脅迫の間違いだろ‼︎ 。」助は薄ら笑いを浮かべて、吐き棄てる様にアイダ・エンに言葉を返した!… 。
「… 脅迫ね… ?。私はちゃんと彼の意思を尊重した方だと思うがね!… 。なぁ〜 、助さん。そもそも何だが?、私は見ず知らずの人を助ける程、お人好しでは無い!。例え、平行世界の私だからと言って、本来なら助けてやる義務は私には無い!… 。こうやって身の安全と衣食住を提供してやっているだけむしろマシだと思って欲しいね!!!…… 。」
アイダ・エンは、成るべく穏やかに話している様に聞こえるが、自分に対して妙に突っかかってくる助に、苛立ちを隠し切れない様子だった!… 。
「… マシと思えか?。そもそもお前がこの藍田 縁を助けて鍛えさせてるのも、自分を捨てたセレハへの当てつけだろ!… 。」
「… えっ‼︎ 。」助の放ったその一言に、うなだれて頭を下げていた縁は、慌てて頭を上げアイダ・エンの方を見た!… 。
「… 助さん。」アイダ・エンは助の名を優しい口調で呼んだかと思いきや、すかさず助の前に右手をかざし、何か念じる様に開いた右手を徐々に助の顔に近づけた!… 。
「… 酸素を紫炎で燃やしたって無駄だ!… 。どうせやるなら、俺ごと燃やせばいいだろ。まあ〜 、そんな度胸てめーには、ねーだろうがな!!!!… 。」
アイダ・エンが助に手をかざした瞬間!… 、助の喋り声が何故か口からでは無く、助の身体全身からまるで振動するスピーカーの様に、聞こえて来た!… 。
「… なら、やってみるか。」アイダ・エンの声は静かな口調ではあったが、底知れない威圧感を放っていた!… 。
そんな険悪な雰囲気の二人に挟まれて縁は、全身に受けた打撲の痛みなど忘れて、そわそわしながら、アイダ・エンと助を交互に見渡した!… 。
「… なぁ〜 、エン!。お前はいつもそうだ!。自分は本当は正しく無いのに、さも!、自分が正しい見たいな言い方をする。どうせこの小便小僧にも、そんな感じで教えてるんだろ!… 。」
「… 私は、自分が正しい何んて一度でも思った事は無いぞ!… 。私が行っている事が正しいかどうかは、彼が決める事だ!… 。」
そう言うとアイダ・エンは縁の方に顔を向けた!… 。向けられた縁は、えっ!、俺?。と言った表情で!… 、視線が泳いでいた‼︎ 。
「… 事態を良く理解して無い者に判断を仰いで、自分の行っている行為が正しいかどうか決めさせる何んて!… 、実にお前らしいやり方だな⁈ … 。アイダ・エン!!!… 。」
「… すまない。助さん!… 。君の言っている事が全く解らないのだが?… 。」
「… そいつに助けられ、そいつ無しでは生きていけない状態にある者なら、例えそれが間違った行為だと気付いても、それに意見するなど出来やしない!… 。ましてやこの小便小僧見たいに、唯一の肉親である母親を連れて行かれ!、帰る星も無くし!、こんな得体の知れない場所で、得体の知れない二人組からあーだこーだ言われて、自分なりの正しい判断何んてつくわけが無い!。そして、お前はそれを解った上で、小便小僧に教えや意見を説いてる!… 。そうだろー?、アイダ・エン!!!…… 。」
「… 言いたい事はそれだか。」アイダ・エンは今までの何とか感情を抑えた様な喋り方ではあったが!、今の一言は完全に今からお前を殴るぞと言った!、敵意が剥き出しの声だった!… 。
「… あぁ〜 、それだけだが!、お前は納得はしてないって感じだな!、アイダ・エン!… 。」
「君はいちいち言葉の最後に私の名をつけなければ、話せ無いのか⁈ … 。」
険悪のムードが辺りを包みアイダ・エンと助は互いを睨み合っていた‼︎ …… 。
「… いっぺん外出るか!。アイダ・エン!。」
「… あぁ、いいだろ!。頭の冷やさせてやる!。ウパールパー!… 。」
アイダ・エンと助は今にも外に飛び出す勢いだったが!、「… ストッープ!!!。」と縁が急に声を上げ険悪な二人の間に割って入った!… 。
「… ちょっ!、ちょっと待って!… 。何で二人喧嘩見たいな流れになってんの落ち着こうよ!… 。」
「… 口を挟むな藍田君!… 。これは私とこの両生類との問題だ!… 。」
「… そうだぞ!… 小便小僧!。お前が口を挟む事では無い!… 。お前はそこでじっとしていろ!… 。」
「… いや!、そう言う訳には行かないでしょ!… 。だって!、喧嘩の内容聞く限り俺が原因じゃないですか!… 。」
「… ならば何か問題か?。」鬱陶しそうな声でアイダ・エンは答えた!。
「… 問題ですよ!… 。だって悪いのは俺何だから、そのせいで二人が喧嘩するのは良く無いと思います!… 。」
「… 小便小僧、何言ってんだ!。誰もお前を悪い何て言ってないだろ!… 。」縁の発言に助は不思議そうな顔で彼を見つめた!… 。
「… 悪いですよ!… 。だって俺は自分の意志でここに来て、紫炎を覚えてシエンジャになるって言ったのに!… 、アイダさんのする修行に何だかんだで文句ばっかついて!… 、修行するんだからキツイって、解ってたはずなのに… 。」
縁はアイダ・エンの真正面に立つと、背筋を伸ばし、「アイダさん!… 。さっきはまた俺が文句を言ってすみませんでした。さっきは頭が冷えてませんでした!… 。」とアイダ・エンに向かって深々と頭を下げた… 。
アイダ・エンに約1分間ぐらい頭を下げ続けた縁は、今度は助の方を向き、「助さん!… 。何か、俺なんかのせいでアイダさんと喧嘩見たいな流れになって、本当にすみませんでした。」とアイダ・エンの時と同じ様に、約1分間頭を下げた… 。
助に頭を下げ終わった縁は、アイダ・エンと助の間に少し離れて立ち、彼ら二人に向かって今度は約3分間以上も頭を下げ続けた!… 。
縁のそんな行動に!、今まで喧嘩なムードだった、アイダ・エンと助は互いを見合わし、いたたまれない気持ちになった!… 。
頭を下げ終わり顔を上げた縁は、本当に申し訳無さそうな表情で、二人を見つめていた!… 。
「… あの、アイダさん!。俺、反省がてら外で剣術の稽古してきます。良いですか?… 。」
アイダ・エンにそう尋ねた縁だったが、その目はどこか虚ろであり、ふいに!… 、指先の方を見ると指をしきりに動かし、身体も微妙に左右に揺れている!… 。
今の彼は誰がどう見ても焦っているのが解り!… 。バツが悪いのか?、成るべくこの場に居たく無いんだろうなと言う事は見て取れた!… 。
アイダ・エンは、そんな縁の状態を察し、彼の申し出に、「あぁ… 、行ってきなさい。」と一言!… 。今度はアイダ・エンの方が何だか申し訳無さそうな顔で縁に答えた!… 。
それを聞いた縁は、やや引きつった笑みで、二人に一度頭を下げ、頭を上げると若干小走り気味に扉の所まで行きくと、直様開け!、逃げる様に外に飛び出していった!… 。
そんな縁の様子を黙って見ていたアイダ・エンと助は、互いに顔を手で覆い、溜息を吐いてうなだれた‼︎ … 。
「… 何をやっているんだ私は!… 。」
「… 俺もだ!… 。」
アイダ・エンと助の交互に口を交わした!… 。
「… なぁ〜 助さん!。やはり私には誰かを育てる何て出来ないのかもしれない?。助さんの言った通り、私は私の都合の良い様に彼を振り回すだけで、何も教えていないのかもしれない?!!!…… 。」
アイダ・エンは急にやつれた様な表情で助に自分の思いを吐露した!… 。
「… そんな事ねーよ!、エン!。お前は十分やってるよ… 。俺なんかは見てるだけで何もしない。行動に移せてるだけお前の方が偉いよ。」
「… なぁ〜 、助さん!。」
「… 何だ?エン!… 。」
「… 何で私達は喧嘩しかけたんだ?!… 。」
「… さぁ〜 、それは解んねーけど!… 、もしかしたら!… あの小便小僧にどう接して良いか解んなくて!、気付かない内に俺らはストレスを溜めてたんじゃねーか?。それが今回些細な事で爆発した!… とか?。」
「… ストレスか!… 。そうなのかもな… 。」アイダ・エンは小さく踵を返した!… 。
「… 小便小僧!。自分は悪く無いのに自分が悪い見たいな言い方してたよな… 。俺らが勝手に言い合いになっただけなのによ?!… 。」
「… あぁ、そうだな。だが!、あれが彼何だ!… 。まだ藍田君とは一か月ぐらいの付き合いだが、彼の人となりは一緒にいて大体解った… 。」
「… 解った結果どうだった… 。」助はアイダ・エンをどこか試す様な言い方をして、彼の顔を見つめた!… 。
「… それをいちいち言わねばならないか?。」
「… えっ!… 何でだ?。」
「… あ、いや!、だって… 。多分私と君の見解は同じだと思うからだ。」
助は一瞬、キョトンとした顔をしたが、「… そうだな!… 。その通りだ… 。」とアイダ・エンに返答し、納得した表情をとった… 。
アイダ・エンと助は互いの顔を会わせると、何が可笑しいのか?、クスクスと笑い始めた!… 。
「… よし!。」アイダ・エンは突然両太ももを叩くと!、「… 助さんちょと藍田君の様子を見てくる。すまないが夕食の準備をしといてくれないか。戻り次第手伝う。」
「… 何時間でも行って来い。晩飯の準備なら俺一人入れば十分だ!… 。それに!、ぶっちゃけお前がいても足手まといだしな!… 。」
アイダ・エンに悪態をついた助だったが、その顔は笑顔で、つかれた方のアイダ・エンも、嬉しそうな顔で、「… あぁ… 解った。」と助に手を振り、ニコニコしながら玄関のドアに立てかけてある杖を取り、外へと歩き出した!… 。
その12読んで頂いた皆様ありがとうございます。
いや〜 、相変わらず何やってるか分かりませんね… 。
あっ!… ちなみに何ですが、クレバスの底にいた生き物のイメージは水饅頭の様な形だと思ってくれたら幸いです… 。
決してあの丸く光る生き物のイメージは、転○ラのリ○ルではございません。
でも!… 私がこの作品を読む方の立場なら絶対この生き物… 、ドラ○エのス○イムか転○ラのス○イムを想像しちゃいます。




