-陸の談-絶対光域反射
※2019/07/03 修正
人が話をしようとすると少しは声を大きくしないといけない距離その間には休みなくランダムに光の柱が空から降っている
…私にこれをやる責務は無いのだけれど、貴女が暴走を始めているのなら止めてあげる。
そう自分に言い聞かせるように言葉には出さないが思念する
その間にも徐々に鬼洗は近づいている。動きは速いがそれよりも速く隙間が無いように光の柱が降る、光の柱が落ちた場所は…いやすでにここ一帯が高温となっており特に中心地である鬼洗の周囲はその場に近づくだけで溶けてしまいそうだ。それなのにそこ以外が何ら変わらない気温であるのは被害が周りに出ないように暖まった空気が光の柱を降らせている範囲から出た瞬間に冷ましている、いや周りの気温と同じ温度に変化させていると言ったほうが適切だろう
さらに集まりすぎた光も降らせたあとどこにいくかも分からないので範囲の外側の空気を光が反射しやすいように変化させているため周りに被害はゼロだ…まあ鬼洗を見なければいけないので鬼洗が見えるくらいの光は反射させていないので控えめに言って多少眩しいくらいだ
その反射させた光は先ほどまでこれを準備していた場所に反射するようにしているのでまたそこからどこへ反射するかは誰も分からないだろう
…これから逃れたいなら気にせずに私に来たほうが勝率は高い。だからと言ってまともにあの光を受ければもう身体は動かせない。かと言って時間をかければ反射でその場所に降っている状態が全体になる、その範囲全てが高熱の光で埋めつくされる。…それでも、強いて言うなら斬欲。邪を斬りたい欲はむしろ増してる。誰かに唆された?でも鬼洗に限ってそれはない、逆に言ってきたやつを斬る。自分の意思はそもそも暴走に近い状態。…最近誰かが問題を起こして終わったと思ったらまた別の…少しイライラして考えてなかったけどこれはたまたま?それとも何かが起こってる?
少し思考しすぎたと思い目の前に意識をやるとすでに真っ白と表現すればいいのか分からないが光の柱を降らせていた範囲は全て光で埋めつくされたようでもう中の様子は分からない少し範囲外の地面が燃えていることが中の熱を伝えている
もうさすがに倒れているだろうと思い解除のため効果を緩め熱や光を逃がそうとしようとしたとき一瞬光が漏れ出る
その眩しさに目を瞑り次に目を開けた時には空気が燃えたようなものが目に入った気がしたがそんなことを気にできるほど時間は無く何の準備もしていない三一納は感だけで判断、いやただ身体が動いた。ただ光を全て上にいくように固有札がない状態の全開で能力を使う
それは自分の目の前にくるはずだった全ての光を上に反らせていたそのためか目の前は真っ白になっていた、この対応は合っていたのだろうただその感だよりの対応は次の一手は読めていなかった
…なん、で…壊れる?そもそも壊れるようなものじゃ――――
呆然と現実逃避をする自分と冷静に分析しようとする自分がまじり結論を出さぬまま出せぬまま目の前の白い壁から出てくる銀白の刀が自分の左腕を肩のところから斬り落とすところをゆっくりと眺めていた
…なんで斬られてる?
しばし斬られた痛みも感じず呆けていたがだんだんとそれを自覚していくと意識が覚醒していく
痛みにとっさに傷に手を当てながら疑問をぶつける
「がっ!…なんで!動いて、いる!」
「何で、と申されましても。こちらと、しても意識を保つ、ことがやっとですよ。ふふ」
光を反射するように変化させていた空気を周りと同じように変化させる
すると見えてきた鬼洗の姿はところどころが炭化しており、顔は右目が無くなぜ髪や右目のまわりが炭化しているだけなのか不思議だそして両腕もひどく削れており動くような状態ではない足に関しては右足首から下は無く左足は無くなっている
そんな状態でありながら笑みを崩さず右手に持つ銀白の刀を振るう
まずい、そう思い目の前に強風を起こす
全方位に起こした風は二人を強制的に離そうとする
しかし鬼洗はもともと飛んでいたため飛ばされはしたが三一納よりかは動けた
「これを…!」
「…っ!止めろ!」
鬼洗は飛ばされるのとほぼ同時に左手に持っている刀を投げる構えをするそれを三一納は強風に邪魔をされても認識し叫ぶが遅く自分が上に向かうように風を起こす寸前にその桃色がかった刀身は心臓の位置に刺さる
そのあとは風もおさまり飛ばされながら二人は意識を手放し地面をごろごろと転がる、三一納に刺さった刀は肉体に刺さったわけではないのでどこかに飛んでいった
そのすぐあとに黒色の和服のような服に赤色の模様、帯が赤色でありその帯は地面につきそうなほど長い、そんな服を着た女性がその場に着いた。その服は彼女、怪護家が代々受け継いできた服であり破魔の力を持つ者の証でもある。
その女性は解決屋でもある
「あっちに鬼の天敵、あっちに多重人格。…はあ、面倒だけどまだうるさいのよねこれ。叩き起こすか」
いまだに鳴るイヤリングは問題が起きている、起こる方角も教えてくれる。そしてまだ鳴っているイヤリングはこことは違う方角を彼女、怪護幽銘に伝えていた