-捌の談-祈土路という嫌人
顔も手も足も何も動かない、ただ視界に映る映像が進み音が声が流れるだけ
…私はいつものようにこたつに入っている。祈土路がいるということは、これはいつのこと…
祈土路を見るしかないので見ているがやはり嫌いだと再度思う
祈土路は縁側に座り外を見たまま会話が始まる
「なあ神様、この世界で死んだらどうなるんだ」
「…地獄に行けるようにはしているはずよ」
「その地獄は機能したことはあっても本当に生まれ変わった、いや幽霊として妖怪として変わったやつもいる。だが本当にこの世界は完成しているのか…?」
「……私たちの…私たちの考えは成功したはずよ」
「でもだ、あれは影華の意思はいわば神の贋作だ。この世界なんて規模じゃない。空間なのかそんな何もないところにでてきた神様と違う。その役目をその存在を全てというものに特化した神様なんかじゃない。俺たちの世界それはいいさ。ただ影華の意思にできるとは思わない。この世界で生まれたものもいる、だが神様、ものには魂が必ずあるとそう言ったよな。その魂はどうやって創られているんだ。俺はあれが不気味で恐ろしい」
「…祈土路」
「…悪い、取り乱した」
「…例えこの世界が壊れていっても私が治す。全て」
祈土路は一呼吸置きお茶を飲んでからまだ話す
「神様、俺さ疲れたんだ。もう満足したんだ。この世界が飽きたわけじゃない、嫌いになったわけでもない。ただもう生きれなくなったんだ」
「…そう」
「最後はさやっぱり神様に見ていてほしいんだ。…それと、頼みたいことがあるんだけど」
「…何かしら」
「俺が最後に連れてきた子、リンが寂しそうだったら伝えてほしい。俺はあいつで最後にしたかったんだ、俺が助ける最後の人として。だから見捨てるような真似をしてすまないと言っておいてくれないか。…辛そうなあいつを寂しそうなあいつを抱きしめてあげられなくてすまないと。でもよ代わりに神様が抱きしめてやってくれないか」
話をしながら祈土路は自分の着ている黒い学生服のようなものを脱ぎ背中を見せてくる。その黒く変色した肌を
「こんな身体じゃあの子に触れることすらだめだ。身体がもうもたない、遊んであげることなんて無理だ」
「やっぱり貴方たちには寿命を永遠に近い時間伸ばしてもそれが邪魔をするのね」
その変色した部分が広くなると死んでしまう、影遠の里を創った者達がなる病気のようなもの実際には違うのだが。そしてそれの進行が早まる原因は能力や固有札を使うこと、そのことを知っているのはごく少数。ただそれを知りながら他人を助け身体を蝕まれながらも能力や固有札を使っていた祈土路は表向きは善行を重ねた者。だが祈土路は死にたがっていた実際は善人じゃない。いやこの世界に善人なんていないのかもしれない
「それでも俺が早く死ぬようにしていただけだ。まあこれで死ぬのは俺で最後だろうけどな」
三一納は祈土路が嫌いだ自分のことを神と知っておりそう呼ぶ。それが嫌いだった。他にないとは言い切れない。ただ嫌い嫌いと思うがこういう他人を助ける気持ちが強いところは好きだったのだろう、そう思う三一納だった
設定考えるのに時間かけすぎて(8時間くらい?)小説書く時間と文章考える時間が…(泣)