-肆の談-歪んだ祭りの異常
やっと風邪が治ってきましたぁ。でもまだ喉が風邪だよーって言ってくるw
時は遡り三一納が冠をのせた男から話を聞いてからしばらくして
「それで?どうするの…」(あの焼いてる丸いのおいしそう)
「…さあ」(…手がかりが足りないんだけど…はぁ)
片方は面倒そうで無愛想、片方は感情を出さないようにしていて無愛想。お互い似たような話方で口数は少ないが思っていることは違うようで何かないかと探しているようだがあまり進展はないようだ
そんな時視界に屋台が見えた。何となくそこに近づくと「いらっしゃいませー」と言われたが三一納は違和感を覚える
容姿はリンゼットと同じ顔も全く違うところがないそんな者に違うところがあった
こんなことには気づくはずもなかったことなのだがあの男の言葉で警戒心が強まり意識がはっきりしていたから気づけた。三一納はさっきまでの自分は呆けていたと認識していた
「…祈土路の人形はどうしたの」
「なんのことでしょう」
「ん?どうしたの?」
リンゼットにとって誰からも嫌われた世界から連れ出してもらった恩人なのだそんな恩人の人形を大切に扱わないということは無いのだ。そして一緒に居ないということも無い
その回答を聞いてすぐに固有札を使い屋台の下半分を空気の無い空間に変える。するとすぐに屋台は崩れるように圧縮されていき視界には巻き込まれないように逃げたリンゼットの姿の幻妖がいた
「…悪気が無くてもリンゼットとして居たのは怒るわ、幻妖」
「あわわわわわわ…」
「…」
終始ネティーショはおろおろしていた
「おぬしら何をしておるんじゃ」
とりあえず三一納は面倒なのが来たという感情を表に出さないように努めた
「これは…」
裏路地を通りついた先には辛そうに膝をついた緑の髪の子がいた。近くの潰れたものには目がいかず周りを確認せずに近づく
「だいじょ…?!」
「…」
心配になり声をかけるがその子をまともに見てしまい絶句する、それとは逆にその子は怪しい笑みを浮かべていた
「“あ、お姉ちゃん聞いてよーあの人が屋台壊しちゃったんだよ。ひどいよねー”」
「…え?…」
「…待ちなさい意識を保って!」
「……」
自分と瓜二つ、いやもはや同じといえる姿を見てしまったせいで(この子は、自分は、どっちも同じ。どうして、)というように少しのパニック状態になってしまった。もちろんそのままであればもともとパニックになるようなことでもなかったので数秒もすれば治るものだったのだが
「…そうだね。ひどかったね、でも他にも楽しいことはあるから」
「“うん、そうだねお姉ちゃん”」
リンゼットは幻妖にかけられていた幻もあり正常ではなかった意識に抗う術はなく容易に術中にはまってしまった
その場で唯一幻に魅入られていない三一納は頭痛に悩まされていた
「…はぁ、どうしよう」