ワーヒド 第1話
今回は説明回です。
会話が一切ありません。
つまらないですが、大目に見てください。
そのあと、アラビア数字の発音で名前が決まり。
僕は一番だったから名前はワーヒド・ヒグチになった。
そして、何かあれば精神同調ですぐに連絡をとるよう約束をして。第一回人格集会が幕を閉じた。
改めて周囲を見回す。広大な草原が広がっている。太陽の動きからおそらく西側だろう方角には森が見える。東側には馬車が通った跡がいっぱいあって、それによりみちらしものができた。
ギャグ神から異世界に着いたらステータスを確認するように言われてるから、早速確認する。
【ステータス】
名前:ワーヒド・ヒグチ
レベル:1
種族:人族
メインジョブ:農民
サブジョブ:未登録
HP 100/100
MP 100/100
攻:10
防:10
技:4
智:20
幸:限界突破
装備:スーツ一式(上・下)・革靴
称号:『世界に愛されし者』
スキル:『精神同調』 『世界之門』 『言語LvMAX』 『大図書館』 『至高神の加護』 『収容魔法』 『念話』 『農業魔法』
ステータスは技が低く、智が高い。この世界の平均は知らないが、魔法職をやるならもってこいだろう。
しかし、この農民というのはいかんせん魔法職に見えない、というより戦闘職に見えない。
農業で貿易無双でもさせるつもりなのか。ギャグ神は僕の転生には手を出したと言った。もしかしたら嫌がらせの一種かもしれない。
でも、ギャグ神は世界を発展させるために僕を送り込んだ。そんなことをしてメリットがあるとは思えない。かと言って、あのギャグ神のことだから完全には否定できない。いや、農業を発展させるつもりなのかもしれない………
ピロリン〜
スキル『思考』を習得しました。
急に軽快な効果音がなり、冷静になる。さっきよりも考えがまとまりやすくなった気がする。
しばらく考えた末。結論、後で考えよう。
考えても分からなそうなことに、いつまでも時間を費やすわけにはいかない。
その下を見よう。装備がスーツと革靴になっている。文明レベルが判明してないが、テンプレの場合は中世期がほとんど。どこかで生活基準の情報を入手し、衣服を調達する必要がある。中世期にスーツを着た人なんて怪しさしかない不審者だ。
さて、この『世界に愛されし者』という称号だが、どういうものなのか。
『世界に愛されし者』
説明:『至高神の加護』を受けた者に授かる称号、世界中枢に申請した時、依怙贔屓され優先的に受理される。敵対する者にはバチが当たる。
まるで大人の裏事情を凝縮したような称号だった。それもそうだろう、僕がギャグ神と呼んでるだけで、実際は神の頂点に立つ存在だ。そのような方がバックに付いたら贔屓しない方がどうかしてる。
スキルは八つのうち五つは説明を受けた。『大図書館』は自分で使い方を探せと言われたが、名前は聞いた。さっきも出てきた『至高神の加護』はおそらくついでにと言った時に与えられた加護だろう。曖昧で抽象的すぎてよく分からない。
『至高神の加護』
説明:畏れ多くて説明できません。
なんでやねん!
もしここにハリセンがあったら、思いっきりステータス画面をぶっ叩いたかもしれない。いや、人が多いところはともかく、人っ子一人いないここでは確実にぶっ叩いたと思う。
でもよく考えて見るとそれは仕方ないかもしれない。ギャグ神結構偉かったんだね。
この『収容魔法』が異世界に着いてからのお楽しみと言われたスキルだろう。
『収容魔法』
説明:異空間の中に何かを収容する魔法。収容されたものの経過時間のスピードを決められる。自我がある存在を収容する時、収容能力を超えない場合のみ、収容される。
『収容魔法』もさっきみたいに説明してほしいと念じたら説明が出てきた。注目すべきは経過時間のスピードを調節できることと生物を収容できることだろう。一般的にアイテムバッグやイベントリーのようなものは生物を入れられないし、時間は入れた時のままというのが普通。ここから見ると『収容魔法』はかなり高性能と見える。
最後に『農業魔法』だが、これは一切何も言われてないから、メインジョブの農民からのスキルだろう。
『農業魔法』
説明:農業に関係する魔法。
現在使用できるスキル
『肥沃化』 『植物成長』
『肥沃化』
説明:栄養を増やし、微生物の働きを活発にする。
『植物成長』
説明:植物の成長を操作する。
僕は馬車が通った跡で出来た道を歩きながら考える。
う〜ん、どっからどうに見ても農業無双ですね。
モンスターや魔物と戦う冒険者にも憧れるけど、ぼのぼの農業ライフも悪くはない。誰も見たこともない作物を大量に育て、がっぽり儲かろう。
そんなことを考えてた時期もありました。
この後、僕はこの『農業魔法』がどれほど強いのかを知った。目の前の死体を見て。
終わりの方を見ますとメッチャ気になると思いますが、次回お楽しみに。
「ギャグ神と何回も言われた。」
至高神は落ち込んだ。