タラータ 第3話
読み返してみたら、誤字脱字が大量にありました。
発見したら私に知らせてください。
「タラータ王はまだ知らぬかもしれないが、ルディアルド王国とアカラ=レヴロン神聖王国は昔から同盟国である。」
「ルディアルド王陛下。その言葉にはいくつか語弊があるようじゃな。昔からではなく、昔にの間違いじゃろう。」
ナナーリアンさんは不遜な態度で言葉を続ける。
「それは第三代神選国王のロディハーグィ様よりも前に締結された同盟じゃ。
更新もされておらず、今は破棄されているも同然の筈じゃ。そんなカビどころかコケすら生えそうな古き盟約を持ち出して何の用だろうか?」
なるほど、どれ程昔かはわからないが、相当昔に締結された盟約があって、それをルディアルド王国が使おうとしている。
「今ここで、この盟約を更新すれば良いだけのことだ。この国の全ては神選国王であるタラータ王が司る。タラータ王がこれを是とすれば問題はない。」
(神聖王国の慣習に則れば、タラータ王はまだ周辺諸国についての情報をよく知らぬ筈、この話に乗る確率も、我が国が救われる確率もゼロではない。)
「待て、タラータ様はまだ今の大陸情勢を理解していらっしゃらない。この場で全てに決めるにはまだ早計じゃ。」
「早計かどうかを決めるのも、タラータ王の権限に含まれているのであろう。」
使者殿とナナーリアンさんがしばらく睨めっこを続け、急に揃って僕のほうを見つめる。
えぇっ?とんでもなく厄介なもんを押し付けられた気がするけど。
どうすりゃいいの、これ?
沈黙は走る。沈黙ばかりが走る。
御二方とも、そんなに僕の顔面をじっと見ないでほしい。見つめたところで僕は何も言えない。何を言えば良いのか、わからない訳がないからだ。
わかったらこんな苦労はしない。ギャグ神もなんで僕にこんなことをさせる。
頼む、頼むから誰かこの気まずい空間を打破して!
いっそ、ハムサのようにギャグ神に呪詛の言葉でも唄ってやろうとしたその時に、救世主が現れた。
「失礼します!第750緊急事件発生しました。」
「なんだと!」
僕は何がなんだかさっぱわからない。急にドアが開けられ、知らない誰かが大急ぎで入ってきたことしかわからない。
しかしながら、名も知らない救世主よ、心の中で感謝しよう。あなたのおかげで僕はこの気まずい雰囲気の中から救われた。
「ルディアルド王陛下!これを踏まえて同盟更新を持ちかけたのじゃな!?」
「ルディアルド王国を維持するのに、これくらい謀が無いようではとても能わぬ。」
「………承知した。」
ナナーリアンさんは僕のほうに向かって繁雑な臣下の礼をとり、こう言った。
「タラータ様、盟約を更新することを諫言致します。」
なんのやりとりをしているのか、これっぽっちもわかりゃしないが、ナナーリアンさんがそう言うならきっとしたほうが良い。
その後も、盟約を更新する際に、色々と今の状況に応じて書き換えたりしたが、僕の出番はなかった。
強いて言うなら、最後に偉そうに『そのように為すことを赦す』と言うだけ。
本当に、優秀な臣下を持つのは助かる。僕はそもそも大陸情勢どころか、大陸の地図すら知らない。
即位する前は最低限の知識を本の中から得たが、それ以外は何も知らない。即位した後も予定がぎゅうぎゅう詰めで勉強する時間すらなかった。
宮中の誰かに教師をしてもらうという話も出てきたことがあったが、それを誰にするのかで大いに揉めた。
だから、僕は未だに自国の地図も知らないダメ君主である。
「タラータ様、まずは先程のことじゃが、英断に感謝する。」
「いやいや、僕の考えよりも、ナナーリアンさんが決めたことのほうが正しいと思っただけですよ。」
そう、僕が独断で何かを決めるより、ナナーリアンさんやロームルさんの言うことを聞いたほうが良い。
「次に、第750緊急事件を説明する。700番代の緊急事件は他国から侵略をするのじゃ。その中の第750緊急事件は隣接国の一つであるバテゲルイェー帝国からの侵略を指す。」
おお!なるほど、大体のことは理解できた。
ルディアルド王国はかなり弱いからうちの国と同盟を更新したい。だが、うちにとってそれをする必要はない。
そう、通常時なら。
今、隣接国の一つであるバテゲルイェー帝国がうちに向かって侵略しようとしている。
対抗する為にうちも盟約を更新せざるを得ない。
バテゲルイェー帝国の国力の如何程はわからないが、ルディアルド王国の国力は話を聞く限り弱そうだ。それでも同盟を結んだほうが良いくらいには強いと見て良いだろう。
そろそろ戦争を始めます。
地図で大体の戦局を対応させますので、それで戦況を確認したください。




